付録C LVM オブジェクトタグ
LVM タグは、同じタイプの LVM2 オブジェクトを 1 つにグループ化するために使用される用語です。タグは物理ボリューム、ボリュームグループ、論理ボリュームなどのオブジェクトに割り当てることができます。クラスター構成ではタグをホストに割り当てることができます。スナップショットにはタグを付けることはできません。
タグは、コマンドラインで引数 PV、VG、または LV の代わりに表示することができます。混乱を防ぐために、タグの先頭には @ を付ける必要があります。各タグは、コマンドライン上の位置から想定されるタイプの、そのタグを処理するすべてのオブジェクトに置き換えることによって拡張されます。
Red Hat Enterprise Linux 6.1 リリースでは、LVM タグは最長 1024 文字の文字列です (旧リリースでは、文字数制限は 128 文字でした)。LVM タグの先頭にハイフンを使用することはできません。
有効なタグは限定された範囲の文字のみで構成されます。Red Hat Enterprise Linux 6.0 リリースで使用可能な文字は [A-Za-z0-9_+.-] です。Red Hat Enterprise Linux 6.1 リリースでは、使用可能な文字の一覧が拡れ、タグには "/"、"="、"!"、":"、"#"、および "&" の文字が使用できるようになりました。
ボリュームグループ内のオブジェクトのみにタグを付けられます。物理ボリュームは、ボリュームグループから削除された場合は、そのタグを失います。これは、タグがボリュームグループメタデータの一部として保存され、物理ボリュームが取り除かれる際に削除されるためです。スナップショットにタグを付けることはできません。
以下のコマンドは、
database
タグを持つすべての論理ボリュームを一覧表示します。
lvs @database
以下のコマンドは、現在アクティブなホストタグを一覧表示します。
lvm tags
C.1. オブジェクトタグの追加と削除
物理ボリュームにタグを追加したり、そこからタグを削除したりするには、
pvchange
コマンドで --addtag
オプションや --deltag
オプションを使用します。
ボリュームグループにタグを追加したり、そこからタグを削除するには、
vgchange
または vgcreate
コマンドで --addtag
や、--deltag
オプションを使用します。
論理ボリュームにタグを追加したり、そこからタグを削除するには、
lvchange
または lvcreate
コマンドで --addtag
や --deltag
オプションを使用します。
Red Hat Enterprise Linux 6.1 リリースでは、
pvchange
、vgchange
、またはlvchange
の単一のコマンドで、--addtag
および --deltag
の引数を複数指定することができます。たとえば、以下のコマンドはタグ T9
と T10
を削除し、タグ T13
と T14
をボリュームグループ grant
に追加します。
vgchange --deltag T9 --deltag T10 --addtag T13 --addtag T14 grant