4.7. インスタンスのレスキューモードの使用
Compute では、仮想マシンをレスキューモードで再起動する方法があります。レスキューモードは、仮想マシンイメージが原因で、インスタンスがアクセス不可能な状態となっている場合に、そのインスタンスにアクセスするためのメカニズムを提供します。レスキューモードの仮想マシンは、ユーザーが仮想マシンに新規 root パスワードを使用してアクセスし、そのマシンを修復することができます。この機能は、インスタンスのファイルシステムが破損した場合に役立ちます。デフォルトでは、レスキューモードのインスタンスは初期イメージから起動して、第 2 のイメージとして現在のブートディスクをアタッチします。
4.7.1. レスキューモードのインスタンス用イメージの準備
ブートディスクとレスキューモード用のディスクには同じ UUID が使用されているため、仮想マシンがレスキューモード用のディスクの代わりにブートディスクから起動されてしまう可能性があります。
この問題を回避するには、「イメージの作成」の手順に従い、レスキューイメージとして新しいイメージを作成してください。
rescue
イメージは、デフォルトでは glance
に保管され、nova.conf
で設定されていますが、レスキューを実行する際に選択することもできます。
4.7.1.1. ext4 ファイルシステムを使用している場合のレスキューイメージ
ベースイメージが ext4
ファイルシステムを使用する場合には、以下の手順を使用してそれをベースにレスキューイメージを作成できます。
tune2fs
コマンドを使用して、UUID を無作為な値に変更します。# tune2fs -U random /dev/DEVICE_NODE
DEVICE_NODE はルートデバイスノードに置き換えます (例:
sda
、vda
など)。新しい UUID を含む、ファイルシステムの詳細を確認します。
# tune2fs -l
-
/etc/fstab
ファイルで UUID を新しい値に置き換えます。fstab
にマウントされている追加のパーティションがある場合には、UUID を新しい値に置き換える必要がある場合があります。 -
/boot/grub2/grub.conf
ファイルを更新し、ルートディスクの UUID パラメーターを新しい UUID に置き換えます。 - シャットダウンして、このイメージをレスキューイメージに使用します。これにより、レスキューイメージには新たに無作為な UUID が割り当てられ、レスキューするインスタンスとの競合が発生しなくなります。
XFS ファイルシステムでは、実行中の仮想マシン上のルートデバイスの UUID は変更できません。仮想マシンがレスキューモード用のディスクから起動するまで再起動を続けます。