第4章 LVM 管理の概要


この章では、LVM 論理ボリュームの設定に用いる管理手続きの概要を説明し、必要な手順についての全般的な理解を図ることを目的としています。一般的な LVM 設定手順における特定の段階的な例については、6章LVM 設定の例 をご覧ください。
LVM 管理を執行するために使用できる CLI コマンドの説明については、5章CLI コマンドでの LVM 管理 を ご覧ください。別の方法として、8章LVM GUI での LVM 管理 で説明している LVM GUI を使用することもできます。

4.1. クラスター内での LVM ボリューム作成

クラスター環境内で論理ボリュームを作成するには、CLVM (Clustered Logical Volume Manager) を使用します。これは LVM へのクラスタリング拡張のセットです。この拡張により、コンピューターのクラスターが LVM を使用して共有ストレージ (例えば SAN 上など) を管理できるようになります。CLVM を使用するには、「クラスター化論理ボリュームマネージャ (CLVM)」 で示してあるように clmvd デーモンを含む High Availability アドオンおよび Resilient Storage アオドンソフトウェアが、起動時に開始する必要があります。
クラスター環境で LVM 論理ボリュームを作成することは、単一ノード上に LVM 論理ボリュームを作成することと同じです。LVM コマンド自体や LVM GUI インターフェースに相違はありません。クラスター内に作成する LVM ボリュームを有効にするためには、クラスターインフラストラクチャーが稼働中で、かつクラスターが定足数を満たしている必要があります。
CLVM で、クラスター全体をロッキングするには、lvm.conf ファイルを変更する必要があります。クラスター化ロッキングをサポートするための lvm.conf ファイルの設定に関する情報は、lvm.conf ファイル自体に記載されています。lvm.conf ファイルについての情報は 付録B LVM 設定ファイル をご覧ください。
デフォルトでは、共有ストレージ上に CLVM で作成された論理ボリュームは、その共有ストレージにアクセス可能なすべてのシステムに対して可視となっています。ただし、全ストレージデバイスがクラスター内の 1 つのノードのみに可視となるようにボリュームグループを作成することも可能です。また、ボリュームグループのステータスをローカルボリュームグループからクラスター化ボリュームグループへ変更することもできます。詳細については、「クラスター内でのボリュームグループ作成」 および 「ボリュームグループのパラメーター変更」 をご覧ください。

警告

CLVM を使用して共有ストレージ上にボリュームグループを作成する際には、クラスター内のすべてのノードがボリュームグループを構成する物理ボリュームに確実にアクセスできるようにする必要があります。ストレージにアクセスできるノードとできないノードが混在する、非対称型のクラスター構成はサポートされていません。
High Availability アドオンのインストールとクラスターインフラストラクチャーのセットアップ方法についての情報は、『クラスターの管理』 をご覧ください。
クラスター内でミラー化された論理ボリュームを作成する例は、「クラスター内でのミラー化 LVM 論理ボリュームの作成」 をご覧ください。
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