第5章 データ収集ツールを正しく選ぶ方法
サブスクリプションの使用状況に関するデータを表示するために、サブスクリプションサービスでは、データを取得するためのデータ収集ツールが必要です。さまざまなデータ収集ツールには、固有の特徴があり、それに応じて特定の環境下で効果を発揮します。
お使いの環境で、データ収集ツールを複数実行しておく必要がある場合があります。複数のデータ収集ツールが Hybrid Cloud Console のサービスにデータを供給している場合、このデータを処理するツールは、さまざまなデータ収集ツールからの情報を分析し、重複を排除して標準化されたファクト (カノニカルファクト) を作成できます。
以下の情報は、お客様の環境に最適なデータ収集ツールを決定する際の参考になります。
5.1. Red Hat Insights
Insight は、データ収集ツールで、常時接続されているお客様に最適です。このプロフィールに当てはまる方は、データ収集ツールとしてだけでなく、分析、脅威の特定、修復、レポート機能を提供するソリューションとして Insights を使用することをおすすめします。
バージョン 8 以降のすべての Red Hat Enterprise Linux のサブスクリプションに Insights が含まれ、2021 年 4 月には Red Hat Insights for Red Hat OpenShift が提供されるようになり、データ収集ツールとして Insights を使用することがさらに便利になります。
しかし、データ収集ツールとして Insights を使用することは、Insights エージェントが console.redhat.com の Web サイトに直接接続できない場合や、Red Hat Satellite をその接続のプロキシーとして使用できない場合には、理想的ではありません。また、仮想データセンター (VDC) などの仮想化環境でハイパーバイザーのホスト-ゲストマッピングが必要な場合に、唯一のソリューションとして使用できません。その場合、Insights は Satellite と合わせて使用する必要があります。