第1章 Red Hat Update Infrastructure 4 の概要
Red Hat Update Infrastructure 4 (Red Hat Update Infrastructure 4) は、スケーラビリティーが高く、冗長なフレームワークで、リポジトリーとコンテンツを管理できます。また、クラウドプロバイダーは、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) インスタンスにコンテンツおよび更新を配信できます。アップストリームの Pulp プロジェクトに基づいて、RHUI を使用すると、クラウドプロバイダーは Red Hat がホストするリポジトリーコンテンツをローカルにミラーリングし、独自のコンテンツでカスタムリポジトリーを作成し、負荷分散されたコンテンツ配信システムを通じてエンドユーザーの大規模なグループがそれらのリポジトリーを利用できるようになります。
システム管理者は、Red Hat Update Appliance (RHUA)、コンテンツ配信サーバー (CDS)、リポジトリー、共有ストレージ、および負荷分散をインストールして設定することで、Red Hat Certified Cloud and Service Provider プログラム に参加するためのインフラストラクチャーを準備できます。
RHUI の設定は、以下のタスクで構成されます。
- Red Hat リポジトリーの作成および同期
- クライアントエンタイトルメント証明書およびクライアント設定 RPM の作成
- RHUI サーバーのクライアントプロファイルの作成
対象となるのは、経験豊富な RHEL システム管理者です。RHEL のスキルに限りがあるシステム管理者は、Red Hat 認定クラウドプロバイダーアーキテクチャーサービスを提供する場合に、Red Hat コンサルティングを利用すること検討してください。
RHUI の設定、管理、および更新について、以下のトピックでご紹介します。
- RHUI コンポーネント
- コンテンツプロバイダーのタイプ
- コンポーネントの管理に使用するコマンドラインインターフェイス (CLI)
- ユーティリティーコマンド
- 証明書の管理
- コンテンツ管理
1.1. インストールオプション
以下の表は、さまざまな Red Hat Update Infrastructure 4 コンポーネントを示しています。
コンポーネント | 略語 | 機能 | 代替モジュール |
---|---|---|---|
Red Hat Update Appliance | RHUA | Red Hat コンテンツ配信ネットワークからコンテンツをダウンロードし、共有ストレージに保存します。 | なし |
コンテンツ配信サーバー | CDS |
クライアントが更新パッケージ用に接続する | なし |
HAProxy | なし | CDS ノード全体での負荷分散を提供する | 既存の負荷分散ソリューション |
共有ストレージ | なし | 共有ストレージを提供する | 既存のストレージソリューション |
以下の表は、インストールタスクを実行する方法を説明します。
インストールタスク | 実行する場所 |
---|---|
RHEL 8 のインストール | RHUA、CDS、および HAProxy |
RHUI コンシューマータイプでシステムを登録する | RHUA |
デフォルトのコンシューマータイプでシステムを登録する | CDS および HAProxy |
更新の適用 | RHUA、CDS、および HAProxy |
| RHUA |
| RHUA |
1.1.1. オプション 1: 完全なインストール
- 共有ストレージを備えた RHUA
- この共有ストレージを持つ 2 つ以上の CDS ノード
- 1 つ以上の HAProxy ロードバランサー
1.1.2. オプション 2: 既存のストレージソリューションを使用したインストール
- 既存のストレージソリューションを備えた RHUA
- この既存のストレージソリューションを備えた 2 つ以上の CDS ノード
- 1 つ以上の HAProxy ロードバランサー
1.1.3. オプション 3: 既存のロードバランサーソリューションを使用したインストール
- 共有ストレージを備えた RHUA
- この共有ストレージを持つ 2 つ以上の CDS ノード
- 既存のロードバランサー
1.1.4. オプション 4: 既存のストレージおよびロードバランサーソリューションを使用したインストール
- 既存のストレージソリューションを備えた RHUA
- この既存の共有ストレージを備えた 2 つ以上の CDS ノード
- 既存のロードバランサー
Red Hat Update Infrastructure は、少なくとも 2 つの CDS ノードと 1 つのロードバランサーノードとともに使用する必要があります。ロードバランサーノードがなく、CDS ノードが 1 つだけのインストールはサポートされていません。
以下は、さまざまな Red Hat Update Infrastructure 4 コンポーネントがどのように対話するかに関する俯瞰図です。
図1.1 Red Hat Update Infrastructure 4 の概要

RHUA ノードおよび CDS ノードを別の x86_64
サーバー (ベアメタルまたは仮想マシン) にインストールします。RHUI に接続するサーバーおよびネットワークがすべて Red Hat Subscription Management サービスにアクセスできるようにします。