4.14. デスクトップ


ログイン画面でネットワークに接続できるようになりました。

今回の更新で、GNOME Display Manager (GDM) ログイン画面で、ネットワークに接続し、特定のネットワークオプションを設定できるようになりました。その結果、ホームディレクトリーがリモートサーバーに保存されているエンタープライズユーザーとしてログインできます。

ログイン画面では、次のネットワークオプションに対応しています。

  • 有線ネットワーク
  • ワイヤレスネットワーク (パスワードで保護されているネットワークを含む)
  • 仮想プライベートネットワーク (VPN)

ログイン画面では、追加のネットワーク設定の画面を開くことができません。このため、ログイン画面では次のネットワークオプションを使用できません。

  • キャプティブポータルを開くネットワーク
  • モデム接続
  • エンタープライズの WPA または WPA2 暗号を使用した、事前設定されていないワイヤレスネットワーク

ログイン画面のネットワークオプションは、デフォルトでは無効になっています。ネットワーク設定を有効にするには、以下の手順を使用します。

  1. 以下の内容で /etc/polkit-1/rules.d/org.gnome.gdm.rules を作成します。

    polkit.addRule(function(action, subject) {
        if (action.id == "org.freedesktop.NetworkManager.network-control" &&
            subject.user == "gdm") {
                return polkit.Result.YES;
        }
    
        return polkit.Result.NOT_HANDLED;
    });
  2. GDM を再起動します。

    # systemctl restart gdm
    警告

    GDM を再起動すると、グラフィカルユーザーセッションがすべて終了します。

  3. ログイン画面で、トップパネルの右側にあるメニューのネットワーク設定にアクセスします。

(BZ#1935261)

ログイン時のシステムセキュリティー分類の表示

GNOME Display Manager(GDM) ログイン画面を設定して、事前定義済みメッセージを含むオーバーレイバナーを表示できるようになりました。これは、ログイン前にユーザーがシステムのセキュリティー分類を読み取る必要があるデプロイメントに役立ちます。

オーバーレイバナーを有効にし、セキュリティー分類メッセージを設定するには、以下の手順に従います。

  1. gnome-shell-extension-heads-up-display パッケージをインストールします。

    # yum install gnome-shell-extension-heads-up-display
  2. 以下の内容で /etc/dconf/db/gdm.d/99-hud-message ファイルを作成します。

    [org/gnome/shell]
    enabled-extensions=['heads-up-display@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com']
    
    [org/gnome/shell/extensions/heads-up-display]
    message-heading="Security classification title"
    message-body="Security classification description"

    以下の値を、システムのセキュリティー分類を記述するテキストに置き換えます。

    Security classification title
    セキュリティー分類を示す簡単な見出し。
    Security classification description
    さまざまなガイドラインへの参照など、追加情報を提供する長いメッセージ。
  3. dconf データベースを更新します。

    # dconf update
  4. システムを再起動します。

(BZ#1651378)

Flicker free boot が利用可能

これで、システムでフリッカーフリー起動を有効にできるようになります。flicker free boot が有効になると、システムの起動プロセス中にグラフィカルな急激な変化がなくなり、システムの起動時にディスプレイの表示がすぐに消えることはありません。

フリッカーフリー起動を有効にするには、以下の手順を使用します。

  1. ブートローダーメニューをデフォルトで非表示に設定します。

    # grub2-editenv - set menu_auto_hide=1
  2. ブートローダー設定を更新します。

    • UEFI システムの場合:

      # grub2-mkconfig -o /etc/grub2-efi.cfg
    • レガシー BIOS システムの場合:

      # grub2-mkconfig -o /etc/grub2.cfg
  3. システムを再起動します。

その結果、システムの起動時にブートローダーメニューが表示されず、ブートプロセスがグラフィカルにスムーズになります。

ブートローダーメニューを表示するには、システムの電源を入れてから Esc を繰り返し押します。

(JIRA:RHELPLAN-99148)

絵文字のサポートを更新

このリリースでは、Unicode の絵文字のサポートを、絵文字規格のバージョン 11 からバージョン 13 に更新しています。その結果、RHEL ではより多くの絵文字を使用できるようになりました。

絵文字機能を提供する以下のパッケージがリベースされました。

パッケージ以前のバージョンリベース後のバージョン

cldr-emoji-annotation

33.1.0

38

google-noto-emoji-fonts

20180508

20200723

unicode-emoji

10.90.20180207

13.0

(JIRA:RHELPLAN-61867)

すべてのユーザーにデフォルトのデスクトップセッションを設定できます。

今回の更新で、ログインしていないすべてのユーザーに対して事前に選択されているデフォルトのデスクトップセッションを設定できるようになりました。

ユーザーがデフォルト以外のセッションを使用してログインしても、選択した内容は次回のログイン時に持続します。

デフォルトのセッションを設定するには、以下の手順を使用します。

  1. 設定ファイルテンプレートをコピーします。

    # cp /usr/share/accountsservice/user-templates/standard \
         /etc/accountsservice/user-templates/standard
  2. 新しい /etc/accountsservice/user-templates/standard を編集します。Session=gnome の行で、gnome を、デフォルトとして設定するセッションに置き換えます。
  3. オプションです。特定のユーザーのデフォルトセッションの例外を設定するには、以下の手順に従います。

    1. テンプレートファイルを /var/lib/AccountsService/users/user-name にコピーします。

      # cp /usr/share/accountsservice/user-templates/standard \
           /var/lib/AccountsService/users/user-name
    2. 新しいファイルで、${USER}${ID} などの変数を、ユーザーの値に置き換えてください。
    3. Session の値を編集します。

(BZ#1812788)

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