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第16章 分散トレース

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分散トレーシングを使用すると、分散システムのアプリケーション間で実行されるトランザクションの進捗を追跡できます。マイクロサービスのアーキテクチャーでは、トレーシングはサービス間のトランザクションの進捗を追跡します。トレースデータは、アプリケーションのパフォーマンスを監視し、ターゲットシステムおよびエンドユーザーアプリケーションの問題を調べるのに役立ちます。

Red Hat Enterprise Linux での AMQ Streams は、トレーシングにより、ソースシステムから Kafka へ、さらに Kafka からターゲットシステムおよびアプリケーションへのメッセージのエンドツーエンドの追跡が容易になります。トレースは、利用可能な JMX メトリクス を補完します。

AMQ Streams によるトレーシングのサポート方法

以下のクライアントおよびコンポーネントに対して、トレースのサポートが提供されます。

Kafka クライアント:

  • Kafka プロデューサーおよびコンシューマー
  • Kafka Streams API アプリケーション

Kafka コンポーネント:

  • Kafka Connect
  • Kafka Bridge
  • MirrorMaker
  • MirrorMaker 2.0

トレースを有効にするには、ハイレベルタスクを 4 つ実行します。

  1. Jaeger トレーサーを有効にします。
  2. インターセプターを有効にします。

    • Kafka クライアントの場合、OpenTracing Apache Kafka Client Instrumentation ライブラリー (AMQ Streams に含まれる) を使用してアプリケーションコードを インストルメント化 します。
    • Kafka コンポーネントでは、各コンポーネントに設定プロパティーを設定します。
  3. トレーシングの環境変数 を設定します。
  4. クライアントまたはコンポーネントをデプロイします。

インストルメント化されると、クライアントはトレースデータを生成します。たとえば、メッセージの作成時やログへのオフセットの書き込み時などです。

トレースは、サンプリングストラテジーに従いサンプル化され、Jaeger ユーザーインターフェイスで可視化されます。

注記

トレーシングは Kafka ブローカーではサポートされません。

AMQ Streams 以外のアプリケーションおよびシステムにトレーシングを設定する方法については、本章の対象外となります。この件についての詳細は、OpenTracing のドキュメント を参照し、「inject and extrac」を検索してください。

手順の概要

AMQ Streams のトレーシングを設定するには、以下の手順を順番に行います。

前提条件

  • Jaeger バックエンドコンポーネントがホストオペレーティングシステムにデプロイされている。デプロイメント手順の詳細は、Jaeger デプロイメントのドキュメントを参照してください。

16.1. OpenTracing および Jaeger の概要

AMQ Streams では OpenTracing および Jaeger プロジェクトが使用されます。

OpenTracing は、トレーシングまたは監視システムに依存しない API 仕様です。

  • OpenTracing API は、アプリケーションコードを インストルメント化 するために使用されます。
  • インストルメント化されたアプリケーションは、分散システム全体で個別のトランザクションの トレース を生成します。
  • トレースは、特定の作業単位を定義する スパン で構成されます。

Jaeger はマイクロサービスベースの分散システムのトレーシングシステムです。

  • Jaeger は OpenTracing API を実装し、インストルメント化のクライアントライブラリーを提供します。
  • Jaeger ユーザーインターフェイスを使用すると、トレースデータをクエリー、フィルター、および分析できます。

A simple query in the Jaeger user interface

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