19.6. IBM POWER9 でネストされた仮想マシンの作成
以下の手順に従って、IBM POWER9 ホストでネストされた仮想化を有効にして設定します。
IBM POWER9 は実際にはベアメタル L0
ホストを提供しません。代わりに、ユーザーシステムは、論理パーティション (LPAR) にセットアップされます。論理パーティションはすでに仮想化されたシステムであるため、しばしば L1
と呼ばれます。ただし、このガイドの他のアーキテクチャーとの整合性を高めるために、次の手順では IBM Z が L0 ホストを提供するものとします。
ネストされた仮想化の詳細は、ネストされた仮想化とは を参照してください。
ネストされた仮想化は現在、IBM POWER9 アーキテクチャーでのみ テクノロジープレビュー として提供されているため、サポート対象外となります。さらに、IBM POWER8 などの旧バージョンの IBM POWER システムでは、ネストされた仮想マシンを作成できません。
前提条件
- L0 RHEL 8 ホストは L1 仮想マシンを実行しています。L1 仮想マシンは、RHEL 8 をゲストオペレーティングシステムとして使用している。
L0 ホストでネストされた仮想化が有効になっている。
# cat /sys/module/kvm_hv/parameters/nested
- コマンドが 1 または Y を返すと、この機能は有効になっています。残りの前提条件の手順を省略し、手順セクションに進みます。
コマンドが 0 または N を返す場合は、以下の手順に従ってこの機能を有効にします。
- L0 ホストで実行中の仮想マシンをすべて停止します。
kvm
モジュールをアンロードします。# modprobe -r kvm_hv
ネスト機能をアクティブにします。
# modprobe kvm_hv nested=1
ネスト機能は有効になりましたが、L0 ホストの次回起動後は無効になります。永続的に有効にするには、以下の行を
/etc/modprobe.d/kvm.conf
ファイルに追加します。options kvm_hv nested=1
手順
L1 仮想マシンが L2 仮想マシンを作成できるようにするには、
cap-nested-hv
パラメーターを L1 仮想マシンのマシンタイプに追加します。これには、virsh edit
コマンドを使用して L1 仮想マシンの XML 設定を変更し、<features>
セクションに以下の行を追加します。<nested-hv state='on'/>
L1 仮想マシン内に L2 仮想マシンを作成します。これには、L1 仮想マシンの作成 時と同じ手順に従います。
Red Hat は、L2 仮想マシンの XML 設定にも cap-nested-hv パラメーターを追加して、L2 仮想マシンのパフォーマンスを大幅に向上させることを推奨します。手順については、前の手順を参照してください。
関連情報
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L2 VM のアーキテクチャーとしての
IBM POWER8 は
現在サポートされていないことに注意してください。