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11.3. SPICE エージェント

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SPICE エージェントは、ゲストオペレーティングシステムと SPICE クライアントの統合を支援することで、virt-manager などのグラフィカルアプリケーションの実行をより円滑に支援します。
たとえば、virt-manager でウィンドウのサイズを変更する場合、SPICE エージェントはクライアントの解像度に対する X セッションの解像度の自動調整を可能にします。SPICE エージェントは、ホストとゲスト間のコピーアンドペーストにも対応しており、マウスカーソルの遅延を防ぎます。
SPICE エージェントの機能に関するシステム固有の情報は、spice-vdagent パッケージの README ファイルを参照してください。

11.3.1. SPICE エージェントとホスト間の通信の設定

SPICE エージェントは、仮想マシンの実行またはシャットダウンで設定できます。実行中のゲストで設定されている場合は、ゲストはすぐにゲストエージェントの使用を開始します。ゲストがシャットダウンすると、システムの次回起動時に SPICE エージェントが有効になります。
virsh または virt-manager のいずれかを使用して、ゲストと SPICE エージェント間の通信を設定できます。ここでは、Linux ゲストで SPICE エージェントを設定する方法を説明します。

手順11.4 Linux ゲストで virsh を使用したゲストエージェントとホスト間の通信の設定

  1. 仮想マシンのシャットダウン

    SPICE エージェントを設定する前に、仮想マシン (この例では rhel7 という名前) がシャットダウンしていることを確認します。
    # virsh shutdown rhel7 
  2. SPICE エージェントチャネルをゲスト XML 設定に追加します。

    ゲストの XML ファイルを編集して、SPICE エージェントの詳細を追加します。
    # virsh edit rhel7
    ゲストの XML ファイルに以下を追加し、変更を保存します。
    <channel type='spicevmc'>
       <target type='virtio' name='com.redhat.spice.0'/>
    </channel>
  3. 仮想マシンの起動

    # virsh start rhel7
  4. ゲストに SPICE エージェントをインストールします。

    ゲスト仮想マシンに SPICE エージェントがインストールされていない場合はインストールします。
    # yum install spice-vdagent
  5. ゲストで SPICE エージェントを起動します。

    ゲストで SPICE エージェントサービスを起動します。
    # systemctl start spice-vdagent
または、次の手順で、実行中のゲストに SPICE エージェントを設定できます。

手順11.5 SPICE エージェントと、実行中の Linux ゲストのホストとの間の通信の設定

  1. SPICE エージェントの XML ファイルの作成

    # cat agent.xml
    <channel type='spicevmc'>
       <target type='virtio' name='com.redhat.spice.0'/>
    </channel>
  2. SPICE エージェントの仮想マシンへの割り当て

    このコマンドを使用して、SPICE エージェントを、実行中の仮想マシン (この例では rhel7) に割り当てます。
    # virsh attach-device rhel7 agent.xml
  3. ゲストに SPICE エージェントをインストールします。

    ゲスト仮想マシンに SPICE エージェントがインストールされていない場合はインストールします。
    # yum install spice-vdagent
  4. ゲストで SPICE エージェントを起動します。

    ゲストで SPICE エージェントサービスを起動します。
    # systemctl start spice-vdagent

手順11.6 virt-manager を使用した SPICE エージェントとホスト間の通信の設定

  1. 仮想マシンのシャットダウン

    SPICE エージェントを設定する前に、仮想マシンがシャットダウンしていることを確認します。
    仮想マシンをシャットダウンするには、Virtual Machine Manager の仮想マシン一覧から仮想マシンを選択し、メニューバーのライトスイッチアイコンをクリックします。
  2. SPICE エージェントチャネルをゲストに追加します。

    ゲストウィンドウ上部の電球アイコンをクリックして、仮想マシンのハードウェアの詳細を開きます。
    Add Hardware ボタンをクリックして Add New Virtual Hardware ウィンドウを開き、Channel を選択します。
    Name ドロップダウンリストから SPICE エージェントを選択し、チャネルアドレスを変更して、Finish をクリックします。

    図11.2 SPICE エージェントのチャネルデバイスの選択

    SPICE エージェントのチャネルデバイスの選択
  3. 仮想マシンの起動

    仮想マシンを起動するには、Virtual Machine Manager の仮想マシンリストから仮想マシンを選択し、メニューバーの をクリックします。
  4. ゲストに SPICE エージェントをインストールします。

    ゲストを virt-manager で開き、ゲスト仮想マシンにインストールされていない場合は SPICE エージェントをインストールします。
    # yum install spice-vdagent
  5. ゲストで SPICE エージェントを起動します。

    ゲストで SPICE エージェントサービスを起動します。
    # systemctl start spice-vdagent
これで、rhel7 仮想マシンに SPICE エージェントが設定されます。
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