7.2. シェルおよびコマンドラインツール
opal-prd
がバージョン 6.7.1 にリベース
opal-prd
がバージョン 6.7.1 にアップグレードされました。主なバグ修正と機能拡張は、以下のとおりです。
-
xscom OPAL
呼び出しによるxscom
エラーログの問題を修正しました。 -
DEBUG
ビルドでデッドロックが修正されました。 -
fast-reboot
がcore/platform
で失敗した場合は、full_reboot
にフォールバックします。 -
core/cpu
のnext_ungarded_primary
が修正されました。 - Self-Boot Engine (SBE) におけるレートリミットタイマーの要求とタイマーの状態が改善されました。
(BZ#1921665)
libservicelog
がバージョン 1.1.19 にリベース
libservicelog
がバージョン 1.1.19 にアップグレードされました。主なバグ修正と機能拡張は、以下のとおりです。
- 出力アライメントの問題を修正
-
servicelog_open()
の失敗時のsegfault
が修正されました。
(BZ#1844430)
ipmitool sol activate
コマンドがクラッシュしなくなる
以前は、RHEL 7 から RHEL 8 にアップグレードした後に、IBM DataPower アプライアンスのリモートコンソールにアクセスしようとすると、ipmitool sol activate
コマンドがクラッシュしていました。
今回の更新によりバグが修正され、ipmitool
を使用して再度リモートコンソールにアクセスできるようになりました。
Relax-and-Recover(ReaR) パッケージが bootlist 実行可能ファイルに依存するようになりました。
以前のリリースでは、ReaR は、IBM Power Systems(リトルエンディアン) アーキテクチャーに bootlist 実行ファイルなしにレスキューイメージを生成することができました。したがって、powerpc-utils-core
パッケージがインストールされていない場合、レスキューイメージには bootlist 実行可能ファイルが含まれませんでした。
今回の更新で、ReaR パッケージは bootlist 実行ファイルに依存するようになりました。この依存関係により、bootlist 実行ファイルが存在するようになります。bootlist 実行ファイルがない場合に、ReaR はレスキューイメージを作成しません。これにより、無効なレスキューイメージが作成されるのを防ぐことができます。
特権のないリモートユーザーで rsync を ReaR で使用できるようになりました。
以前のバージョンでは、rsync を使用してシステムデータのバックアップおよび復元を行うと (BACKUP=RSYNC)
、rsync へのパラメーターは誤って引用され --fake-super
パラメーターがリモートの rsync プロセスに渡されませんでした。そのため、ファイルメタデータが正しく保存および復元されませんでした。
今回の更新で、以下のバグが修正されました。
- ReaR は rsync の正しいパラメーターを使用します。
バックアップおよび復元中のエラー検出の rsync コードが改善されました。
- バックアップ中に rsync エラーが検出されると、ReaR はエラーメッセージを出して中止します。
- 復元中に rsync エラーが検出される場合、ReaR は警告メッセージを表示します。
/etc/rear/local.conf
ファイルで BACKUP_INTEGRITY_CHECK=1
を設定して、警告をエラーメッセージにします。
ReaR の使用時にネットワーク共有のバックアップデータが失われなくなりました
以前のリリースでは、NFS などのネットワークファイルシステムを使用して ReaR バックアップを保存した場合、エラーが発生すると、ReaR は NFS がマウントされたディレクトリーを削除していました。そのため、バックアップデータの喪失が発生していました。
今回の更新により、ReaR が新しい方法を使用してネットワーク共有をアンマウントするようになりました。この新しいメソッドでは、マウントポイントが削除されても、マウントされたファイルシステムの内容は削除されません。ReaR の使用時にネットワーク共有のバックアップデータが失われる問題が修正されました。
ReaR は、ESP を使用するマシンのバックアップおよび復旧に使用できるようになりました。
以前は、Unified Extensible Firmware Interface(UEFI) ファームウェアを使用しているマシンの EFI システムパーティションにソフトウェア RAID(MDRAID) が使用される場合、ReaR は Extensible Firmware Interface(EFI) エントリーを作成しませんでした。ソフトウェア RAID で UEFI ファームウェアおよび EFI システムパーティションを使用するシステムが ReaR を使用して復元されると、回復したシステムは起動できず、ブート EFI 変数の修正に手動の介入が必要でした。
今回の更新で、ソフトウェア RAID デバイスのブート EFI エントリー作成のサポートが ReaR に追加されました。ReaR を使用して、復元後の手動介入なしに、ソフトウェア RAID で EFI システムパーティション (ESP) を使用するマシンをバックアップおよび復元できるようになりました。
openslp パッケージに /etc/slp.spi ファイルを追加
以前は、/etc/slp.spi
ファイルが openslp
パッケージで欠落していました。そのため、/usr/bin/slptool
コマンドが出力を生成しませんでした。今回の更新で、/etc/slp.spi
が openslp
に追加されました。
マルチパスを持つ IBM Power Systems(リトルエンディアン) アーキテクチャーマシンを ReaR を使用して安全に復旧できるようになりました。
以前は、ReaR がシステムを復旧する際に、/sys
ファイルシステムが chroot にマウントされませんでした。IBM Power Systems(Little Endian) アーキテクチャーの ofpathname
実行ファイルは、ブートローダーのインストール時に失敗していました。その結果、エラーは検出されず、復元したシステムは起動できませんでした。
今回の更新で、ReaR はリカバリー chroot に /sys
ファイルシステムをマウントするようになりました。ReaR は、Power Systems(リトルエンディアン) アーキテクチャーのマシン上のレスキューシステムに ofpathname
が存在するようにします。
エイリアスを使用した場合に、which
ユーティリティーが構文エラーメッセージで中止されなくなりました
以前は、A=B which ls
などのエイリアスで which
コマンドを使用しようとすると、which
ユーティリティーは構文エラーメッセージ bash: syntax error near unexpected token `('
で中断します。
このバグは修正され、which
がエラーメッセージなしでコマンドのフルパスを正しく表示するようになりました。
(BZ#1940468)