第3章 RHOSP 環境のドキュメント化
システムのコンポーネント、ネットワーク、サービス、およびソフトウェアを文書化することは、セキュリティー上の懸念事項、攻撃ベクトル、およびセキュリティーゾーンの橋渡しとなりうるポイントを特定する上で重要です。Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) デプロイメントに関する文書には、以下の情報が含まれている必要があります。
- RHOSP の本番環境、開発環境、テスト環境におけるシステムコンポーネント、ネットワーク、サービス、ソフトウェアの説明。
- 仮想マシンや仮想ディスクボリュームなどの一時リソースのインベントリー。
3.1. システムロールの文書化
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) デプロイメントの各ノードは、クラウドのインフラストラクチャーに貢献したり、クラウドのリソースを提供したりと、特定ロールを果たしています。
インフラストラクチャーに貢献するノードは、メッセージキューイングサービス、ストレージ管理、モニタリング、ネットワークなど、クラウドの運用やプロビジョニングをサポートするために必要なクラウド関連サービスを実行します。インフラストラクチャーロールの例としては、以下のようなものがあります。
- Controller
- Networker
- データベース
- テレメトリー
クラウドリソースを提供するノードは、お客様のクラウド上で動作するインスタンスのために、コンピュートやストレージの容量を提供します。リソースロールの例としては、以下のようなものがあります。
- CephStorage
- コンピュート
- ComputeOvsDpdk
- ObjectStorage
お客様の環境で使用されているシステムロールを文書化します。これらのロールは、RHOSP のデプロイに使用されるテンプレート内で識別できます。たとえば、お客様の環境で使用されている各ロールの NIC 設定ファイルがあります。
手順
デプロイメント用の既存のテンプレートに、現在使用されているロールを指定するファイルがあるかどうかを確認します。お客様の環境で使用されている各ロールの NIC 設定ファイルがあります。次の例では、RHOSP 環境に
ComputeHCI
ロール、Compute
ロール、およびController
ロールが含まれています。$ cd ~/templates $ tree . ├── environments │ └── network-environment.yaml ├── hci.yaml ├── network │ └── config │ └── multiple-nics │ ├── computehci.yaml │ ├── compute.yaml │ └── controller.yaml ├── network_data.yaml ├── plan-environment.yaml └── roles_data_hci.yaml
RHOSP 環境の各ロールは、相互に関連する多くのサービスを実行します。各ロールが使用するサービスを記録するには、
roles
ファイルを調べる必要があります。テンプレート用に
roles
ファイルが生成されている場合は、~/templates
ディレクトリーにあります。$ cd ~/templates $ find . -name *role* > ./templates/roles_data_hci.yaml
お使いのテンプレートに
roles
ファイルが生成されていない場合は、現在使用しているロールに生成し、ドキュメント作成のために検査することができます。$ openstack overcloud roles generate \ > --roles-path /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/roles \ > -o roles_data.yaml Controller Compute