6.14. オーバークラウドの設定前のカスタマイズ
オーバークラウドは、OpenStackコンポーネントのコア設定に Puppet を使用します。director は、初回のブートが完了してコア設定が開始する前に、カスタム設定を提供するリソースのセットを用意します。これには、以下のリソースが含まれます。
- OS::TripleO::ControllerExtraConfigPre
- Puppet のコア設定前にコントローラーノードに適用される追加の設定
- OS::TripleO::ComputeExtraConfigPre
- Puppet のコア設定前にコンピュートノードに適用される追加の設定
- OS::TripleO::CephStorageExtraConfigPre
- Puppet のコア設定前に CephStorage ノードに適用される追加の設定
- OS::TripleO::NodeExtraConfig
- Puppet のコア設定前に全ノードに適用される追加の設定
以下の例では、まず基本的な Heat テンプレート (
/home/stack/templates/nameserver.yaml
) を作成します。このテンプレートは、変数のネームサーバーが指定された各ノードの resolv.conf
を追加するスクリプトを実行します。
heat_template_version: 2014-10-16 description: > Extra hostname configuration parameters: server: type: string nameserver_ip: type: string resources: ExtraPreConfig: type: OS::Heat::SoftwareConfig properties: group: script config: str_replace: template: | #!/bin/sh echo "nameserver _NAMESERVER_IP_" >> /etc/resolv.conf params: _NAMESERVER_IP_: {get_param: nameserver_ip} ExtraPreDeployment: type: OS::Heat::SoftwareDeployment properties: config: {get_resource: ExtraPreConfig} server: {get_param: server} actions: ['CREATE','UPDATE'] outputs: deploy_stdout: description: Deployment reference, used to trigger pre-deploy on changes value: {get_attr: [ExtraPreDeployment, deploy_stdout]}
重要
servers
パラメーターは、設定を適用するサーバーで、親テンプレートにより提供されます。このパラメーターは、すべての事前設定テンプレートで必須です。
次に、
OS::TripleO::NodeExtraConfig
リソース種別として Heat テンプレートを登録する環境ファイル (/home/stack/templates/pre_config.yaml
) を作成します。
resource_registry: OS::TripleO::NodeExtraConfig: /home/stack/templates/nameserver.yaml parameter_defaults: nameserver_ip: 192.168.1.1
この設定を適用するには、オーバークラウドの作成時または更新時にスタックにこの環境ファイルを追加します。たとえば、以下のコマンドを実行します。
$ openstack overcloud deploy --templates -e /home/stack/templates/pre_config.yaml
このコマンドにより、オーバークラウドの初期作成またはその後の更新時にコア設定が開始する前に、全ノードに設定が適用されます。
重要
これらのリソースは、それぞれ 1 つの Heat テンプレートに対してのみ登録することが可能です。複数で使用すると、リソースごとに使用する Heat テンプレートが上書きされます。