9.21. RAID 論理ボリュームでのデータ整合性の確認
LVM は、RAID 論理ボリュームのスクラビングに対応します。RAID スクラビングは、アレイ内のデータおよびパリティーブロックをすべて読み込み、それが一貫しているかどうかを確認するプロセスです。lvchange --syncaction repair
コマンドは、アレイでバックグラウンドの同期アクションを開始します。
手順
オプション: 次のいずれかのオプションを設定して、RAID 論理ボリュームが初期化される速度を制御します。
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--maxrecoveryrate Rate[bBsSkKmMgG]
は、RAID 論理ボリュームの最大復旧速度を設定し、通常の I/O 操作が排除されないようにします。 --minrecoveryrate Rate[bBsSkKmMgG]
は、RAID 論理ボリュームの最小復旧速度を設定し、負荷の高い通常の I/O がある場合でも、同期操作の I/O が最小スループットを達成できるようにします。# lvchange --maxrecoveryrate 4K my_vg/my_lv Logical volume _my_vg/my_lv_changed.
4K は、アレイに含まれる各デバイスの 1 秒あたりの値である復旧速度の値に置き換えます。接尾辞を指定しないと、デバイスごとの 1 秒あたりの kiB が想定されます。
# lvchange --syncaction repair my_vg/my_lv
RAID スクラビング操作を実行すると、
sync
アクションに必要なバックグラウンド I/O が、LVM デバイスへの他の I/O (ボリュームグループメタデータの更新など) よりも優先される可能性があります。これにより、他の LVM 操作が遅くなる可能性があります。注記これらの最大および最小 I/O 速度は、RAID デバイスを作成するときに使用することもできます。たとえば、
lvcreate --type raid10 -i 2 -m 1 -L 10G --maxrecoveryrate 128 -n my_lv my_vg
を使用すると、ボリュームグループ my_vg 内に、3 ストライプでサイズが 10 G、最大復旧速度が 128 kiB/秒/デバイスの 2 方向の RAID10 アレイ my_lv が作成されます。
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アレイ内の不一致数を修復せずに、アレイ内の不一致の数を表示します。
# lvchange --syncaction check my_vg/my_lv
このコマンドは、アレイでバックグラウンドの同期アクションを開始します。
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オプション:
var/log/syslog
ファイルでカーネルメッセージを確認します。 アレイ内の不一致を修正します。
# lvchange --syncaction repair my_vg/my_lv
このコマンドは、RAID 論理ボリューム内の障害が発生したデバイスを修復または交換します。このコマンドを実行したら、
var/log/syslog
ファイルでカーネルメッセージを確認できます。
検証
スクラビング操作に関する情報を表示します。
# lvs -o +raid_sync_action,raid_mismatch_count my_vg/my_lv LV VG Attr LSize Pool Origin Data% Meta% Move Log Cpy%Sync Convert SyncAction Mismatches my_lv my_vg rwi-a-r--- 500.00m 100.00 idle 0
関連情報
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システム上の
lvchange(8)
およびlvmraid(7)
man ページ - 最小/最大 I/O レートオプション