第13章 キックスタートインストールの開始
キックスタートインストールは、複数の方法で開始できます。
- ネットワークブート設定のブートオプションを編集して自動的に実行します。
- 特定の名前を持つボリュームにファイルを提供することで、自動的に実行します。
- ブートローダーメニューで inst.ks= カーネルコマンドラインオプションを指定することで、手動で実行します。
Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) を使用すると、RHEL を登録できます。CDN は地理的に分散された一連の Web サーバーです。これらのサーバーは、たとえば、有効なサブスクリプションを持つ RHEL ホストにパッケージや更新を提供します。
インストール中に、CDN から RHEL を登録してインストールすると、次のような利点があります。
- インストール後すぐに最新のシステムで最新のパッケージを利用できます。
- Red Hat Insights に接続し、システムの目的を有効にするための統合サポートを利用できます。
13.1. PXE または UEFI HTTP ブートを使用してキックスタートインストールを自動的に開始する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM システム、ならびに IBM Power Systems サーバーでは、PXE サーバーを使用して起動する機能があります。PXE サーバーまたは UEFI HTTP ブートの設定時に、ブートローダー設定ファイルに起動オプションを追加できます。これにより、インストールを自動的に開始できるようになります。このアプローチを使用することで、ブートプロセスを含めたインストールを完全に自動化できます。
この手順は一般的な参考資料として提供されています。詳細な手順はシステムのアーキテクチャーによって異なります。すべてのオプションが、すべてのアーキテクチャーで使用できるわけではありません (たとえば、64 ビットの IBM Z で PXE ブートを使用することはできません)。
前提条件
- インストールするシステムからアクセスできる場所に、キックスタートファイルがある。
- システムを起動してインストールを開始するために使用できる PXE サーバー、または UEFI HTTP ブート用に設定された HTTP サーバーがある。
手順
PXE サーバー上でブートローダー設定ファイルを開き、
inst.ks=
起動オプションを適切な行に追加します。ファイル名と構文は、システムのアーキテクチャーおよびハードウェアにより異なります。BIOS が搭載される AMD64 システムおよび Intel 64 システムのファイル名は、デフォルトまたはシステムの IP アドレスをベースにしたもののいずれかになります。この場合は、インストールエントリーの append 行に、
inst.ks=
オプションを追加します。設定ファイルの append 行は以下のようになります。append initrd=initrd.img inst.ks=http://192.168.124.2/kickstarts/ks.cfg
append initrd=initrd.img inst.ks=http://192.168.124.2/kickstarts/ks.cfg
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow GRUB2 ブートローダーを使用しているシステム (UEFI ファームウェアが搭載されている AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM システム、ならびに IBM Power Systems サーバー) のファイル名は
grub.cfg
になります。このファイルのインストールエントリーに含まれる kernel 行に、inst.ks=
オプションを追加します。設定ファイルの kernel 行の例を以下に示します。linuxefi /redhat/images/pxeboot/vmlinuz inst.ks=http://192.168.124.2/kickstarts/ks.cfg
linuxefi /redhat/images/pxeboot/vmlinuz inst.ks=http://192.168.124.2/kickstarts/ks.cfg
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UEFI HTTP ブートを使用して自動キックスタートインストールを設定する場合は、HTTP サーバーが提供するブートローダー設定ファイル (grub.cfg) を見つけて、ステップ 1.b と同様の方法で編集します。
linuxefi /redhat/images/pxeboot/vmlinuz inst.ks=http://192.168.124.2/kickstarts/ks.cfg
linuxefi /redhat/images/pxeboot/vmlinuz inst.ks=http://192.168.124.2/kickstarts/ks.cfg
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ネットワークサーバーからインストールを起動します。
これで、キックスタートファイルで指定されているインストールオプションを使用したインストールが開始します。キックスタートファイルに問題がなく、必要なコマンドがすべて含まれていれば、インストールは完全に自動で行われます。
注記UEFI セキュアブートが有効になっているシステムに、Red Hat Enterprise Linux ベータ版リリースをインストールした場合は、システムの Machine Owner Key (MOK) リストにベータ版の公開鍵を追加します。