第8章 ゲストインスタンス用の仮想 GPU の設定


ゲストインスタンスで GPU ベースのレンダリングをサポートするには、利用可能な物理 GPU デバイスおよびハイパーバイザーの種別に応じて、仮想 GPU (vGPU) リソースを定義し、管理できます。この設定により、レンダリングの負荷をすべての物理 GPU デバイス間でより効果的に分割し、仮想 GPU 対応ゲストインスタンスのスケジューリング、チューニング、およびモニタリングの制御性を向上させることができます。

OpenStack Compute で仮想 GPU を有効にするには、仮想 GPU デバイスを持つ Red Hat Enterprise Linux ゲストを要求するのに使用できるフレーバーを作成し、それらのフレーバーをコンピュートインスタンスに割り当てます。これにより、各インスタンスは物理 GPU デバイスに対応する仮想 GPU デバイスで GPU 負荷に対応することができます。

OpenStack Compute サービスは各ホストで利用可能な仮想 GPU デバイスの数とサイズを追跡し、フレーバーに基づいてゲストをこれらのホストにスケジュールし、デバイスをアタッチし、使用状況を継続的に監視します。ゲストが利用できなくなると、OpenStack Compute は仮想 GPU デバイスを利用可能なプールに戻します。

8.1. サポートされる構成および制限

本項では、現在サポートされている仮想 GPU (vGPU) グラフィックカードの一覧を示すと共に、OpenStack Compute で仮想 GPU デバイスを設定する際の考慮事項および制限について説明します。

サポートされる GPU カード

サポートされる NVIDIA GPU カードの一覧については、NVIDIA の Web サイトで「Virtual GPU Software Supported Products」を参照してください。

制限および考慮事項

  • 各コンピュートホストで使用できる仮想 GPU の種別は 1 つだけです。
  • 各コンピュートインスタンスで使用できる仮想 GPU のリソースは 1 つだけです。
  • ホスト間での仮想 GPU のライブマイグレーションはサポートされていません。
  • libvirt の制限により、仮想 GPU 対応ゲストでの休止操作はサポートされていません。代わりに、インスタンスのスナップショット作成またはシェルブ処理が可能です。
  • 仮想 GPU フレーバーが設定されたインスタンスでサイズ変更およびコールドマイグレーション操作を行っても、仮想 GPU のリソースはインスタンスに自動的には再割り当てされません。インスタンスのサイズ変更または移行後に、インスタンスを手動で再ビルドし、仮想 GPU のリソースを再割り当てする必要があります。
  • デフォルトでは、コンピュートホストの仮想 GPU の種別は API ユーザーに公開されません。アクセスを許可するには、ホストをホストアグリゲートに追加します。ホストアグリゲートに関する一般的な情報は、を参照してください。 「ホストアグリゲートの管理」
  • NVIDIA アクセラレーターハードウェアを使用する場合は、NVIDIA ライセンス要件に従う必要があります。たとえば、NVIDIA vGPU GRID にはライセンスサーバーが必要です。NVIDIA のライセンス要件の詳細は、「Virtual GPU License Server Release Notes」の Web ページを参照してください。
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