2.12. プロビジョニングテンプレートの種類
プロビジョニングテンプレートにはさまざまな種類があります。
- プロビジョニング
プロビジョニングプロセスのメインテンプレート。たとえば、キックスタートテンプレートです。キックスタートの構文とコマンドの詳細は、次のリソースを参照してください。
- 高度な RHEL 9 インストールの実行 の キックスタートのリファレンス
- 高度な RHEL 8 インストールの実行 の キックスタートのリファレンス
- Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイド の キックスタート構文の参考資料
- PXELinux、PXEGrub、PXEGrub2
- 正しいカーネルオプションが指定されたインストーラーをホストで使用されるように、サブネットに関連付けられたテンプレート Capsule にデプロイする PXE ベースのテンプレート。BIOS プロビジョニングの場合は、PXELinux テンプレートを選択します。UEFI プロビジョニングの場合は、PXEGrub2 を選択します。
- 終了
主なプロビジョニングプロセスの完了時に、SSH 接続を使用して実行するプロビジョニング後の設定スクリプト。finish テンプレートは、user_data をサポートしない仮想またはクラウド環境でのイメージベースのプロビジョニングにのみ使用できます。Foreman Discovery イメージと呼ばれる場合もあるので、Foreman Discovery ISO のイメージと混同しないようにしてください。このコンテキストのイメージは、デプロイメントの簡素化を目指した、仮想化環境でのインストールイメージを指します。
Red Hat Satellite は、終了スクリプトがリターンコード
0
で正常に終了すると、このコードが成功したとして処理し、ホストはビルドモードを終了します。終了スクリプトには、call back HTTP 呼び出しを使用するビルドモードを含むものが複数ある点に注意してください。上記のスクリプトは、イメージベースのプロビジョニングには使用されず、Debian、Ubuntu、BSD などのオペレーティングシステムをインストールした後の設定に使用されます。Red Hat は、Red Hat Enterprise Linux 以外のオペレーティングシステムのプロビジョニングをサポートしていません。
- user_data
シードデータとも呼ばれるカスタムデータに対応するプロバイダーのプロビジョニング後の設定スクリプト。user_data テンプレートを使用してクラウドまたは仮想環境のみで仮想マシンをプロビジョニングできます。このテンプレートでは、Satellite がホストに到達できなくても構いません。クラウドまたは仮想化プラットフォームがデータをイメージに配信します。
プロビジョニングするイメージに、データを読み取るためのソフトウェアがインストールされており、そのソフトウェアが起動時に開始されるように設定されていることを確認します。たとえば、
cloud-init
は YAML 入力が必要で、また、ignition
は JSON 入力が必要です。- cloud_init
VMWare などの一部の環境ではカスタムデータをサポートしないか、独自のデータ形式を使用しておりカスタマイズ時の機能に制限がある場合があります。このような場合には、
foreman
プラグインで cloud-init クライアントを設定し、HTTP または HTTPS で Satellite からのテンプレートの直接ダウンロードを試行します。この手法はどの環境でも利用できますが、仮想化環境での利用を推奨します。cloud_init
テンプレートを使用する以下の要件を満たしていることを確認してください。- プロビジョニングするイメージに、データを読み取るためのソフトウェアがインストールされており、そのソフトウェアが起動時に開始されるように設定されていることを確認します。
プロビジョニングされたホストは、ホストのプロビジョニングインターフェイスの IP と一致する IP アドレスから Satellite に到達できます。
cloud-init は NAT の前では機能しないことに注意してください。
- Bootdisk
- PXE 以外の起動方法に使用するテンプレート
- カーネル実行 (kexec)
PXE 以外の起動方法に使用するカーネル実行テンプレート
注記カーネル実行は、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat サービスレベルアグリーメント (SLA) では完全にサポートされておらず、機能的に完全でない可能性があり、実稼働環境での使用を目的とはしていません。ですが、近々発表予定のプロダクトイノベーションをリリースに先駆けてご提供することで、お客様には機能性をテストし、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことができます。
- スクリプト
- デフォルトで使用されないが、カスタムタスクに役立つ任意のスクリプト。
- ZTP
- Zero Touch Provisioning テンプレート。
- POAP
- PowerOn Auto Provisioning テンプレート。
- iPXE
-
PXELinux の代わりに
iPXE
またはgPXE
環境で使用するテンプレート。