第6章 サブスクリプション属性の設定方法
Red Hat サブスクリプションは、テクノロジーとユースケースを組み合わせて、調達チームと技術チームがビジネスニーズに最適な購入とデプロイメントの決定を下せるよう支援します。同じ製品が 2 つの異なるサブスクリプションで提供されている場合に、これらのユースケースはこのオプションを区別します。購入時に意思決定プロセスに関する情報を提供し、ライフスサイクル全体でそのままサブスクリプションに関連付けられているので、サブスクリプションがどのように使用されているかが判断できます。
Red Hat は、サブスクリプション属性の適用を通じてユースケース情報を製品に関連付ける方法を提供します。これらのサブスクリプション属性は、製品のインストール時に提供することも、製品の更新として提供することもできます。
サブスクリプションサービスを利用することで、ソフトウェアのデプロイメントと、そのデプロイメントをサポートするユースケースとを調整し、アカウントのサブスクリプションプロファイルで指定されている容量と、実際の消費量を比較できます。インベントリーのサブスクリプション属性を適切かつ自動的に維持することは、サブスクリプションサービスのレポートの正確性を確保するには重要です。
サブスクリプションの属性は、一般的に以下のユースケースに分類されます。
- テクニカルユースケース
- 製品がデプロイメント時にどのように使用されるかを表す属性。たとえば、サーバーとして使用される RHEL のロール情報や、ワークステーションとして使用される RHEL のロール情報などがあります。
- ビジネスユースケース
- お客様のビジネス環境やワークフローに関連して、製品がどのように使用されるかを表す属性。たとえば、本番環境の一部として使用したり、障害回復環境の一部として使用したりする場合などです。
- 運用ユースケース
- 製品がどのようにサポートされるかなどさまざまな運用上の特性を表す属性。たとえば、サービスレベルアグリーメント (SLA) が Premium であったり、サービスタイプが L1~L3 であったりします。
サブスクリプションの属性は、オペレーティングシステムやその管理ツールから設定される場合もあれば、製品自体の設定から設定される場合もあります。全体的に、これらのサブスクリプション属性は、このようなすべてのツールで、システム目的、サブスクリプション設定など同様の名前として知られています。
サブスクリプション属性は、インベントリーツールなどの Cloud Services プラットフォームツールで使用され、インベントリーに含まれる製品の最も正確な使用状況のプロファイルを構築します。サブスクリプションツールは、これらの他のツールで検出および報告されたサブスクリプション属性を使用して、サブスクリプションに関するデータをフィルタリングし、より高い粒度でデータを表示できるようにします。たとえば、RHEL サブスクリプションをフィルタリングして SLA が Premium のものだけを表示すると、Premium サブスクリプションの全体的な容量と比較して、Premium サブスクリプションの現在の使用状況を判断するのに役立ちます。
サブスクリプション属性データの品質は、サブスクリプションサービスデータの精度と有用性に大きく影響します。したがって、ベストプラクティスとしてはサブスクリプションサービス内での現在の使用状況、サブスクリプション属性の使用状況の今後の拡張状況の両方について、これらの属性が正しく設定されていることを確認してください。
6.1. RHEL のサブスクリプション属性の設定
RHEL、Red Hat Subscription Management、または Satellite から RHEL 製品のサブスクリプション属性を設定できます。
サブスクリプション属性は、1 つのツールからのみ設定する必要があります。複数のツールを使用すると、設定が一致しない可能性があります。これらのツールは異なる間隔 (ハートビート) で Cloud Services プラットフォームツールにデータを報告し、かつ、サブスクリプションサービスは最後に報告されたデータに基づいて 1 日 1 回のスナップショットとして結果を表示するため、複数のツールにサブスクリプション属性を追加すると、サブスクリプションサービスのデータの質に影響を与える可能性があります。
RHEL からのサブスクリプション属性の設定
RHEL 8 以降では、各種の方法でサブスクリプションの属性を設定できます。syspurpose
コマンドラインツールの使用を含むこれらの方法は、RHEL 8 のドキュメントで、さまざまなコンテキストで説明されています。詳細は、以下のリンクをご覧ください。
- 標準的な RHEL 8 インストールの実行 ガイドに記載されているインストール後のタスクの完了に関するセクションを参照してください。
- システム設計ガイド のシステム目的の設定のセクションを参照してください。
また、RHEL 7.7 以降には、syspurpose
コマンドラインツールが追加されています。
Red Hat Subscription Management でのサブスクリプション属性の設定
Red Hat Subscription Management では、サブスクリプション属性を設定する方法は、システムの登録のセクションと登録コマンドの説明に含まれていますが、システムの目的の使用に関連する項でより詳細に説明されています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
- Red Hat Subscription Management の使用 ガイドのサブスクリプション使用量の管理に関するセクションを参照してください。
Satellite からのサブスクリプション属性の設定
Satellite では、サブスクリプションの属性を設定する方法は、ホストの作成やホストのシステム目的の編集に関する説明に記載されています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
- ホスト管理 ガイドのホストの管理の項を参照してください。