第8章 SQL Server の Debezium コネクター
Debezium の SQL Server コネクターは、SQL Server データベースのスキーマで発生する行レベルの変更をキャプチャーします。
このコネクターと互換性のある SQL Server のバージョンについては、Debezium でサポートされる設定ページを参照してください。
Debezium SQL Server コネクターとその使用に関する詳細は、以下を参照してください。
Debezium SQL Server コネクターが SQL Server データベースまたはクラスターに初めて接続すると、データベースのスキーマの整合性スナップショットが作成されます。コネクターは、最初のスナップショットが完了すると、CDC に対して有効になっている SQL Server データベースにコミットされた INSERT
、UPDATE
または DELETE
操作の行レベルの変更を継続的にキャプチャーします。コネクターは、各データ変更操作のイベントを生成し、それらのイベントを Kafka トピックにストリーミングします。コネクターは、テーブルのすべてのイベントを専用の Kafka トピックにストリーミングします。その後、アプリケーションとサービスは、そのトピックからのデータ変更イベントレコードを使用できます。
8.1. Debezium SQL Server コネクターの概要
Debezium SQL Server コネクターは、SQL Server 2016 Service Pack 1 (SP1) およびそれ以降 の Standard エディションまたは Enterprise エディションで利用可能な 変更データキャプチャー (CDC) 機能に基づいています。SQL Server のキャプチャープロセスでは、指定のデータベースおよびテーブルを監視し、その変更をストアドプロシージャーファサードのある特別に作成された 変更テーブル に格納します。
Debezium SQL Server コネクターがデータベース操作の変更イベントレコードをキャプチャーできるようにするには、最初に SQL Server データベースで変更データキャプチャー (CDC) を有効にする必要があります。データベースと、キャプチャーする各テーブルの両方で、CDC を有効にする必要があります。ソースデータベースで CDC を設定した後、コネクターはデータベースで発生する行レベルの INSERT
、UPDATE
および DELETE
操作をキャプチャーできます。コネクターは、各ソーステーブルの各レコードを、そのテーブル専用の Kafka トピックに書き込みます。キャプチャーされたテーブルごとに 1 つのトピックが存在します。クライアントアプリケーションは、対象のデータベーステーブルの Kafka トピックを読み取り、これらのトピックから使用する行レベルのイベントに対応できます。
コネクターが SQL Server データベースまたはクラスターに初めて接続すると、変更をキャプチャーするように設定されたすべてのテーブルのスキーマの整合性スナップショットを作成し、この状態を Kafka にストリーミングします。スナップショットの完了後、コネクターは発生する後続の行レベルの変更を継続的にキャプチャーします。最初にすべてのデータの整合性のあるビューを確立することで、コネクターはスナップショットの実行中に行われた変更を失うことなく読み取りを続行します。
Debezium SQL Server コネクターはフォールトトラレントです。コネクターは変更を読み取り、イベントを生成するため、データベースログにイベントの位置を定期的に記録します (LSN / Log Sequence Number)。コネクターが何らかの理由で停止した場合 (通信障害、ネットワークの問題、クラッシュなど)、コネクターは再起動後に最後に読み取りした場所から SQL Server CDC テーブルの読み取りを再開します。
オフセットは定期的にコミットされます。変更イベントの発生時にはコミットされません。その結果、停止後に重複するイベントが生成される可能性があります。
フォールトトレランスはスナップショットにも適用されます。つまり、スナップショット中にコネクターが停止した場合、コネクターは再起動時に新しいスナップショットを開始します。