4.4. ホストアグリゲートの管理
パフォーマンスおよび管理目的で、単一の Compute デプロイメントを複数の論理グループにパーティショニングすることができます。OpenStack では以下のような用語を使用しています。
ホストアグリゲート: ホストアグリゲートは、ホストをグループ化してまとめることによって OpenStack デプロイメント内に論理ユニットを作成します。アグリゲートは、割り当てられた Compute ホストと関連付けられたメタデータです。1 台のホストは複数のアグリゲートに属することが可能です。ホストアグリゲートの表示と作成ができるのは管理者のみです。
アグリゲートのメタデータは通常、Compute のスケジューラーで使用する情報を提供します (例: 特定のフレーバーやイメージを複数のホストの 1 つのサブネットに制限するなど)。ホストアグリゲートで指定されるメタデータは、フレーバー内で同じメタデータが指定されているインスタンスにホストの使用を限定します。
管理者は、ホストアグリゲートを使用して、ロードバランスの処理、物理的な分離 (または冗長) の強制、共通の属性を持つサーバーのグループ化、ハードウェアクラスの分類などを行うことができます。アグリゲートの作成時には、ゾーン名を指定する必要があります。この名前がエンドユーザーに表示されます。
アベイラビリティーゾーン: アベイラビリティーゾーンとは、ホストアグリゲートのエンドユーザーのビューです。エンドユーザーはゾーンがどのホストで構成されているかを表示したり、ゾーンのメタデータを確認したりすることはできません。ユーザーが見ることができるのはゾーン名のみです。
一定の機能や一定のエリア内で設定された特定のゾーンを使用するようにエンドユーザーを誘導することができます。
4.4.1. ホストアグリゲートのスケジューリングの有効化
デフォルトでは、ホストアグリゲートのメタデータは、インスタンスの使用先のフィルタリングには使用されません。メタデータの使用を有効にするには、Compute のスケジューラーの設定を更新する必要があります。
- Compute 環境ファイルを開きます。
NovaSchedulerDefaultFilters
パラメーターにまだ以下の値がなければ、値を追加します。ホストアグリゲートのメタデータ用の
AggregateInstanceExtraSpecsFilter
注記同じ
NovaSchedulerDefaultFilters
パラメーターの値としてAggregateInstanceExtraSpecsFilter
およびComputeCapabilitiesFilter
フィルターの両方を指定する場合には、フレーバーextra_specs
の設定にスコープを定義した仕様を使用する必要があります。使用しない場合には、ComputeCapabilitiesFilter
は適切なホストの選択に失敗します。これらのフィルター用にフレーバーextra_specs
キーのスコープを定義するのに使用する名前空間の詳細は、表4.7「スケジューリングフィルター」 を参照してください。-
インスタンス起動時のアベイラビリティーゾーンのホスト仕様用の
AvailabilityZoneFilter
- 設定ファイルを保存します。
- オーバークラウドをデプロイします。