22.5. ストレージを処理するキックスタートコマンド
このセクションのキックスタートコマンドは、デバイス、ディスク、パーティション、LVM、ファイルシステムなど、ストレージの設定を行います。
sdX
(または /dev/sdX
) 形式では、デバイス名が再起動後に維持される保証がないため、一部のキックスタートコマンドの使用が複雑になる可能性があります。コマンドにデバイスノード名が必要な場合は、/dev/disk
の項目を代わりに使用できます。以下に例を示します。
part / --fstype=xfs --onpart=sda1
上記のコマンドの代わりに、以下のいずれかを使用します。
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0-part1
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882-part1
このアプローチを使用すると、コマンドは常に同じストレージデバイスをターゲットとします。これは、大規模なストレージ環境で特に役立ちます。システム上で使用可能なデバイス名を調べるには、対話型インストール中に ls -lR/dev/disk
コマンドを使用できます。ストレージデバイスを一貫して参照するさまざまな方法の詳細は、永続的な命名属性 を参照してください。
22.5.1. ignoredisk リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
キックスタートコマンドの ignoredisk
は任意です。インストールプログラムが、指定したディスクを無視するようになります。
自動パーティション設定を使用して、特定のディスクを無視したい場合に便利なオプションです。たとえば、ignoredisk
を使用せずに SAN クラスターに導入しようとすると、インストールプログラムが SAN へのパッシブパスを検出し、パーティションテーブルがないことを示すエラーが返されるため、キックスタートが失敗します。このコマンドは 1 回だけ使用してください。
- 構文
ignoredisk --drives=drive1,drive2,... | --only-use=drive
ignoredisk --drives=drive1,drive2,... | --only-use=driveignoredisk --drives=drive1,drive2,... | --only-use=driveignoredisk --drives=drive1,drive2,... | --only-use=driveignoredisk --drives=drive1,drive2,... | --only-use=drive
- オプション
-
--drives=driveN,…
- driveN は、sda
、sdb
、…、hda
、… などに置き換えます。 --only-use=driveN,…
: インストールプログラムで使用するディスクのリストを指定します。これ以外のディスクはすべて無視されます。たとえば、インストール中にsda
ディスクを使用し、他はすべて無視する場合は以下のコマンドを使用します。ignoredisk --only-use=sda
ignoredisk --only-use=sda
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow LVM を使用しないマルチパスのデバイスを指定する場合は、次のコマンドを実行します。
ignoredisk --only-use=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
ignoredisk --only-use=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow LVM を使用するマルチパスのデバイスを指定する場合は、次のコマンドを実行します。
ignoredisk --only-use=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
ignoredisk --only-use=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --drives
または--only-use
のいずれかのみを指定する必要があります。
-
- 注記
-
マルチパスのデバイスを指定する場合は、
disk/by-id/scsi-WWID
の形式を使用します。WWID はデバイスの World-Wide Identifier です。WWID が58095BEC5510947BE8C0360F604351918
のディスクを指定するには、以下のコマンドを使用します。
ignoredisk --only-use=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
ignoredisk --only-use=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この形式はすべてのマルチパスデバイスに適していますが、エラーが発生した場合は、論理ボリュームマネージャー (LVM) を使用しないマルチパスデバイスも、
disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID
形式を使用して指定できます。この場合の WWID はデバイスの world-wide identifier です。たとえば、WWID2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
のディスクを指定する場合は以下を使用します。ignoredisk --only-use=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
ignoredisk --only-use=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow mpatha などのデバイス名でマルチパスデバイスを指定しないでください。このようなデバイス名は、特定のディスクに固有の名前ではありません。インストール中に /dev/mpatha という名前のディスクが、予期したディスクと異なる可能性があります。したがって、clearpart コマンドを使用する際は、間違ったディスクが対象となる可能性があります。
sdX
(または/dev/sdX
) 形式では、デバイス名が再起動後に維持される保証がないため、一部のキックスタートコマンドの使用が複雑になる可能性があります。コマンドにデバイスノード名が必要な場合は、/dev/disk
の項目を代わりに使用できます。以下に例を示します。ignoredisk --only-use=sda
ignoredisk --only-use=sda
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 上記のコマンドの代わりに、以下のいずれかを使用します。
ignoredisk --only-use=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0 ignoredisk --only-use=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882
ignoredisk --only-use=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0 ignoredisk --only-use=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このアプローチを使用すると、コマンドは常に同じストレージデバイスをターゲットとします。これは、大規模なストレージ環境で特に役立ちます。システム上で使用可能なデバイス名を調べるには、対話型インストール中に
ls -lR/dev/disk
コマンドを使用できます。ストレージデバイスを一貫して参照するさまざまな方法の詳細は、永続的な命名属性 を参照してください。
-
マルチパスのデバイスを指定する場合は、
22.5.2. clearpart リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
clearpart
キックスタートコマンドはオプションです。新しいパーティションを作成する前に、システムからパーティションを削除します。デフォルトでは、パーティションは削除されません。このコマンドは 1 回だけ使用してください。
- 構文
clearpart OPTIONS
clearpart OPTIONSclearpart OPTIONS
- オプション
-
--all
- システムにあるすべてのパーティションを消去します。
このオプションを使用すると、接続しているネットワークストレージなど、インストールプログラムでアクセスできるディスクがすべて消去されます。使用する場合は注意が必要です。
clearpart
に--drives=
オプションを使用して消去するドライブのみを指定する、ネットワークストレージは後で接続する (キックスタートファイルの%post
セクションを利用するなど)、ネットワークストレージのアクセスに使用されるカーネルモジュールを拒否リストに記載するなどの手段を取ると、保持したいストレージが消去されるのを防ぐことができます。--drives=
- ドライブを指定してパーティションを消去します。次の例では、プライマリー IDE コントローラーの 1 番目と 2 番目のドライブにあるパーティションをすべて消去することになります。clearpart --drives=hda,hdb --all
clearpart --drives=hda,hdb --all
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow マルチパスのデバイスを消去する場合は、
disk/by-id/scsi-WWID
の形式を使用します。WWID はデバイスの World-Wide Identifier になります。WWID58095BEC5510947BE8C0360F604351918
のディスクを消去する場合は以下を使用します。clearpart --drives=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
clearpart --drives=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow マルチパスのデバイスを消去する場合はこの形式が適しています。ただし、エラーが発生する場合は、そのマルチパスデバイスが論理ボリュームマネージャー (LVM) を使用していなければ、
disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID
の形式を使用して消去することもできます。WWID はデバイスの World-Wide Identifier です。WWID2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
のディスクを消去する場合は以下を使用します。clearpart --drives=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
clearpart --drives=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow mpatha
などのデバイス名でマルチパスデバイスを指定しないでください。このようなデバイス名は、特定のディスクに固有の名前ではありません。インストール時に、/dev/mpatha
という名前のディスクが必ずしも期待したディスクを指すとは限りません。したがって、clearpart
コマンドを使用する際は、間違ったディスクが対象となる可能性があります。--initlabel
- フォーマット用に指定されたそれぞれのアーキテクチャーで全ディスクに対してデフォルトのディスクラベルを作成して、ディスクを初期化します。たとえば、x86 の場合は gpt になります。--initlabel
によりすべてのディスクが処理されてしまうため、フォーマット対象のドライブだけを接続することが重要です。--initlabel
が使用されていない場合でも、clearpart
によってクリアされたディスクにはラベルが作成されます。clearpart --initlabel --drives=names_of_disks
clearpart --initlabel --drives=names_of_disks
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 以下に例を示します。
clearpart --initlabel --drives=dasda,dasdb,dasdc
clearpart --initlabel --drives=dasda,dasdb,dasdc
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --list=
- 消去するパーティションを指定します。このオプションを使用すると、--all
および--linux
のオプションがオーバーライドされます。異なるドライブ間で使用できます。以下に例を示します。clearpart --list=sda2,sda3,sdb1
clearpart --list=sda2,sda3,sdb1
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
--disklabel=LABEL
- 使用するデフォルトのディスクラベルを設定します。そのプラットフォームでサポートされるディスクラベルのみが設定できます。たとえば、64 ビットの Intel アーキテクチャーおよび AMD アーキテクチャーでは、msdos
ディスクラベルおよびgpt
ディスクラベルが使用できますが、dasd
は使用できません。 -
--linux
- すべての Linux パーティションを消去します。 -
--none
(デフォルト) - パーティションは削除されません。 -
--cdl
- LDL DASD を CDL 形式に再フォーマットします。
-
- 注記
レガシー BIOS モードで実行されている
x86_64
システムでは、GPT ディスクラベルがデフォルトになります。このようなシステムが GPT で正常に起動できるようにするには、専用の BIOS ブートパーティションを追加してください。自動インストールの場合は、reqpart
キックスタートコマンドを使用して、必要に応じてこの BIOS ブートパーティションを自動的に作成することを検討してください。必要に応じて、part
キックスタートコマンドを使用してください (例:part biosboot --size=1
)。GPT ではなく古い MBR パーティションスキームを使用し続ける場合は、次の 2 つの選択肢があります。-
キックスタートインストール中に、
clearpart
コマンドで--disklabel msdos
オプションを使用します。 -
または、インストーラーのブートプロンプトで
inst.disklabel=mbr
ブートオプションを追加します。
-
キックスタートインストール中に、
マルチパスのデバイスを指定する場合は、
disk/by-id/scsi-WWID
の形式を使用します。WWID はデバイスの World-Wide Identifier です。WWID が58095BEC5510947BE8C0360F604351918
のディスクを指定するには、以下のコマンドを使用します。ignoredisk --only-use=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
ignoredisk --only-use=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この形式はすべてのマルチパスデバイスに適していますが、エラーが発生した場合は、論理ボリュームマネージャー (LVM) を使用しないマルチパスデバイスも、
disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID
形式を使用して指定できます。この場合の WWID はデバイスの world-wide identifier です。たとえば、WWID2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
のディスクを指定する場合は以下を使用します。ignoredisk --only-use=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
ignoredisk --only-use=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow mpatha などのデバイス名でマルチパスデバイスを指定しないでください。このようなデバイス名は、特定のディスクに固有の名前ではありません。インストール中に /dev/mpatha という名前のディスクが、予期したディスクと異なる可能性があります。したがって、
ignoredisk
コマンドが間違ったディスクをターゲットにする可能性があります。sdX
(または/dev/sdX
) 形式では、デバイス名が再起動後に維持される保証がないため、一部のキックスタートコマンドの使用が複雑になる可能性があります。コマンドにデバイスノード名が必要な場合は、/dev/disk
の項目を代わりに使用できます。以下に例を示します。clearpart --drives=sda
clearpart --drives=sda
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 上記のコマンドの代わりに、以下のいずれかを使用します。
clearpart --drives=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0 clearpart --drives=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882
clearpart --drives=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0 clearpart --drives=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このアプローチを使用すると、コマンドは常に同じストレージデバイスをターゲットとします。これは、大規模なストレージ環境で特に役立ちます。システム上で使用可能なデバイス名を調べるには、対話型インストール中に
ls -lR/dev/disk
コマンドを使用できます。ストレージデバイスを一貫して参照するさまざまな方法の詳細は、永続的な命名属性 を参照してください。-
clearpart
コマンドを使用する場合は、論理パーティションにはpart --onpart
コマンドは使用できません。
22.5.3. zerombr リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
zerombr
キックスタートコマンドはオプションです。zerombr
は、ディスク上で見つかった無効なパーティションテーブルを初期化し、無効なパーティションテーブルを持つディスクの中身をすべて破棄します。このコマンドは、フォーマットされていない DASD (Direct Access Storage Device) ディスクを備えた 64 ビットの IBM Z システムでインストールを実行する場合に必要です。このコマンドを使用しないと、フォーマットされていないディスクがインストール時にフォーマットされず、使用されません。このコマンドは 1 回だけ使用してください。このコマンドにはオプションはありません。
- 構文
zerombr
zerombr
- 注記
-
64 ビットの IBM Z では
zerombr
が指定された場合、インストールプログラムに見えている Direct Access Storage Device (DASD) でまだ低レベルフォーマット処理がなされていないものは、自動的に dasdfmt で低レベルフォーマット処理がなされます。このコマンドでは、対話型インストール中のユーザー選択も行われません。 -
zerombr
が指定されておらず、少なくとも 1 つの未フォーマットの DASD がインストールプログラムに見えている場合、非対話形式のキックスタートを使用したインストールは失敗に終わります。 -
zerombr
が指定されておらず、少なくとも 1 つの未フォーマットの DASD がインストールプログラムに見えている場合、ユーザーがすべての見えている未フォーマットの DASD のフォーマットに同意しなければ、対話形式のインストールは終了します。この状況を回避するには、インストール中に使用する DASD のみをアクティベートします。DASD は、インストール完了後にいつでも追加できます。
-
64 ビットの IBM Z では
22.5.4. bootloader リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
キックスタートコマンドの bootloader
は必須です。ブートローダーをインストールする方法を指定します。このコマンドは 1 回だけ使用してください。
- 構文
bootloader [OPTIONS]
bootloader [OPTIONS]bootloader [OPTIONS]bootloader [OPTIONS]
- オプション
-
--append=
- 追加のカーネルパラメーターを指定します。複数のパラメーターを指定する場合は空白で区切ります。以下に例を示します。
bootloader --location=mbr --append="hdd=ide-scsi ide=nodma"
bootloader --location=mbr --append="hdd=ide-scsi ide=nodma"
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow plymouth
パッケージをインストールすると、rhgb
パラメーターおよびquiet
パラメーターをここで指定しなくても、もしくは--append=
コマンドを使用しなくても、自動的に追加されます。この動作を無効にするには、plymouth
のインストールを明示的に拒否します。%packages -plymouth %end
%packages -plymouth %end
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このオプションは、Meltdown および Spectre に起因する脆弱性の問題を軽減するために実装されたメカニズムを無効にする場合に便利です。投機的実行を悪用するもので、今日のほとんどのプロセッサーで確認されています (CVE-2017-5754、CVE-2017-5753、および CVE-2017-5715)。場合によっては、これらのメカニズムは不要で、有効にしてもセキュリティーは向上せずパフォーマンスが低下する可能性があります。これらのメカニズムを無効にするには、無効にするオプションをキックスタートファイルに追加します (AMD64/Intel 64 システムの例:
bootloader --append="nopti noibrs noibpb"
)。警告脆弱性の問題を軽減するメカニズムを無効にする場合は、システムが攻撃の危険にさらされていないことを確認する必要があります。Meltdown および Spectre に起因する脆弱性は、Red Hat の脆弱性への対応 の記事を参照してください。
--boot-drive=
- ブートローダーの書き込み先のドライブを指定します。つまり、コンピューターが起動するドライブです。ブートドライブにマルチパスデバイスを使用する場合は、disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID 名を使用してデバイスを指定します。重要現在、
zipl
ブートローダーを使用する 64 ビットの IBM Z システムの Red Hat Enterprise Linux インストールでは、--boot-drive=
オプションが無視されます。zipl
をインストールすると、そこに起動ドライブがあると判断されます。-
--leavebootorder
- このオプションは、Power および UEFI システムに適用されます。インストールプログラムが、UEFI のインストール済みシステムのリストに Red Hat Enterprise Linux 10 を追加します。インストールされたシステムを起動順序に追加するわけではありません。既存のすべてのブートエントリーとその順序は保持されます。 --driveorder=
- BIOS の起動順序で最初のドライブを指定します。以下に例を示します。bootloader --driveorder=sda,hda
bootloader --driveorder=sda,hda
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --location=
- ブートレコードの書き込み先を指定します。使用できる値は以下のとおりです。mbr
- デフォルトのオプションです。ドライブが使用しているのが Master Boot Record (MBR) スキームか GUID Partition Table (GPT) スキームかによって、動作が異なります。GPT フォーマット済みディスクの場合は、ブートローダーのステージ 1.5 が BIOS 起動パーティションにインストールされます。
MBR フォーマット済みディスクの場合は、MBR と 1 番目のパーティションの間にある空白領域にステージ 1.5 がインストールされます。
-
partition
- カーネルを置くパーティションの 1 番目のセクターに、ブートローダーをインストールします。 -
none
- ブートローダーをインストールしません。
ほとんどの場合、このオプションは指定する必要がありません。
-
--nombr
- MBR にブートローダーをインストールしません。 --password=
- GRUB2 を使用している場合は、このオプションで指定したパスワードをブートローダーのパスワードに設定します。任意のカーネルオプションが渡される可能性のある GRUB2 シェルへのアクセスを限定する場合に使用してください。パスワードを指定すると、GRUB2 ではユーザー名の入力も求められます。ユーザー名は常に
root
です。--iscrypted
---password=
オプションを使用してブートローダーのパスワードを指定すると、通常、キックスタートファイルにプレーンテキスト形式で保存されます。このパスワードを暗号化する場合に、このオプションを使用して暗号化パスワードを生成します。暗合化したパスワードを生成するには、
grub2-mkpasswd-pbkdf2
コマンドを使い、使用するパスワードを入力し、コマンドからの出力 (grub.pbkdf2
で始まるハッシュ) をキックスタートファイルにコピーします。暗号化されたパスワードを持つbootloader
キックスタートエントリーの例は次のようになります。bootloader --iscrypted --password=grub.pbkdf2.sha512.10000.5520C6C9832F3AC3D149AC0B24BE69E2D4FB0DBEEDBD29CA1D30A044DE2645C4C7A291E585D4DC43F8A4D82479F8B95CA4BA4381F8550510B75E8E0BB2938990.C688B6F0EF935701FF9BD1A8EC7FE5BD2333799C98F28420C5CC8F1A2A233DE22C83705BB614EA17F3FDFDF4AC2161CEA3384E56EB38A2E39102F5334C47405E
bootloader --iscrypted --password=grub.pbkdf2.sha512.10000.5520C6C9832F3AC3D149AC0B24BE69E2D4FB0DBEEDBD29CA1D30A044DE2645C4C7A291E585D4DC43F8A4D82479F8B95CA4BA4381F8550510B75E8E0BB2938990.C688B6F0EF935701FF9BD1A8EC7FE5BD2333799C98F28420C5CC8F1A2A233DE22C83705BB614EA17F3FDFDF4AC2161CEA3384E56EB38A2E39102F5334C47405E
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
--timeout=
- ブートローダーがデフォルトオプションで起動するまでの待ち時間を指定します (秒単位)。 -
--default=
- ブートローダー設定内のデフォルトのブートイメージを設定します。 -
--extlinux
- GRUB2 の代わりに extlinux ブートローダーを使用します。このオプションが動作するには、extlinux が対応しているシステムのみです。 -
--disabled
- このオプションは、--location=none
のより強力なバージョンです。--location=none
は単にブートローダーのインストールを無効にしますが、--disabled
だとブートローダーのインストールを無効にするほか、ブートローダーを含むパッケージのインストールを無効にするため、領域が節約できます。
-
- 注記
- Red Hat は、全マシンにブートローダーのパスワードを設定することを強く推奨します。ブートローダーが保護されていないと、攻撃者によりシステムの起動オプションが修正され、システムへの不正アクセスが許可されてしまう可能性があります。
- AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM のシステムにブートローダーをインストールするのに、特殊なパーティションが必要になります。このパーティションの種類とサイズは、ブートローダーをインストールしているディスクが、MBR (Master Boot Record) または GPT (GUID Partition Table) スキーマを使用しているかどうかにより異なります。詳細は、ブートローダーの設定 セクションを参照してください。
sdX
(または/dev/sdX
) 形式では、デバイス名が再起動後に維持される保証がないため、一部のキックスタートコマンドの使用が複雑になる可能性があります。コマンドにデバイスノード名が必要な場合は、/dev/disk
の項目を代わりに使用できます。以下に例を示します。bootloader --boot-drive=sda
bootloader --boot-drive=sda
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 上記のコマンドの代わりに、以下のいずれかを使用します。
bootloader --boot-drive=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0 bootloader --boot-drive=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882
bootloader --boot-drive=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0 bootloader --boot-drive=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このアプローチを使用すると、コマンドは常に同じストレージデバイスをターゲットとします。これは、大規模なストレージ環境で特に役立ちます。システム上で使用可能なデバイス名を調べるには、対話型インストール中に
ls -lR/dev/disk
コマンドを使用できます。ストレージデバイスを一貫して参照するさまざまな方法の詳細は、永続的な命名属性 を参照してください。
22.5.5. autopart リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
autopart
キックスタートコマンドはオプションです。自動的にパーティションを作成します。
自動的に作成されるパーティション - ルート (/
) パーティション (1 GiB 以上)、swap
パーティション、アーキテクチャーに応じた /boot
パーティション。容量が十分にあるドライブの場合 (50 GiB 以上)、/home
パーティションも作成されます。このコマンドは 1 回だけ使用してください。
- 構文
autopart OPTIONS
autopart OPTIONSautopart OPTIONS
- オプション
--type=
- 事前定義済み自動パーティション設定スキームの中から、使用するスキームを選択します。次の値を取ります。-
lvm
- LVM パーティション設定スキーム -
plain
- LVM がない普通のパーティション -
thinp
- LVM シンプロビジョニングのパーティション設定スキーム
-
-
--fstype=
- 利用可能なファイルシステムのタイプを選択します。利用可能な値は、ext2
、ext3
、ext4
、xfs
、およびvfat
です。デフォルトのファイルシステムはxfs
です。 -
--nohome
-/home
パーティションの自動作成を無効にします。 -
--nolvm
- 自動パーティション設定に LVM を使用しません。このオプションは ---type=plain
と同じです。 -
--noboot
-/boot
パーティションを作成しません。 -
--noswap
- swap パーティションを作成しません。 --encrypted
- Linux Unified Key Setup (LUKS) ですべてのパーティションを暗号化します。手動によるグラフィカルインストールを行った際の初期パーティション設定ウィンドウで表示される Encrypt partitions (パーティションの暗号化) のチェックボックスと同じです。注記1 つまたは複数のパーティションを暗号化する際には、安全な暗号化を行うため、Anaconda が 256 ビットのエントロピーを収集しようとします。エントロピーの収集には時間がかかる場合があります。十分なエントロピーが収集されたかどうかにかかわらず、このプロセスは最大 10 分後に終了します。
このプロセスは、インストールシステムを操作 (キーボード入力やマウス操作) することにより高速化できます。仮想マシンにインストールしている場合は、
virtio-rng
デバイス (仮想乱数ジェネレーター) をゲストに登録できます。-
--luks-version=LUKS_VERSION
- ファイルシステムの暗号化に使用する LUKS 形式のバージョンを指定します。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--passphrase=
- 暗号化した全デバイスに、デフォルトのシステムワイドパスフレーズを指定します。 -
--escrowcert=URL_of_X.509_certificate
- 暗号化した全ボリュームのデータ暗号化の鍵を/root
配下にファイル形式で格納します。URL_of_X.509_certificate で指定した URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。鍵は暗号化したボリュームごとに別のファイルとして格納されます。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--backuppassphrase
- 暗号化されたボリュームにそれぞれランダムに生成されたパスフレーズを追加します。パスフレーズは、/root
配下に別々のファイルで格納され、--escrowcert
で指定した X.509 証明書を使用して暗号化されます。--escrowcert
と併用しないと有効ではありません。 -
--cipher=
- Anaconda のデフォルトである aes-xts-plain64 では十分ではない場合に使用する暗号化の種類を指定します。--encrypted
オプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。利用可能な暗号化の種類は、セキュリティーの強化 ドキュメントに記載されています。たとえば、aes-xts-plain64
です。 -
--pbkdf=PBKDF
- LUKS 鍵スロット用の PBKDF (Password-Based Key Derivation Function) アルゴリズムを設定します。cryptsetup(8) の man ページも併せて参照してください。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf-memory=PBKDF_MEMORY
- PBKDF のメモリーコストを設定します。cryptsetup(8) の man ページも併せて参照してください。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf-time=PBKDF_TIME
- PBKDF パスフレーズの処理に費やす時間をミリ秒単位で設定します。cryptsetup(8) の man ページの--iter-time
も併せて参照してください。このオプションは、--encrypted
が指定される場合に限り有効になり、--pbkdf-iterations
と相互に排他的になります。 -
--pbkdf-iterations=PBKDF_ITERATIONS
- 反復の数を直接設定し、PBKDF ベンチマークを回避します。cryptsetup(8) の man ページの--pbkdf-force-iterations
も併せて参照してください。このオプションは、--encrypted
が指定されている場合に限り有効になり、--pbkdf-time
と相互に排他的になります。
- 注記
-
autopart
オプションは、同じキックスタートファイル内ではpart/partition
、raid
、logvol
、volgroup
などのオプションとは併用できません。 -
autopart
コマンドは必須ではありませんが、キックスタートスクリプトにpart
コマンドまたはmount
コマンドがない場合は、このコマンドを組み込む必要があります。 -
CMS タイプの 1 つの FBA DASD にインストールする場合は、
autopart --nohome
のキックスタートオプションを使用することが推奨されます。これを使用すると、インストールプログラムが別の/home
パーティションを作成しません。その後、インストールは成功します。 -
LUKS パスフレーズが分からなくなると、暗号化されたパーティションと、その上にあるデータには完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。ただし、
--escrowcert
を使用して暗号パスフレーズを保存し、--backuppassphrase
オプションを使用してバックアップの暗号化パスフレーズを作成できます。 -
autopart
、autopart --type=lvm
、またはautopart=thinp
を使用する場合は、ディスクのセクターサイズに一貫性があることを確認してください。
-
22.5.6. reqpart リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
キックスタートコマンドの reqpart
は任意です。使用中のハードウェアプラットホームで必要となるパーティションを自動的に作成します。UEFI ファームウェアのシステム向けに /boot/efi
パーティション、BIOS ファームウェアおよび GPT のシステム向けに biosboot
パーティション、IBM Power Systems 向けに PRePBoot
パーティションが作成されます。このコマンドは 1 回だけ使用してください。
- 構文
reqpart [--add-boot]
reqpart [--add-boot]
- オプション
-
--add-boot
- ベースコマンドが作成するプラットホーム固有のパーティションとは別に、/boot
パーティションを作成します。
-
- 注記
-
このコマンドは、
autopart
と一緒に使用することはできません。autopart
は、reqpart
コマンドが実行するすべての操作を実行し、さらに/
やswap
などの他のパーティションまたは論理ボリュームも作成するためです。autopart
とは異なり、このコマンドは、プラットホーム固有のパーティションの作成のみを行い、ドライブの残りは空のままにするため、カスタムレイアウトの作成が可能になります。
-
このコマンドは、
22.5.7. part または partition リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
キックスタートコマンド part
または partition
が必要です。このコマンドは、システムにパーティションを作成します。
- 構文
part|partition mntpoint [OPTIONS]
part|partition mntpoint [OPTIONS]part|partition mntpoint [OPTIONS]part|partition mntpoint [OPTIONS]part|partition mntpoint [OPTIONS]part|partition mntpoint [OPTIONS]
- オプション
mntpoint - パーティションをマウントする場所です。値は次のいずれかの形式になります。
/path
/
、/usr
、/home
など。swap
このパーティションは、swap 領域として使用されます。
自動的に swap パーティションのサイズを確定させる場合は、
--recommended
オプションを使用します。swap --recommended
swap --recommended
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 有効なサイズが割り当てられますが、システムに対して正確に調整されたサイズではありません。
自動的に swap パーティションサイズを確定しながら、ハイバネート用に余剰領域も割り当てる場合は、
--hibernation
オプションを使用します。swap --hibernation
swap --hibernation
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --recommended
で割り当てられる swap 領域に加え、システムの RAM 容量が加算されたサイズが割り当てられるようになります。これらのコマンドによって割り当てられるスワップサイズは、AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM システムの 推奨されるパーティション設定スキーム を参照してください。raid.id
このパーティションはソフトウェア RAID に使用されます (
raid
を参照)。pv.id
このパーティションは LVM に使用されます (
logvol
を参照)。biosboot
このパーティションは、BIOS 起動パーティションに使用されます。GPT (GUID Partition Table) を使用する BIOS ベースの AMD64 および Intel 64 のシステムには、1 MiB の BIOS 起動パーティションが必要になります。ブートローダーは、このパーティションにインストールされます。UEFI システムには必要ありません。
bootloader
コマンドも参照してください。/boot/efi
EFI システムパーティションです。UEFI ベースの AMD64、Intel 64、および 64 ビットの ARM には 50 MiB の EFI パーティションが必要になります。推奨サイズは 200 MiB です。BIOS システムには必要ありません。
bootloader
コマンドも参照してください。
-
--size=
- パーティションの最小サイズを MiB 単位で指定します。500
などの整数値を使用してください (単位は不要)。指定したサイズが小さすぎる場合、インストールが失敗します。--size
の値は、必要となる領域の最小値として指定します。サイズに関する推奨事項は、推奨されるパーティション設定スキーム を参照してください。 -
--grow
- 利用可能な領域 (存在する場合) が埋まるまで、または最大サイズ設定 (指定されている場合) までパーティションを拡張するよう指定します。swap パーティションで--maxsize=
を設定せずに--grow=
を使用すると、swap パーティションの最大サイズは、Anaconda により制限されます。物理メモリーが 2 GiB 未満のシステムの場合は、物理メモリー量の 2 倍に制限されます。物理メモリーが 2 GiB 以上のシステムの場合は、物理メモリー量に 2GiB を足した量に制限されます。 -
--maxsize=
- パーティションが grow に設定されている場合の最大サイズを MiB 単位で指定します。500
などの整数値を使用してください (単位は不要)。 -
--noformat
- パーティションをフォーマットしない場合に指定します。--onpart
コマンドと併用してください。 --onpart=
または--usepart=
- パーティションを配置するデバイスを指定します。既存の空のデバイスを使用し、新たに指定したタイプにフォーマットします。以下に例を示します。partition /home --onpart=hda1
partition /home --onpart=hda1
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 上記では、
/home
パーティションが/dev/hda1
に配置されます。このオプションを使用して、パーティションを論理ボリュームに追加することもできます。以下に例を示します。
partition pv.1 --onpart=hda2
partition pv.1 --onpart=hda2
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この場合は、デバイスがシステムに存在している必要があります。
--onpart
オプションでデバイスを作成するわけではありません。パーティションではなく、ドライブ全体を指定することも可能です。その場合、Anaconda はパーティションテーブルを作成せずに、ドライブをフォーマットして使用します。ただし、この方法でフォーマットされたデバイスでは、GRUB2 のインストールがサポートされません。GRUB2 のインストールは、パーティションテーブルのあるドライブに配置する必要があります。
partition pv.1 --onpart=hdb
partition pv.1 --onpart=hdb
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --ondisk=
または--ondrive=
- 既存ディスクに (part
コマンドで指定した) パーティションを作成します。このコマンドは常にパーティションを作成します。特定のディスクに強制的にパーティションを作成します。たとえば、--ondisk=sdb
を使用すると、パーティションは 2 番目の SCSI ディスクに作成されます。注記マルチパスのデバイスを指定する場合は、
disk/by-id/scsi-WWID
の形式を使用します。WWID はデバイスの World-Wide Identifier です。WWID が58095BEC5510947BE8C0360F604351918
のディスクを指定するには、以下のコマンドを使用します。part / --size=5000 --ondisk=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
part / --size=5000 --ondisk=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow この形式はすべてのマルチパスデバイスに適していますが、エラーが発生した場合は、論理ボリュームマネージャー (LVM) を使用しないマルチパスデバイスも、
disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID
形式を使用して指定できます。この場合の WWID はデバイスの world-wide identifier です。たとえば、WWID2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
のディスクを指定する場合は以下を使用します。part / --size=5000 --ondisk=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
part / --size=5000 --ondisk=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow mpatha などのデバイス名でマルチパスデバイスを指定しないでください。このようなデバイス名は、特定のディスクに固有の名前ではありません。インストール中に /dev/mpatha という名前のディスクが、予期したディスクと異なる可能性があります。したがって、
part
コマンドを使用する際は、間違ったディスクが対象となる可能性があります。-
--asprimary
- パーティションが プライマリー パーティションとして割り当てられるように強制実行します。(通常、すでに割り当てられているプライマリーパーティションが多すぎるという理由で) パーティションをプライマリーとして割り当てられない場合は、パーティション設定のプロセスが失敗します。このオプションは、Master Boot Record (MBR) をディスクが使用する場合にのみ有効で、GUID Partition Table (GPT) ラベルが付いたディスクでは有効ではありません。 -
--fsprofile=
- このパーティションにファイルシステムを作成するプログラムに渡される使用タイプを指定します。ファイルシステムの作成時に使用されるさまざまなチューニングパラメーターは、この使用タイプにより定義されます。ファイルシステム側で使用タイプという概念に対応し、有効なタイプを指定する設定ファイルがないと、このオプションは正しく機能しません。ext2
、ext3
、ext4
の場合、この設定ファイルは/etc/mke2fs.conf
になります。 --mkfsoptions=
- このパーティションにファイルシステムを作成するプログラムに渡す追加のパラメーターを指定します。これは--fsprofile
と似ていますが、プロフィールの概念に対応するものだけではなく、すべてのファイルシステムで機能するものです。引数のリストでは処理が行われないため、mkfs プログラムに直接渡すことが可能な形式で提供する必要があります。つまり、複数のオプションはコンマ区切りにするか、二重引用符で囲む必要があります (ファイルシステムによって異なります)。以下に例を示します。part /opt/foo1 --size=512 --fstype=ext4 --mkfsoptions="-O ^has_journal,^flex_bg,^metadata_csum" part /opt/foo2 --size=512 --fstype=xfs --mkfsoptions="-m bigtime=0,finobt=0"
part /opt/foo1 --size=512 --fstype=ext4 --mkfsoptions="-O ^has_journal,^flex_bg,^metadata_csum" part /opt/foo2 --size=512 --fstype=xfs --mkfsoptions="-m bigtime=0,finobt=0"
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 詳細は、作成しているファイルシステムの man ページを参照してください。たとえば、
mkfs.ext4
またはmkfs.xfs
です。-
--fstype=
- パーティションのファイルシステムタイプを設定します。使用できる値は、xfs
、ext2
、ext3
、ext4
、swap
、vfat
、efi
、およびbiosboot
になります。 --fsoptions=
- ファイルシステムをマウントする場合に使用するオプションの文字列を自由形式で指定します。この文字列は、インストール後の/etc/fstab
ファイルにコピーされるため、引用符で囲む必要があります。注記EFI システムパーティション (
/boot/efi
) では、anaconda が値をハードコードし、ユーザー指定の--fsoptions
値を無視します。-
--label=
- 個別パーティションにラベルを割り当てます。 -
--recommended
- パーティションのサイズを自動的に確定します。推奨されるスキームの詳細は、AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM の 推奨されるパーティション設定スキーム を参照してください。このオプションは、/boot
パーティションやswap
領域といったファイルシステムになるパーティションにのみ使用できます。LVM 物理ボリュームや RAID メンバーの作成には使用できません。 -
--onbiosdisk
- BIOS で検出された特定のディスクに強制的にパーティションを作成します。 --encrypted
---passphrase
オプションで入力したパスフレーズを使用して、LUKS (Linux Unified Key Setup) でこのパーティションを暗号化するように指定します。このパスフレーズを指定していない場合、Anaconda はautopart --passphrase
コマンドで設定されるデフォルトのシステムワイドパスフレーズを使用します。このデフォルトのパスフレーズも設定されていない場合は、インストールプロセスが中断され、パスフレーズの入力が求められます。注記1 つまたは複数のパーティションを暗号化する際には、安全な暗号化を行うため、Anaconda が 256 ビットのエントロピーを収集しようとします。エントロピーの収集には時間がかかる場合があります。十分なエントロピーが収集されたかどうかにかかわらず、このプロセスは最大 10 分後に終了します。プロセスは、インストールシステムと対話することにより高速化できます (キーボードで入力またはマウスの移動)。仮想マシンにインストールしている場合は、
virtio-rng
デバイス (仮想乱数ジェネレーター) をゲストに登録できます。-
--luks-version=LUKS_VERSION
- ファイルシステムの暗号化に使用する LUKS 形式のバージョンを指定します。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--passphrase=
- このパーティションの暗号化を行う際に使用するパスフレーズを入力します。--encrypted
オプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。 -
--cipher=
- Anaconda のデフォルトである aes-xts-plain64 では十分ではない場合に使用する暗号化の種類を指定します。--encrypted
オプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。利用可能な暗号化の種類は、セキュリティーの強化 ドキュメントに記載されています。たとえば、aes-xts-plain64
です。 -
--escrowcert=URL_of_X.509_certificate
- 暗号化した全パーティションのデータ暗号化の鍵を/root
配下にファイルとして格納します。URL_of_X.509_certificate で指定した URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。鍵は、暗号化したパーティションごとに別のファイルとして格納されます。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--backuppassphrase
- 暗号化されたパーティションにそれぞれランダムに生成されたパスフレーズを追加します。パスフレーズは、/root
配下に別々のファイルで格納され、--escrowcert
で指定した X.509 証明書を使用して暗号化されます。--escrowcert
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf=PBKDF
- LUKS 鍵スロット用の PBKDF (Password-Based Key Derivation Function) アルゴリズムを設定します。cryptsetup(8) の man ページも併せて参照してください。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf-memory=PBKDF_MEMORY
- PBKDF のメモリーコストを設定します。cryptsetup(8) の man ページも併せて参照してください。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf-time=PBKDF_TIME
- PBKDF パスフレーズの処理に費やす時間をミリ秒単位で設定します。cryptsetup(8) の man ページの--iter-time
も併せて参照してください。このオプションは、--encrypted
が指定される場合に限り有効になり、--pbkdf-iterations
と相互に排他的になります。 -
--pbkdf-iterations=PBKDF_ITERATIONS
- 反復の数を直接設定し、PBKDF ベンチマークを回避します。cryptsetup(8) の man ページの--pbkdf-force-iterations
も併せて参照してください。このオプションは、--encrypted
が指定されている場合に限り有効になり、--pbkdf-time
と相互に排他的になります。 -
--resize=
- 既存のパーティションのサイズを変更します。このオプションを使用する場合は、--size=
オプションで目的のサイズ (MiB 単位) を、--onpart=
オプションで目的のパーティションを指定します。
- 注記
-
part
コマンドは必須ではありませんが、キックスタートスクリプトにはpart
、autopart
、またはmount
のいずれかを指定する必要があります。 - 何らかの理由でパーティションの設定ができなかった場合には、診断メッセージが仮想コンソール 3 に表示されます。
-
--noformat
および--onpart
を使用しないと、作成されたパーティションはすべてインストールプロセスの一部としてフォーマット化されます。 sdX
(または/dev/sdX
) 形式では、デバイス名が再起動後に維持される保証がないため、一部のキックスタートコマンドの使用が複雑になる可能性があります。コマンドにデバイスノード名が必要な場合は、/dev/disk
の項目を代わりに使用できます。以下に例を示します。part / --fstype=xfs --onpart=sda1
part / --fstype=xfs --onpart=sda1
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 上記のコマンドの代わりに、以下のいずれかを使用します。
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0-part1 part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882-part1
part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0-part1 part / --fstype=xfs --onpart=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882-part1
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このアプローチを使用すると、コマンドは常に同じストレージデバイスをターゲットとします。これは、大規模なストレージ環境で特に役立ちます。システム上で使用可能なデバイス名を調べるには、対話型インストール中に
ls -lR/dev/disk
コマンドを使用できます。ストレージデバイスを一貫して参照するさまざまな方法の詳細は、永続的な命名属性 を参照してください。-
LUKS パスフレーズが分からなくなると、暗号化されたパーティションと、その上にあるデータには完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。ただし、
--escrowcert
を使用して暗号パスフレーズを保存し、--backuppassphrase
オプションを使用してバックアップの暗号化パスフレーズを作成できます。
-
22.5.8. raid リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
キックスタートコマンドの raid
は任意です。ソフトウェアの RAID デバイスを組み立てます。
- 構文
raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*
raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*raid mntpoint --level=level --device=device-name partitions*
- オプション
-
mntpoint - RAID ファイルシステムをマウントする場所です。
/
にマウントする場合、boot パーティション (/boot
) がなければ RAID レベルは 1 にする必要があります。boot パーティションがある場合は、/boot
パーティションをレベル 1 にしてください。ルート (/
) パーティションのタイプはどれでも構いません。partitions* (複数パーティションの指定が可能) には RAID アレイに追加する RAID 識別子を指定します。
重要-
IBM Power Systems で RAID デバイスの準備は行ったものの、インストール中に再フォーマットを行っていない場合で、この RAID デバイスに
/boot
パーティションおよび PReP パーティションの配置を予定している場合は、RAID メタデータのバージョンが0.90
または1.0
になっていることを確認してください。mdadm
メタデータバージョン1.1
および1.2
は、/boot
および PReP パーティションではサポートされていません。 -
PowerNV システムでは、
PReP
Boot パーティションは必要ありません。
-
--level=
- 使用する RAID レベルを指定します (0、1、4、5、6、10 のいずれか)。 --device=
- 使用する RAID デバイス名を指定します (例:--device=root
)。重要mdraid
名をmd0
の形式で使用しないでください。このような名前は永続性が保証されていません。代わりに、root
、swap
など意味のある名前にしてください。意味のある名前を使用すると、/dev/md/name
から、アレイに割り当てられている/dev/mdX
ノードへのシンボリックリンクが作成されます。名前を割り当てることができない古い (v0.90 メタデータ) アレイがある場合は、ファイルシステムラベルまたは UUID でアレイを指定できます。たとえば、
--device=LABEL=root
または--device=UUID=93348e56-4631-d0f0-6f5b-45c47f570b88
です。RAID デバイス上のファイルシステムの UUID または RAID デバイス自体の UUID を使用できます。RAID デバイスの UUID は
8-4-4-4-12
形式である必要があります。mdadm によって報告される UUID は、変更する必要がある8:8:8:8
形式です。たとえば、93348e56:4631d0f0:6f5b45c4:7f570b88
は93348e56-4631-d0f0-6f5b-45c47f570b88
に変更する必要があります。-
--chunksize=
- RAID ストレージのチャンクサイズを KiB 単位で設定します。場合によっては、デフォルトのサイズ (512 Kib
) 以外のチャンクサイズを使用すると、RAID のパフォーマンスが向上することもあります。 -
--spares=
- RAID アレイに割り当てられるスペアドライブの数を指定します。スペアドライブは、ドライブに障害が発生した場合にアレイの再設定に使用されます。 -
--fsprofile=
- このパーティションにファイルシステムを作成するプログラムに渡される使用タイプを指定します。ファイルシステムの作成時に使用されるさまざまなチューニングパラメーターは、この使用タイプにより定義されます。ファイルシステム側で使用タイプという概念に対応し、有効なタイプを指定する設定ファイルがないと、このオプションは正しく機能しません。ext2、ext3、ext4 の場合、この設定ファイルは/etc/mke2fs.conf
になります。 -
--fstype=
- RAID アレイのファイルシステムタイプを設定します。xfs
、ext2
、ext3
、ext4
、swap
、およびvfat
が使用できる値になります。 -
--fsoptions=
- ファイルシステムをマウントする場合に使用するオプションの文字列を自由形式で指定します。この文字列は、インストール後の/etc/fstab
ファイルにコピーされるため、引用符で囲む必要があります。EFI システムパーティション (/boot/efi
) では、anaconda が値をハードコードし、ユーザー指定の--fsoptions
値を無視します。 --mkfsoptions=
- このパーティションにファイルシステムを作成するプログラムに渡す追加のパラメーターを指定します。引数のリストでは処理が行われないため、mkfs プログラムに直接渡すことが可能な形式で提供する必要があります。つまり、複数のオプションはコンマ区切りにするか、二重引用符で囲む必要があります (ファイルシステムによって異なります)。以下に例を示します。part /opt/foo1 --size=512 --fstype=ext4 --mkfsoptions="-O ^has_journal,^flex_bg,^metadata_csum" part /opt/foo2 --size=512 --fstype=xfs --mkfsoptions="-m bigtime=0,finobt=0"
part /opt/foo1 --size=512 --fstype=ext4 --mkfsoptions="-O ^has_journal,^flex_bg,^metadata_csum" part /opt/foo2 --size=512 --fstype=xfs --mkfsoptions="-m bigtime=0,finobt=0"
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 詳細は、作成しているファイルシステムの man ページを参照してください。たとえば、
mkfs.ext4
またはmkfs.xfs
です。-
--label=
- 作成するファイルシステムのラベルを指定します。指定ラベルが別のファイルシステムですでに使用されている場合は、新しいラベルが作成されます。 -
--noformat
- 既存の RAID デバイスを使用し、RAID アレイのフォーマットは行いません。 -
--useexisting
- 既存の RAID デバイスを使用し、再フォーマットします。 --encrypted
---passphrase
オプションで入力したパスフレーズを使用して、LUKS (Linux Unified Key Setup) でこの RAID デバイスを暗号化するように指定します。このパスフレーズを指定していない場合、Anaconda はautopart --passphrase
コマンドで設定されるデフォルトのシステムワイドパスフレーズを使用します。このデフォルトのパスフレーズも設定されていない場合は、インストールプロセスが中断され、パスフレーズの入力が求められます。注記1 つまたは複数のパーティションを暗号化する際には、安全な暗号化を行うため、Anaconda が 256 ビットのエントロピーを収集しようとします。エントロピーの収集には時間がかかる場合があります。十分なエントロピーが収集されたかどうかにかかわらず、このプロセスは最大 10 分後に終了します。
プロセスは、インストールシステムと対話することにより高速化できます (キーボードで入力またはマウスの移動)。仮想マシンにインストールしている場合は、
virtio-rng
デバイス (仮想乱数ジェネレーター) をゲストに登録できます。-
--luks-version=LUKS_VERSION
- ファイルシステムの暗号化に使用する LUKS 形式のバージョンを指定します。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--cipher=
- Anaconda のデフォルトである aes-xts-plain64 では十分ではない場合に使用する暗号化の種類を指定します。--encrypted
オプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。利用可能な暗号化の種類は、セキュリティーの強化 ドキュメントに記載されています。たとえば、aes-xts-plain64
です。 -
--passphrase=
- この RAID デバイスの暗号化を行う際に使用するパスフレーズを入力します。--encrypted
オプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。 -
--escrowcert=URL_of_X.509_certificate
- このデバイス用のデータ暗号化の鍵を/root
配下にファイルとして格納します。鍵は、URL_of_X.509_certificate で指定した URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--backuppassphrase
- このデバイスにランダムに生成されたパスフレーズを追加します。パスフレーズは/root
配下にファイルとして保存し、--escrowcert
で指定した X.509 証明書を使用して暗号化されます。--escrowcert
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf=PBKDF
- LUKS 鍵スロット用の PBKDF (Password-Based Key Derivation Function) アルゴリズムを設定します。cryptsetup(8) の man ページも併せて参照してください。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf-memory=PBKDF_MEMORY
- PBKDF のメモリーコストを設定します。cryptsetup(8) の man ページも併せて参照してください。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf-time=PBKDF_TIME
- PBKDF パスフレーズの処理に費やす時間をミリ秒単位で設定します。cryptsetup(8) の man ページの--iter-time
も併せて参照してください。このオプションは、--encrypted
が指定される場合に限り有効になり、--pbkdf-iterations
と相互に排他的になります。 -
--pbkdf-iterations=PBKDF_ITERATIONS
- 反復の数を直接設定し、PBKDF ベンチマークを回避します。cryptsetup(8) の man ページの--pbkdf-force-iterations
も併せて参照してください。このオプションは、--encrypted
が指定されている場合に限り有効になり、--pbkdf-time
と相互に排他的になります。
-
mntpoint - RAID ファイルシステムをマウントする場所です。
- 例
以下の例では、
/
には RAID レベル 1 のパーティション、/home
には RAID レベル 5 のパーティションを作成しています。各ドライブに 1 つずつ、3 つの swap パーティションを作成します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 注記
-
LUKS パスフレーズが分からなくなると、暗号化されたパーティションと、その上にあるデータには完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。ただし、
--escrowcert
を使用して暗号パスフレーズを保存し、--backuppassphrase
オプションを使用してバックアップの暗号化パスフレーズを作成できます。
-
LUKS パスフレーズが分からなくなると、暗号化されたパーティションと、その上にあるデータには完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。ただし、
22.5.9. volgroup リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
volgroup
キックスタートコマンドはオプションです。論理ボリュームマネージャー (LVM) グループを作成します。
- 構文
volgroup name [OPTIONS] [partition*]
volgroup name [OPTIONS] [partition*]volgroup name [OPTIONS] [partition*]volgroup name [OPTIONS] [partition*]volgroup name [OPTIONS] [partition*]volgroup name [OPTIONS] [partition*]volgroup name [OPTIONS] [partition*]volgroup name [OPTIONS] [partition*]
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 必須オプション
- name - 新しいボリュームグループの名前。
- オプション
- partition - ボリュームグループのバッキングストレージとして使用する物理ボリュームパーティション。新しいボリュームグループを作成するときは、少なくとも 1 つのパーティションを指定する必要があります。
-
--noformat
- 既存のボリュームグループを使用し、フォーマットは行いません。 --useexisting
- 既存のボリュームグループを使用し、そのボリュームグループを再フォーマットします。このオプションを使用する場合は partition を指定しないでください。以下に例を示します。volgroup rhel00 --useexisting --noformat
volgroup rhel00 --useexisting --noformat
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow -
--pesize=
- ボリュームグループの物理エクステントのサイズをキビバイト (KiB) 単位で設定します。デフォルト値は 4096 (4 MiB) で、最小値は 1024 (1 MiB) になります。 -
--reserved-space=
- ボリュームグループに未使用で残す領域を MiB 単位で指定します。新規作成のボリュームグループにのみ適用されます。 -
--reserved-percent=
- 未使用で残すボリュームグループ領域全体の割合を指定します。新規作成のボリュームグループにのみ適用されます。
- 注記
- まずパーティションを作成します。次に論理ボリュームグループを作成して、論理ボリュームを作成します。以下に例を示します。
part pv.01 --size 10000 volgroup my_volgrp pv.01 logvol / --vgname=my_volgrp --size=2000 --name=root
part pv.01 --size 10000 volgroup my_volgrp pv.01 logvol / --vgname=my_volgrp --size=2000 --name=root
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow キックスタートを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、論理ボリューム名およびボリュームグループ名にダッシュ (
-
) 記号を使用しないでください。この文字を使用すると、インストール自体は正常に完了しますが、/dev/mapper/
ディレクトリー内の論理ボリューム名とボリュームグループ名にダッシュが二重に付いてしまうことになります。たとえば、logvol-01
という名前の論理ボリュームを格納するvolgrp-01
という名前のボリュームグループは、/dev/mapper/volgrp--01-logvol--01
としてリストされます。この制約が適用されるのは、新規作成の論理ボリュームおよびボリュームグループ名のみです。既存の論理ボリュームまたはボリュームグループを
--noformat
オプションを使用して再利用する場合は、名前が変更されません。
22.5.10. logvol リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
logvol
キックスタートコマンドはオプションです。このコマンドは、論理ボリュームマネージャー (LVM) の論理ボリュームを作成します。
- 構文
logvol mntpoint --vgname=name --name=name [OPTIONS]
logvol mntpoint --vgname=name --name=name [OPTIONS]logvol mntpoint --vgname=name --name=name [OPTIONS]logvol mntpoint --vgname=name --name=name [OPTIONS]logvol mntpoint --vgname=name --name=name [OPTIONS]logvol mntpoint --vgname=name --name=name [OPTIONS]logvol mntpoint --vgname=name --name=name [OPTIONS]logvol mntpoint --vgname=name --name=name [OPTIONS]logvol mntpoint --vgname=name --name=name [OPTIONS]logvol mntpoint --vgname=name --name=name [OPTIONS]
- 必須オプション
mntpoint
: パーティションをマウントするマウントポイント。次のいずれかの形式になります。/path
/
または/home
などswap
このパーティションは、swap 領域として使用されます。
自動的に swap パーティションのサイズを確定させる場合は、
--recommended
オプションを使用します。swap --recommended
swap --recommended
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 自動的に swap パーティションサイズを確定し、ハイバネート用に追加領域も配分するには、
--hibernation
オプションを使用します。swap --hibernation
swap --hibernation
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow --recommended
で割り当てられる swap 領域に加え、システムの RAM 容量が加算されたサイズが割り当てられるようになります。これらのコマンドによって割り当てられるスワップサイズは、AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM システムの 推奨されるパーティション設定スキーム を参照してください。
-
--vgname=name
: ボリュームグループの名前。 -
--name=name
: 論理ボリュームの名前。
- 任意のオプション
-
--noformat
: 既存の論理ボリュームを使用します。ボリュームのフォーマットは行いません。 -
--useexisting
: 既存の論理ボリュームを使用し、再フォーマットします。 -
--fstype=
: 論理ボリュームのファイルシステムのタイプを設定します。xfs
、ext2
、ext3
、ext4
、swap
、およびvfat
が使用できる値になります。 --fsoptions=
: ファイルシステムをマウントするときに使用するオプションの文字列を指定します。この文字列は、インストール後の/etc/fstab
ファイルにコピーされるため、引用符で囲む必要があります。注記EFI システムパーティション (
/boot/efi
) では、anaconda が値をハードコードし、ユーザー指定の--fsoptions
値を無視します。--mkfsoptions=
: このパーティションにファイルシステムを作成するプログラムに渡す追加のパラメーターを指定します。引数のリストでは処理が行われないため、mkfs プログラムに直接渡すことが可能な形式で提供する必要があります。つまり、複数のオプションはコンマ区切りにするか、二重引用符で囲む必要があります (ファイルシステムによって異なります)。以下に例を示します。part /opt/foo1 --size=512 --fstype=ext4 --mkfsoptions="-O ^has_journal,^flex_bg,^metadata_csum" part /opt/foo2 --size=512 --fstype=xfs --mkfsoptions="-m bigtime=0,finobt=0"
part /opt/foo1 --size=512 --fstype=ext4 --mkfsoptions="-O ^has_journal,^flex_bg,^metadata_csum" part /opt/foo2 --size=512 --fstype=xfs --mkfsoptions="-m bigtime=0,finobt=0"
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 詳細は、作成しているファイルシステムの man ページを参照してください。たとえば、
mkfs.ext4
またはmkfs.xfs
です。-
--fsprofile=
: このパーティションにファイルシステムを作成するプログラムに渡す使用タイプを指定します。ファイルシステムの作成時に使用されるさまざまなチューニングパラメーターは、この使用タイプにより定義されます。ファイルシステム側で使用タイプという概念に対応し、有効なタイプを指定する設定ファイルがないと、このオプションは正しく機能しません。ext2
、ext3
、およびext4
の場合、この設定ファイルは/etc/mke2fs.conf
になります。 -
--label=
: 論理ボリュームのラベルを設定します。 -
--grow
: 利用可能な領域 (存在する場合) が埋まるまで、または最大サイズ設定 (指定されている場合) まで論理ボリュームを拡張します。このオプションを使用する必要があるのは、ディスクイメージに最小限のストレージ領域を事前に割り当てており、ボリュームを拡大して使用可能な領域を埋める場合のみです。物理的な環境では、これは 1 回限りのアクションです。ただし、仮想環境では、仮想マシンが仮想ディスクにデータを書き込むとボリュームサイズが増加します。 -
--size=
: 論理ボリュームのサイズ (MiB 単位)。このオプションを、--percent=
オプションと併用することはできません。 --percent=
: 論理ボリュームのサイズを、固定サイズの論理ボリュームをすべて考慮した後のボリュームグループの空き領域に対するパーセンテージで指定します。このオプションは--size=
オプションと併用することはできません。重要論理ボリュームの新規作成時には、
--size=
オプションで静的なサイズを指定するか、--percent=
オプションで残りの空き領域をパーセンテージとして指定する必要があります。1 つの論理ボリュームで、両方のオプションを使用することはできません。-
--maxsize=
: 論理ボリュームを拡張するように設定した場合の最大サイズ (MiB 単位)。500
などの整数値を使用してください (単位は不要)。 -
--recommended
: 論理ボリュームを作成するときにこのオプションを使用すると、システムのハードウェアに基づいてそのボリュームのサイズが自動的に決定されます。推奨されるスキームの詳細は、AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM システムの 推奨されるパーティション設定スキーム を参照してください。 -
--resize
: 論理ボリュームのサイズを変更します。このオプションを使用する場合は、--useexisting
と--size
も指定する必要があります。 --encrypted
:--passphrase=
オプションで指定されたパスフレーズを使用して、この論理ボリュームを Linux Unified Key Setup (LUKS) で暗号化することを指定します。パスフレーズを指定しない場合、インストールプログラムはインストールを停止し、デフォルトが設定されていない場合はパスフレーズの入力が求められます。注記1 つまたは複数のパーティションを暗号化する際には、安全な暗号化を行うため、Anaconda が 256 ビットのエントロピーを収集しようとします。エントロピーの収集には時間がかかる場合があります。十分なエントロピーが収集されたかどうかにかかわらず、このプロセスは最大 10 分後に終了します。プロセスは、インストールシステムと対話することにより高速化できます (キーボードで入力またはマウスの移動)。仮想マシンにインストールしている場合は、
virtio-rng
デバイス (仮想乱数ジェネレーター) をゲストに登録できます。-
--passphrase=
: この論理ボリュームを暗号化するときに使用するパスフレーズを指定します。--encrypted
オプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。 -
--cipher=
: Anaconda のデフォルトの aes-xts-plain64 が不十分な場合に使用する暗号化のタイプを指定します。--encrypted
オプションと併用してください。単独で使用しても暗号化されません。利用可能な暗号化の種類は、セキュリティーの強化 に記載されています。たとえば、aes-xts-plain64
です。 -
--escrowcert=URL_of_X.509_certificate
: URL_of_X.509_certificate で指定された URL からの X.509 証明書を使用して暗号化されたすべての暗号化ボリュームのデータ暗号鍵を、/root
配下にファイルとして保存します。鍵は暗号化したボリュームごとに別のファイルとして格納されます。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--luks-version=LUKS_VERSION
: ファイルシステムの暗号化に使用する LUKS 形式のバージョンを指定します。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--backuppassphrase
: 暗号化された各ボリュームに、ランダムに生成されたパスフレーズを追加します。パスフレーズは、/root
配下に別々のファイルで格納され、--escrowcert
で指定した X.509 証明書を使用して暗号化されます。--escrowcert
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf=PBKDF
: LUKS キースロット用の Password-Based Key Derivation Function (PBKDF) アルゴリズムを設定します。cryptsetup(8) の man ページも併せて参照してください。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf-memory=PBKDF_MEMORY
: PBKDF のメモリーコストを設定します。cryptsetup(8) の man ページも併せて参照してください。--encrypted
と併用しないと有効ではありません。 -
--pbkdf-time=PBKDF_TIME
: PBKDF パスフレーズの処理に費やす時間をミリ秒単位で設定します。cryptsetup(8) の man ページの--iter-time
も併せて参照してください。このオプションは、--encrypted
が指定される場合に限り有効になり、--pbkdf-iterations
と相互に排他的になります。 -
--pbkdf-iterations=PBKDF_ITERATIONS
: 反復回数を直接設定し、PBKDF ベンチマークを回避します。cryptsetup(8) の man ページの--pbkdf-force-iterations
も併せて参照してください。このオプションは、--encrypted
が指定されている場合に限り有効になり、--pbkdf-time
と相互に排他的になります。 -
--thinpool
: 論理ボリュームのシンプールを作成します。(none
のマウントポイントの使用) -
--metadatasize=size
: 新しいシンプールデバイスのメタデータ領域のサイズ (MiB 単位) を指定します。 -
--chunksize=size
: 新しいシンプールデバイスのチャンクサイズ (KiB 単位) を指定します。 -
--thin
: シン論理ボリュームを作成します。(--poolname
が必要です。) -
--poolname=name
: シン論理ボリュームを作成するシンプールの名前を指定します。--thin
オプションが必要です。 -
--profile=name
: シン論理ボリュームで使用する設定プロファイル名を指定します。これを使用する場合は、この名前は特定の論理ボリュームのメタデータにも含まれることになります。デフォルトで使用できるプロファイルはdefault
とthin-performance
で、/etc/lvm/profile/
ディレクトリーで定義します。詳細はlvm(8)
の man ページを参照してください。 -
--cachepvs=
: このボリュームのキャッシュとして使用する物理ボリュームのコンマ区切りリスト。 --cachemode=
: この論理ボリュームをキャッシュするために使用するモード (writeback
またはwritethrough)
を指定します。注記キャッシュされた論理ボリュームとそのモードの詳細は、システム上の
lvmcache(7)
man ページを参照してください。-
--cachesize=
: 論理ボリュームに割り当てるキャッシュのサイズを MiB 単位で指定します。このオプションは、--cachepvs=
オプションと併用する必要があります。
-
- 注記
-
キックスタートを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、論理ボリューム名およびボリュームグループ名にダッシュ (
-
) 記号を使用しないでください。この文字を使用すると、インストール自体は正常に完了しますが、/dev/mapper/
ディレクトリー内の論理ボリューム名とボリュームグループ名にダッシュが二重に付いてしまうことになります。たとえば、logvol-01
という名前の論理ボリュームを格納するvolgrp-01
という名前のボリュームグループは、/dev/mapper/volgrp—01-logvol—01
としてリストされます。この制約が適用されるのは、新規作成の論理ボリュームおよびボリュームグループ名のみです。既存の論理ボリュームまたはボリュームグループを--noformat
オプションを使用して再利用する場合は、名前が変更されません。 -
LUKS パスフレーズが分からなくなると、暗号化されたパーティションと、その上にあるデータには完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。ただし、
--escrowcert
を使用して暗号パスフレーズを保存し、--backuppassphrase
オプションを使用してバックアップの暗号化パスフレーズを作成できます。
-
キックスタートを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、論理ボリューム名およびボリュームグループ名にダッシュ (
- 例
- まずパーティションを作成します。次にボリュームグループを作成して、論理ボリュームを作成します。
part pv.01 --size 3000 volgroup myvg pv.01 logvol / --vgname=myvg --size=2000 --name=rootvol
part pv.01 --size 3000 volgroup myvg pv.01 logvol / --vgname=myvg --size=2000 --name=rootvol
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 最初にパーティションを作成します。次にボリュームグループを作成して、ボリュームグループに残っている領域の 90 % を占める論理ボリュームを作成します。
part pv.01 --size 1 --grow volgroup myvg pv.01 logvol / --vgname=myvg --name=rootvol --percent=90
part pv.01 --size 1 --grow volgroup myvg pv.01 logvol / --vgname=myvg --name=rootvol --percent=90
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
22.5.11. snapshot リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
snapshot
キックスタートコマンドはオプションです。インストールプロセス時に、このコマンドを使用して LVM のシンボリュームのスナップショットを作成できます。これにより、インストール前後の論理ボリュームのバックアップ作成が可能になります。
複数のスナップショットを作成するには、snaphost
キックスタートコマンドを複数回追加します。
- 構文
snapshot vg_name/lv_name --name=snapshot_name --when=pre-install|post-install
snapshot vg_name/lv_name --name=snapshot_name --when=pre-install|post-installsnapshot vg_name/lv_name --name=snapshot_name --when=pre-install|post-installsnapshot vg_name/lv_name --name=snapshot_name --when=pre-install|post-installsnapshot vg_name/lv_name --name=snapshot_name --when=pre-install|post-installsnapshot vg_name/lv_name --name=snapshot_name --when=pre-install|post-installsnapshot vg_name/lv_name --name=snapshot_name --when=pre-install|post-install
- オプション
-
vg_name/lv_name
- スナップショットの作成元となるボリュームグループや論理ボリュームの名前を設定します。 -
--name=snapshot_name
- スナップショットの名前を設定します。この名前は、ボリュームグループ内で一意のものにする必要があります。 -
--when=pre-install|post-install
- インストール前もしくは完了後にスナップショットを作成することを指定します。
-
22.5.12. mount リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
mount
キックスタートコマンドはオプションです。これは、既存のブロックデバイスにマウントポイントを割り当て、必要に応じて、指定の形式で再フォーマットします。
- 構文
mount [OPTIONS] device mountpoint
mount [OPTIONS] device mountpoint
- 必須オプション
-
device
- マウントするブロックデバイス。 -
mountpoint
-device
をマウントする場所。/
または/usr
等の有効なマウントポイントを指定する必要があります。マウントできないデバイスの場合には (例:swap
)、none
と指定します。
-
- 任意のオプション
-
--reformat=
- デバイスを再フォーマットする際の新しいフォーマット (ext4
) を指定します。 -
--mkfsoptions=
---reformat=
で指定した新しいファイルシステムを作成するコマンドに渡す追加のオプションを指定します。ここで指定するオプションのリストは処理されません。したがって、直接mkfs
プログラムに渡すことのできる形式で指定する必要があります。オプションのリストは、コンマ区切りとするか、二重引用符で囲む必要があります (ファイルシステムによって異なります)。詳細は、作成するファイルシステムのmkfs
の man ページで確認してください (例:mkfs.ext4(8)
またはmkfs.xfs(8)
)。 -
--mountoptions=
- ファイルシステムをマウントする場合に使用するオプションを含む文字列を自由形式で指定します。この文字列はインストールされたシステムの/etc/fstab
ファイルにコピーされるため、二重引用符で囲んでください。マウントオプションの全リストはmount(8)
の man ページを、概要はfstab(5)
を参照してください。
-
- 注記
-
キックスタートの他の多くのストレージ設定コマンドとは異なり、
mount
の場合には、すべてのストレージ設定をキックスタートファイルで記述する必要はありません。確認する必要があるのは、記述されたブロックデバイスがシステムに存在することだけです。ただし、すべてのデバイスがマウントされたストレージスタックを 作成する 場合には、part
等の他のコマンドを使用する必要があります。 -
同じキックスタートファイル内で、
mount
をpart
、logvol
、またはautopart
などの他のストレージ関連コマンドと併用することはできません。
-
キックスタートの他の多くのストレージ設定コマンドとは異なり、
22.5.13. zipl リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
キックスタートコマンドの zipl
は任意です。これは 64 ビットの IBM Z の ZIPL 設定を指定します。このコマンドは 1 回だけ使用してください。
- オプション
-
--secure-boot
- インストールシステムで対応しているかどうかを、セキュアな起動を有効にします。 -
--no-secure-boot
- セキュアな起動を無効にします。 -
--force-secure-boot
- セキュアな起動を無条件で有効にします。
-
- 注記
- インストールシステムは、IBM z14 以降のシステムにインストールする場合、IBM z14 またはそれ以前のモデルからは起動できません。
- IBM z14 以前のモデルでは、インストールに対応していません。
-
Secure Boot は、IBM z14 とそれ以前のモデルでは対応していません。IBM z14 以前のモデルでインストール済みシステムを起動する場合は、
--no-secure-boot
を使用します。
22.5.14. fcoe リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
fcoe
キックスタートコマンドはオプションです。Enhanced Disk Drive Services (EDD) で検出されたデバイス以外で、自動的にアクティベートする FCoE デバイスを指定します。
- 構文
fcoe --nic=name [OPTIONS]
fcoe --nic=name [OPTIONS]fcoe --nic=name [OPTIONS]fcoe --nic=name [OPTIONS]fcoe --nic=name [OPTIONS]fcoe --nic=name [OPTIONS]
- オプション
-
--nic=
(必須) - アクティベートするデバイス名です。 -
--dcb=
- Data Center Bridging (DCB) の設定を確立します。 -
--autovlan
- VLAN を自動検出します。このオプションはデフォルトで有効になっています。
-
22.5.15. iscsi リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
iscsi
キックスタートコマンドはオプションです。インストール時に接続する追加の iSCSI ストレージを指定します。
- 構文
iscsi --ipaddr=address [OPTIONS]
iscsi --ipaddr=address [OPTIONS]iscsi --ipaddr=address [OPTIONS]iscsi --ipaddr=address [OPTIONS]iscsi --ipaddr=address [OPTIONS]iscsi --ipaddr=address [OPTIONS]
- 必須オプション
-
--ipaddr=
(必須) - 接続先ターゲットの IP アドレスを指定します。
-
- 任意のオプション
-
--port=
(必須) - ポート番号を指定します。存在しない場合は、--port=3260
がデフォルトで自動的に使用されます。 -
--target=
- ターゲットの IQN (iSCSI 修飾名) を指定します。 -
--iface=
- ネットワーク層で確定されるデフォルトのネットワークインターフェイスではなく、特定のネットワークインターフェイスに接続をバインドします。これを一度使用したら、キックスタート内のiscsi
コマンドのインスタンスではすべて指定する必要があります。 -
--user=
- ターゲットでの認証に必要なユーザー名を指定します。 -
--password=
- ターゲットに指定したユーザー名のパスワードを指定します。 -
--reverse-user=
- 逆 CHAP 認証を使用するターゲットのイニシエーターでの認証に必要なユーザー名を指定します。 -
--reverse-password=
- イニシエーターに指定したユーザー名のパスワードを指定します。
-
- 注記
-
また、
iscsi
コマンドを使用する場合は、iscsiname
コマンドで iSCSI ノードに名前を割り当てる必要があります。iscsiname
コマンドはiscsi
コマンドより先に指定してください。 -
iSCSI ストレージは、できる限り
iscsi
コマンドではなくシステムの BIOS またはファームウェア (Intel システムの場合は iBFT) 内で設定してください。BIOS またはファームウェア内で設定されたディスクは Anaconda で自動的に検出されて使用されるため、キックスタートファイルで特に設定する必要がありません。 -
iscsi
コマンドを使用する必要がある場合は、インストールの開始時にネットワークがアクティブであること、iscsi
コマンドが、キックスタートファイルでclearpart
やignoredisk
などのコマンドによる iSCSI ディスクの参照よりも 前 に指定されていることを確認してください。
-
また、
22.5.16. iscsiname リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
iscsiname
キックスタートコマンドはオプションです。これは、iscsi
コマンドが指定した iSCSI ノードに名前を割り当てます。このコマンドは 1 回だけ使用してください。
- 構文
iscsiname iqname
iscsiname iqname
- オプション
-
iqname
- iSCSI ノードに割り当てる名前。
-
- 注記
-
キックスタートファイルで
iscsi
コマンドを使用する場合は、キックスタートファイルでiscsiname
earlier を指定する必要があります。
-
キックスタートファイルで
22.5.17. zfcp リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
zfcp
キックスタートコマンドはオプションです。Fibre チャンネルデバイスを定義します。
このオプションは、64 ビットの IBM Z にのみ適用されます。
- 構文
zfcp --devnum=devnum [--wwpn=wwpn --fcplun=lun]
zfcp --devnum=devnum [--wwpn=wwpn --fcplun=lun]zfcp --devnum=devnum [--wwpn=wwpn --fcplun=lun]zfcp --devnum=devnum [--wwpn=wwpn --fcplun=lun]zfcp --devnum=devnum [--wwpn=wwpn --fcplun=lun]zfcp --devnum=devnum [--wwpn=wwpn --fcplun=lun]zfcp --devnum=devnum [--wwpn=wwpn --fcplun=lun]zfcp --devnum=devnum [--wwpn=wwpn --fcplun=lun]
- オプション
-
--devnum=
- デバイス番号 (zFCP アダプターデバイスバス ID)。 -
--wwpn=
- デバイスの WWPN (ワールドワイドポートネーム)。0x
で始まる 16 桁の番号になります。 -
--fcplun=
- デバイスの論理ユニット番号 (LUN)。0x
で始まる 16 桁の番号になります。
-
- 例
zfcp --devnum=0.0.4000 --wwpn=0x5005076300C213e9 --fcplun=0x5022000000000000 zfcp --devnum=0.0.4000
zfcp --devnum=0.0.4000 --wwpn=0x5005076300C213e9 --fcplun=0x5022000000000000
zfcp --devnum=0.0.4000