4.12. 高可用性およびクラスター
Red Hat OpenStack Platform で高可用性がサポートされました
Red Hat OpenStack Platform で高可用性クラスターを設定できるようになりました。この機能をサポートするために、Red Hat は次の新しいクラスターエージェントを提供します。
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fence_openstack
: OpenStack 上の HA クラスターのフェンスエージェント -
openstack-info
: OpenStack 上の HA クラスターに必要なopenstack-info
クローンリソースを設定するためのリソースエージェント -
openstack-virtual-ip
: 仮想 IP アドレスリソースを設定するリソースエージェント -
openstack-floating-ip
: フローティング IP アドレスリソースを設定するリソースエージェント -
openstack-cinder-volume
: ブロックストレージリソースを設定するリソースエージェント
pcs
は、システムの再起動を必要としないマルチパス SCSI デバイス更新をサポートします
pcs stonith update-scsi-devices
コマンドを使用して、マルチパス SCSI デバイスを更新できるようになりました。このコマンドは、同じノードで実行されている他のクラスターリソースを再起動することなく、SCSI デバイスを更新します。
クラスター UUID をサポートします
クラスターのセットアップ中に、pcs
コマンドがすべてのクラスターの UUID を生成するようになりました。クラスター名は一意のクラスター識別子ではないため、複数のクラスターを管理する場合に、クラスター UUID を使用して同じ名前のクラスターを識別できます。
pcs cluster config [show]
コマンドを使用して、現在のクラスター UUID を表示できます。pcs cluster config uuid generate
コマンドを使用して、UUID を既存のクラスターに追加するか、すでに UUID が存在する場合は再生成できます。
設定済みリソースを再作成する pcs
コマンドを表示する新しい pcs resource config
コマンドオプションが追加されました
pcs resource config
コマンドで、--output-format=cmd
オプションが使用可能になりました。このオプションを指定すると、別のシステムで設定済みリソースを再作成するために使用できる pcs
コマンドが表示されます。
設定済みフェンスデバイスを再作成する pcs
コマンドを表示する新しい pcs stonith config
コマンドオプションが追加されました
pcs stonith config
コマンドで、--output-format=cmd
オプションが使用可能になりました。このオプションを指定すると、別のシステムで設定済みのフェンスデバイスを再作成するために使用できる pcs
コマンドが表示されます。
Pacemaker がバージョン 2.1.4 にリベースされました
Pacemaker パッケージは、Pacemaker 2.1.4 のアップストリームバージョンにアップグレードされました。主な変更点は、以下のとおりです。
-
multiple-active
リソースパラメーターは、stop_unexpected
の値を受け入れるようになりました。multiple-active
リソースパラメーターは、リソースが複数のノードでアクティブになっていてはならない時にアクティブになっている場合のリカバリー動作を決定します。デフォルトでは、リソースが本来あるべき場所で正常に実行されている場合でも、この状況ではリソースを完全に再起動する必要があります。このパラメーターのstop_unexpected
の値は、マルチアクティブリソースの予期しないインスタンスのみが停止されるように指定します。ユーザーは、サービスとそのリソースエージェントが、完全に再起動しなくても追加のアクティブインスタンスで機能することを確認する必要があります。 -
Pacemaker は、
allow-unhealthy-node
リソースメタ属性をサポートするようになりました。このメタ属性がtrue
に設定されている場合、ノードの正常性が低下したことでリソースがノードから強制的に切り離されることはありません。正常性リソースにこの属性が設定されている場合、クラスターはノードの正常性が回復したかどうかを自動的に検出し、リソースをノードに戻すことができます。 -
ユーザーは、
pcs acl group
コマンドを使用して、システムグループのアクセス制御リスト (ACLS) を指定できるようになりました。これまで Pacemaker では個々のユーザーに ACL を指定できましたが、ローカルポリシーを使用してシステムグループに ACL を指定し、そのグループ内のすべてのユーザーに適用する方が簡単で適している場合があります。以前のリリースにもこのコマンドはありましたが、効果はありませんでした。
クラスターパッケージで Samba が自動的にインストールされなくなりました
このリリース以降、RHEL High Availability Add-On のパッケージをインストールしても、Samba パッケージは自動的にインストールされなくなりました。そのため、Samba パッケージを削除しても HA パッケージが自動的に削除されません。クラスターで Samba リソースを使用している場合は、手動でインストールする必要があります。
(BZ#1826455)