13.5. LVM 物理ボリュームでのメタデータの復元
この手順では、破損したり、新しいデバイスに置き換えたりする物理ボリュームのメタデータを復元します。物理ボリュームのメタデータ領域を書き換えて、物理ボリュームからデータを復旧できる場合があります。
作業用の LVM 論理ボリュームでこの手順を実行しないでください。誤った UUID を指定すると、データが失われることになります。
前提条件
- 見つからない物理ボリュームのメタデータを特定している。詳細は、見つからない LVM 物理ボリュームのメタデータの検索 を参照してください。
手順
物理ボリュームでメタデータを復元します。
# pvcreate --uuid physical-volume-uuid \ --restorefile /etc/lvm/archive/volume-group-name_backup-number.vg \ block-device
注記コマンドは、LVM メタデータ領域のみを上書きし、既存のデータ領域には影響を与えません。
例13.4 /dev/vdb1 での物理ボリュームの復元
以下の例では、以下のプロパティーで
/dev/vdb1
デバイスを物理ボリュームとしてラベル付けします。-
FmGRh3-zhok-iVI8-7qTD-S5BI-MAEN-NYM5Sk
の UUID VG_00050.vg
に含まれるメタデータ情報 (ボリュームグループの最新のアーカイブメタデータ)# pvcreate --uuid "FmGRh3-zhok-iVI8-7qTD-S5BI-MAEN-NYM5Sk" \ --restorefile /etc/lvm/archive/VG_00050.vg \ /dev/vdb1 ... Physical volume "/dev/vdb1" successfully created
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ボリュームグループのメタデータを復元します。
# vgcfgrestore myvg Restored volume group myvg
ボリュームグループの論理ボリュームを表示します。
# lvs --all --options +devices myvg
現在、論理ボリュームは非アクティブです。以下に例を示します。
LV VG Attr LSize Origin Snap% Move Log Copy% Devices mylv myvg -wi--- 300.00G /dev/vdb1 (0),/dev/vdb1(0) mylv myvg -wi--- 300.00G /dev/vdb1 (34728),/dev/vdb1(0)
論理ボリュームのセグメントタイプが RAID の場合は、論理ボリュームを再同期します。
# lvchange --resync myvg/mylv
論理ボリュームを非アクティブにします。
# lvchange --activate y myvg/mylv
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ディスク上の LVM メタデータが、それを上書きしたものと同じかそれ以上のスペースを使用する場合は、この手順で物理ボリュームを回復できます。メタデータを上書きしたものがメタデータ領域を超えると、ボリューム上のデータが影響を受ける可能性があります。そのデータを復元するには、
fsck
コマンドを使用することができます。
検証
アクティブな論理ボリュームを表示します。
# lvs --all --options +devices LV VG Attr LSize Origin Snap% Move Log Copy% Devices mylv myvg -wi--- 300.00G /dev/vdb1 (0),/dev/vdb1(0) mylv myvg -wi--- 300.00G /dev/vdb1 (34728),/dev/vdb1(0)