第3章 LVM ボリュームグループの管理
ボリュームグループ (VG) を作成および使用すると、複数の物理ボリューム (PV) を 1 つのストレージエンティティーにまとめて管理およびサイズ変更できます。
LVM で割り当てることができる最小単位の領域のことを、エクステントといいます。物理エクステント (PE) と論理エクステント (LE) のデフォルトサイズは 4 MiB です。このサイズは設定可能です。すべてのエクステントは同じサイズです。
VG 内に論理ボリューム (LV) を作成すると、LVM が PV に物理エクステントを割り当てます。LV 内の論理エクステントは、VG 内の物理エクステントと 1 対 1 で対応します。LV を作成するために PE を指定する必要はありません。LVM は利用可能な PE を検出してそれらを組み合わせて、要求されたサイズの LV を作成します。
VG 内では、複数の LV を作成できます。各 LV は、従来のパーティションのように機能しますが、複数の物理ボリュームにまたがって動的にサイズを変更する機能を備えています。VG はディスク領域の割り当てを自動的に管理できます。
3.1. LVM ボリュームグループの作成
vgcreate
コマンドを使用してボリュームグループ (VG) を作成できます。非常に大きいボリュームまたは非常に小さいボリュームのエクステントサイズを調整すると、パフォーマンスとストレージ効率を最適化できます。エクステントサイズは、VG を作成するときに指定できます。エクステントサイズを変更するには、ボリュームグループを再作成する必要があります。
前提条件
- 管理アクセスがある。
-
lvm2
パッケージがインストールされている。 - 1 つ以上の物理ボリュームが作成されている。物理ボリュームの作成方法は、LVM 物理ボリュームの作成 を参照してください。
手順
VG に含める PV をリスト表示して特定します。
# pvs
VG を作成します。
# vgcreate VolumeGroupName PhysicalVolumeName1 PhysicalVolumeName2
VolumeGroupName は、作成するボリュームグループの名前に置き換えます。PhysicalVolumeName は、PV の名前に置き換えます。
VG を作成するときにエクステントサイズを指定するには、
-s ExtentSize
オプションを使用します。ExtentSize は、エクステントサイズに置き換えます。サイズの接尾辞を指定しなかった場合、このコマンドではデフォルトで MB が使用されます。
検証
VG が作成されたことを確認します。
# vgs VG #PV #LV #SN Attr VSize VFree VolumeGroupName 1 0 0 wz--n- 28.87g 28.87g
関連情報
-
システム上の
vgcreate(8)
、vgs(8)
、およびpvs(8)
man ページ