12.4. ストレージプールを作成するパラメーター
必要なストレージプールのタイプに基づいて、その XML 設定ファイルを変更し、特定のタイプのストレージプールを定義できます。このセクションは、さまざまなタイプのストレージプールを作成するために必要な XML パラメーターと、例を説明します。
12.4.1. ディレクトリーベースのストレージプールのパラメーター
XML 設定ファイルを使用してディレクトリーベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define
を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_dir
パラメーター
以下の表は、ディレクトリーベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
説明 | XML |
---|---|
ストレージプールの種類 |
|
ストレージプールの名前 |
|
ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
|
例
以下は、/guest_images
ディレクトリーに基づいたストレージプールの XML ファイルの例です。
<pool type='dir'> <name>dirpool</name> <target> <path>/guest_images</path> </target> </pool>
12.4.2. ディスクベースのストレージプールのパラメーター
XML 設定ファイルを使用してディスクベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define
を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_disk
パラメーター
以下の表は、ディスクベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
説明 | XML |
---|---|
ストレージプールの種類 |
|
ストレージプールの名前 |
|
ストレージデバイスを指定するパス。たとえば、 |
|
ターゲットデバイスを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
|
例
以下は、ディスクに基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。
<pool type='disk'> <name>phy_disk</name> <source> <device path='/dev/sdb'/> <format type='gpt'/> </source> <target> <path>/dev</path> </target> </pool>
12.4.3. ファイルシステムベースのストレージプールパラメーター
XML 設定ファイルを使用してファイルシステムベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define
を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_fs
パラメーター
次の表は、ファイルシステムベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
説明 | XML |
---|---|
ストレージプールの種類 |
|
ストレージプールの名前 |
|
パーミッションを指定するパス。たとえば、 |
|
ファイルシステムのタイプ (ext4 など)。 |
|
ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
|
例
以下は、/dev/sdc1
パーティションに基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。
<pool type='fs'> <name>guest_images_fs</name> <source> <device path='/dev/sdc1'/> <format type='auto'/> </source> <target> <path>/guest_images</path> </target> </pool>
12.4.4. GlusterFS ベースのストレージプールパラメーター
XML 設定ファイルを使用して GlusterFS ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define
を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_glusterfs
パラメーター
以下の表は、GlusterFS ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
説明 | XML |
---|---|
ストレージプールの種類 |
|
ストレージプールの名前 |
|
Gluster サーバーのホスト名または IP アドレス |
|
ストレージプールに使用される Gluster サーバーのパス。 |
|
例
以下は、111.222.111.222 の Gluster ファイルシステムに基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。
<pool type='gluster'> <name>Gluster_pool</name> <source> <host name='111.222.111.222'/> <dir path='/'/> <name>gluster-vol1</name> </source> </pool>
関連情報
- CLI で GlusterFS ベースのストレージプールの作成
12.4.5. iSCSI ベースのストレージプールパラメーター
XML 設定ファイルを使用して iSCSI ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define
を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_iscsi
パラメーター
以下の表は、iSCSI ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
説明 | XML |
---|---|
ストレージプールの種類 |
|
ストレージプールの名前 |
|
ホストの名前 |
|
iSCSI IQN |
|
ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
|
[オプション] iSCSI イニシエーターの IQN。これは、ACL が LUN を特定のイニシエーターに制限する場合に限り必要です。 |
|
iSCSI イニシエーターの IQN は、virsh find-storage-pool-sources-as iscsi
コマンドを使用して指定できます。
例
以下は、指定した iSCSI に基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。
<pool type='iscsi'> <name>iSCSI_pool</name> <source> <host name='server1.example.com'/> <device path='iqn.2010-05.com.example.server1:iscsirhel7guest'/> </source> <target> <path>/dev/disk/by-path</path> </target> </pool>
12.4.6. LVM ベースのストレージプールパラメーター
XML 設定ファイルを使用して LVM ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define
を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_logical
パラメーター
以下の表は、LVM ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
説明 | XML |
---|---|
ストレージプールの種類 |
|
ストレージプールの名前 |
|
ストレージプールのデバイスのパス |
|
ボリュームグループの名前 |
|
仮想グループの形式 |
|
ターゲットパス |
|
論理ボリュームグループが複数のディスクパーティションで構成されている場合は、複数のソースデバイスがリストされることがあります。以下に例を示します。
<source> <device path='/dev/sda1'/> <device path='/dev/sdb3'/> <device path='/dev/sdc2'/> ... </source>
例
以下は、指定した LVM に基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。
<pool type='logical'> <name>guest_images_lvm</name> <source> <device path='/dev/sdc'/> <name>libvirt_lvm</name> <format type='lvm2'/> </source> <target> <path>/dev/libvirt_lvm</path> </target> </pool>
12.4.7. NFS ベースのストレージプールパラメーター
XML 設定ファイルを使用して NFS ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define
を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_netfs
パラメーター
以下の表は、NFS ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。
説明 | XML |
---|---|
ストレージプールの種類 |
|
ストレージプールの名前 |
|
マウントポイントがあるネットワークサーバーのホスト名。これは、ホスト名または IP アドレスになります。 |
|
ストレージプールの形式 | 次のいずれかになります。
|
ネットワークサーバーで使用されるディレクトリー |
|
ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
|
例
以下は、NFS サーバー file_server
の /home/net_mount
ディレクトリーでのストレージプールの XML ファイルの例です。
<pool type='netfs'> <name>nfspool</name> <source> <host name='file_server'/> <format type='nfs'/> <dir path='/home/net_mount'/> </source> <target> <path>/var/lib/libvirt/images/nfspool</path> </target> </pool>
12.4.8. vHBA デバイスを使用した SCSI ベースのストレージプールのパラメーター
仮想ホストアダプターバス (vHBA) デバイスを使用する SCSi ベースのストレージプール用の XML 設定ファイルを作成または変更する場合は、XML 設定ファイルに必要な特定のパラメーターを含める必要があります。必要なパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。
virsh pool-define
を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。
# virsh pool-define ~/guest_images.xml
Pool defined from guest_images_vhba
パラメーター
次の表は、vHBA を使用した SCSI ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストを示しています。
説明 | XML |
---|---|
ストレージプールの種類 |
|
ストレージプールの名前 |
|
vHBA の識別子。 |
|
ターゲットパス。ストレージプールに使用されるパスになります。 |
|
<path>
フィールドが /dev/
の場合、libvirt
は、ボリュームデバイスパスで一意の短いデバイスパスを生成します。たとえば、/dev/sdc
です。それ以外の場合は、物理ホストパスが使用されます。たとえば、/dev/disk/by-path/pci-0000:10:00.0-fc-0x5006016044602198-lun-0
などです。一意の短いデバイスパスを使用すると、複数のストレージプールで、同じボリュームを複数の仮想マシン (VM) にリスト表示できます。物理ホストのパスを複数の仮想マシンで使用すると、デバイスタイプが重複していることを示す警告が発生することがあります。
parent
属性は、パスを変更して NPIV LUN の使用元となる物理 HBA の親を識別する <adapter>
フィールドで使用できます。scsi_hostN
フィールドは、vports
属性および max_vports
属性と合わせて、親 ID を作成します。parent
、parent_wwnn
、parent_wwpn
、または parent_fabric_wwn
の属性は、ホストの再起動後に同じ HBA が使用されることを保証するさまざまなレベルを提供します。
-
親
を指定しないと、libvirt
は、NPIV に対応する最初のscsi_hostN
アダプターを使用します。 -
親
のみを指定し、設定に SCSI ホストアダプターを追加すると、問題が発生する可能性があります。 -
parent_wwnn
またはparent_wwpn
を指定すると、ホストの再起動後に同じ HBA が使用されます。 -
ホストの再起動後、
parent_fabric_wwn
を使用すると、scsi_hostN
が使用されたかどうかにかかわらず、同じファブリックの HBA が選択されます。
例
以下は、vHBA を使用する SCSI ベースのストレージプールの XML ファイルの例です。
HBA にある唯一のストレージプール
<pool type='scsi'> <name>vhbapool_host3</name> <source> <adapter type='fc_host' wwnn='5001a4a93526d0a1' wwpn='5001a4ace3ee047d'/> </source> <target> <path>/dev/disk/by-path</path> </target> </pool>
parent
属性を使用して SCSI ホストデバイスを識別し、vHBA を 1 つ使用する複数のストレージプールの 1 つ。<pool type='scsi'> <name>vhbapool_host3</name> <source> <adapter type='fc_host' parent='scsi_host3' wwnn='5001a4a93526d0a1' wwpn='5001a4ace3ee047d'/> </source> <target> <path>/dev/disk/by-path</path> </target> </pool>