11.4. リソースグループの設定
クラスターの最も一般的な設定要素の 1 つがリソースセットです。リソースセットはまとめて配置し、順番に起動し、その逆順で停止する必要があります。この設定を簡単にするため、Pacemaker はリソースグループの概念をサポートします。
11.4.1. リソースグループの作成
以下のコマンドを使用してリソースグループを作成し、グループに追加するリソースを指定します。グループが存在しない場合は、このコマンドによりグループが作成されます。グループが存在する場合は、このコマンドにより別のリソースがグループに追加されます。リソースは、このコマンドで指定された順序で起動し、その逆順で停止します。
pcs resource group add group_name resource_id [resource_id] ... [resource_id] [--before resource_id | --after resource_id]
このコマンドの --before
オプションおよび --after
オプションを使用して、追加するリソースの位置を、そのグループにすでに含まれるリソースを基準にして指定できます。
以下のコマンドを使用して、リソースを作成するときに、既存のグループに新しいリソースを追加することもできます。以下のコマンドでは、作成するリソースが group_name グループに追加されます。group_name グループが存在しない場合は作成されます。
pcs resource create resource_id [standard:[provider:]]type [resource_options] [op operation_action operation_options] --group group_name
グループに含まれるリソースの数に制限はありません。グループの基本的なプロパティーは以下のとおりです。
- グループ内に、複数のリソースが置かれています。
- リソースは、指定した順序で起動します。グループ内に実行できないリソースがあると、そのリソースの後に指定されたリソースは実行できません。
- リソースは、指定した順序と逆の順序で停止します。
以下の例では、既存リソースの IPaddr
と Email
が含まれるリソースグループ shortcut
が作成されます。
# pcs resource group add shortcut IPaddr Email
この例では、以下のように設定されています。
-
IPaddr
が起動してから、Email
が起動します。 -
Email
リソースが停止してから、IPAddr
が停止します。 -
IPaddr
を実行できない場合は、Email
も実行できません。 -
Email
を実行できなくても、IPaddr
には影響ありません。
11.4.2. リソースグループの削除
以下のコマンドを使用して、グループからリソースを削除します。グループにリソースが残っていないと、このコマンドによりグループ自体が削除されます。
pcs resource group remove group_name resource_id...
11.4.3. リソースグループの表示
以下のコマンドは、現在設定されているリソースグループをリスト表示します。
pcs resource group list
11.4.4. グループオプション
リソースグループには、priority
オプション、target-role
オプション、または is-managed
オプションを設定できます。このオプションは、1 つのリソースに設定されている場合と同じ意味を維持します。リソースのメタオプションの詳細は、リソースのメタオプションの設定 を参照してください。
11.4.5. グループの粘着性
粘着性は、リソースを現在の場所に留ませる優先度の度合いを示し、グループで加算されます。グループのアクティブなリソースが持つ stickness 値の合計が、グループの合計になります。そのため、resource-stickiness
のデフォルト値が 100 で、グループに 7 つのメンバーがあり、そのメンバーの 5 つがアクティブな場合は、グループ全体でスコアが 500 の現在の場所が優先されます。