第13章 論理ボリュームのアクティブ化
デフォルトでは、論理ボリュームを作成すると、アクティブ状態になります。アクティブ状態の論理ボリュームは、ブロックデバイスを介して使用できます。アクティブ化された論理ボリュームにはアクセスでき、変更される可能性があります。
個々の論理ボリュームを非アクティブにして、カーネルに認識しないようにする必要がある状況はさまざまです。個々の論理ボリュームは、lvchange
コマンドの -a
オプションを使用してアクティブまたは非アクティブにできます。
個々の論理ボリュームを非アクティブにする形式を以下に示します。
# lvchange -an vg/lv
個々の論理ボリュームをアクティブにする形式を以下に示します。
# lvchange -ay vg/lv
vgchange
コマンドの -a
オプションを使用して、ボリュームグループの論理ボリュームをすべてアクティブまたは非アクティブにできます。これは、ボリュームグループの個々の論理ボリュームに lvchange -a
コマンドを実行するのと同じです。
以下は、ボリュームグループの論理ボリュームをすべて非アクティブにする形式です。
# vgchange -an vg
以下は、ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームをアクティブにする形式です。
# vgchange -ay vg
systemd-mount
ユニットがマスクされていない限り、手動アクティベーション中に、systemd
は /etc/fstab
ファイルからの対応するマウントポイントで LVM ボリュームを自動的にマウントします。
13.1. 論理ボリュームおよびボリュームグループの自動アクティブ化の制御
論理ボリュームの自動アクティブ化は、システム起動時に論理ボリュームをイベントベースで自動的にアクティブにすることを指します。システムでデバイスが利用可能になると (デバイスのオンラインイベント)、systemd/udev
は、各デバイスに lvm2-pvscan
サービスを実行します。このサービスは、named デバイスを読み込む pvscan --cache -aay device
コマンドを実行します。デバイスがボリュームグループに属している場合、pvscan
コマンドは、そのボリュームグループに対する物理ボリュームがすべて、そのシステムに存在するかどうかを確認します。存在する場合は、このコマンドが、そのボリュームグループにある論理ボリュームをアクティブにします。
VG または LV に自動アクティブ化プロパティーを設定できます。自動アクティブ化のプロパティーが無効になっている場合、VG または LV は、-aay
オプションを使用した vgchange
、lvchange
、または pvscan
などの自動アクティブ化を実行するコマンドによってアクティブ化されません。VG で自動アクティブ化が無効になっていると、その VG で LV が自動アクティブ化されず、自動アクティブ化のプロパティーの効果はありません。VG で自動アクティブ化が有効化されている場合、個々の LV に対して自動アクティブ化を無効にできます。
手順
次のいずれかの方法で自動アクティブ化設定を更新できます。
コマンドラインを使用して VG の自動アクティブ化を制御します。
# vgchange --setautoactivation <y|n>
コマンドラインを使用して LV の自動アクティブ化を制御します。
# lvchange --setautoactivation <y|n>
次の設定オプションのいずれかを使用して、
/etc/lvm/lvm.conf
設定ファイルで LV の自動アクティブ化を制御します。global/event_activation
event_activation
が無効になっている場合、systemd/udev
は、システムの起動時に存在する物理ボリュームでのみ、論理ボリュームを自動アクティブにします。すべての物理ボリュームが表示されていないと、一部の論理ボリュームが自動的にアクティブにならない場合もあります。activation/auto_activation_volume_list
auto_activation_volume_list
を空のリストに設定すると、自動アクティベーションは完全に無効になります。特定の論理ボリュームとボリュームグループにauto_activation_volume_list
を設定すると、自動アクティベーションは、設定した論理ボリュームに制限されます。
関連情報
-
/etc/lvm/lvm.conf
設定ファイル -
lvmautoactivation(7)
の man ページ