4.5. シェルおよびコマンドラインツール
Cronie に、選択した範囲内での時間のランダム化に対するサポートが追加されました
Cronie ユーティリティーは、cronjob の実行で ~ (範囲内でのランダム化) Operator をサポートするようになりました。その結果、選択した範囲内のランダムな時間に cronjob を開始できます。
ReaR は、リカバリー前後にコマンドを実行する新しい変数を追加します
この機能強化により、ReaR にはリカバリー前後に実行されるコマンドの自動化を容易にする 2 つの新しい変数が導入されます。
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PRE_RECOVERY_COMMANDSではコマンド配列を使用できます。これらのコマンドは、リカバリー開始前に実行されます。 -
POST_RECOVERY_COMMANDSではコマンド配列を使用できます。これらのコマンドは、リカバリー完了後に実行されます。
これらの変数は、PRE_RECOVERY_SCRIPT および POST_RECOVERY_SCRIPT に代わるものですが、次の違いがあります。
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以前の
PRE_RECOVERY_SCRIPTおよびPOST_RECOVERY_SCRIPT変数では、単一のシェルコマンドを使用できます。これらの変数に複数のコマンドを渡すには、コマンドをセミコロンで区切る必要があります。 -
新しい
PRE_RECOVERY_COMMANDSおよびPOST_RECOVERY_COMMANDS変数ではコマンド配列が使用でき、配列の各要素が個別のコマンドとして実行されます。
その結果、リカバリー前後にレスキューシステムで実行する複数のコマンドを提供することが容易になり、エラーが発生しにくくなりました。
詳細は、default.conf ファイルを参照してください。
新しいパッケージ: xmlstarlet
XMLStarlet は、XML ファイルの解析、変換、クエリー、検証、および編集を行うための一連のコマンドラインユーティリティーです。新しい xmlstarlet パッケージは、grep、sed、awk、diff、patch、join などのプレーンテキストファイルに対して UNIX コマンドを使用する場合と同様の方法で使用できる、シェルコマンドの単純なセットを提供します。
(BZ#2069689)
opencryptoki がバージョン 3.18.0 にリベースされました
Public-Key Cryptography Standard (PKCS) #11 の実装である opencryptoki パッケージがバージョン 3.18.0 に更新されました。以下は、主な改善点です。
- デフォルトは連邦情報処理標準 (FIPS) 準拠のトークンデータ形式 (tokversion = 3.12) です。
- グローバルポリシーでメカニズムとキーの使用を制限するためのサポートが追加されました。
- メカニズム使用状況の統計カウントのサポートが追加されました。
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ICA/EP11トークンがlibicaライブラリーバージョン 4 をサポートするようになりました。 -
p11sakツールを使用すると、公開鍵と秘密鍵に異なる属性を設定できます。 -
C_GetMechanismListは、EP11 トークンでCKR_BUFFER_TOO_SMALLを返しません。
openCryptoki は、2 つの異なるトークンデータ形式をサポートしています。
- FIPS で承認されていないアルゴリズム (DES や SHA1 など) を使用する以前のデータ形式
- FIPS で承認されたアルゴリズムのみを使用する新しいデータ形式
FIPS プロバイダーは FIPS で承認されたアルゴリズムのみ使用を許可しているため、古いデータ形式は機能しなくなりました。
openCryptoki を RHEL 9 で機能させるには、システムで FIPS モードを有効にする前に、トークンを移行して新しいデータ形式を使用します。openCryptoki 3.17 では以前のデータ形式がデフォルトのままであるため、これが必要です。システムが FIPS 対応に変更されると、以前びトークンデータ形式を使用する既存の openCryptoki インストールは機能しなくなります。
openCryptoki で提供される pkcstok_migrate ユーティリティーを使用して、トークンを新しいデータ形式に移行できます。移行中は、pkcstok_migrate は FIPS で承認されていないアルゴリズムを使用することに注意してください。したがって、システムで FIPS モードを有効にする前に、このツールを使用します。詳細は、Migrating to FIPS compliance - pkcstok_migrate utility を参照してください。
(BZ#2044179)
powerpc-utils がバージョン 1.3.10 にリベースされました
PowerPC プラットフォーム用のさまざまなユーティリティーを提供する powerpc-utils パッケージがバージョン 1.3.10 に更新されました。以下は、主な改善点です。
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ppc64_cpuツールのエネルギーと周波数に関する Power Architecture Platform Reference (PAPR) 情報を解析する機能が追加されました。 -
最大設定システムで
lparstat -Eコマンドが失敗した場合に、拡張エラーメッセージを表示するようにlparstatユーティリティーを改善しました。lparstatコマンドは、論理パーティション関連の情報を報告します。 -
報告された
lparstatコマンドにおけるレガシー形式のオンラインメモリーが修正されました。 -
NX GZIP アクセラレータのサービス品質クレジット (QoS) を動的に変更する
accコマンドのサポートが追加されました。 -
printf()およびsprintf()呼び出しの書式指定子が改善されました。 HMC ツールをハイブリッド仮想ネットワークに提供する
hcnmgrユーティリティーには、以下の機能拡張が含まれます。-
ハイブリッドネットワーク仮想化
HNV FEATUREリストにwicked機能が追加されました。hcnmgrユーティリティーは、wicked ハイブリッドネットワーク仮想化 (HNV) をサポートし、ボンディングにwicked関数を使用します。 -
hcnmgrは、後のクリーンアップのためにhcnid状態を維持します。 -
hcnmgrは、NetworkManager (NM)nmcliコードを除外します。 -
NM HNV
primary slave設定が修正されました。 -
hcnmgrは、仮想ネットワークインターフェイスコントローラー (vNIC) をバックアップデバイスとしてサポートします。
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ハイブリッドネットワーク仮想化
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bootlistの無効な 16 進数のシステムメッセージを修正しました。 -
-lフラグが、bootlistコマンドの-pデリミタ値としてkpartxユーティリティーに含まれました。 -
IO スロットを一覧表示する際のメモリーリークを防ぐために、
sslotユーティリティーが修正されました。 -
lsslotユーティリティーに、最新の PCIe (Peripheral Component Interconnect Express) スロットタイプの DRC タイプ記述文字列が追加されました。 -
errinjctツールの RTAS への無効な設定アドレスが修正されました。 -
ofpathnameユーティリティーで、non-volatile memory over fabrics (NVMf) デバイスのサポートが追加されました。このユーティリティーは、論理デバイス名からオープンファームウェアデバイスパス、およびその逆に変換するメカニズムを提供します。 -
ofpathnameユーティリティーの非対称名前空間アクセス (ANA) モードでの不揮発性メモリー (NVMe) に対するサポートが修正されました。 -
設定ファイルとして
smt.stateファイルをインストールしました。
(BZ#1920964)
Redfish モジュールが redhat.rhel_mgmt Ansible コレクションに含まれるようになりました。
redhat.rhel_mgmt Ansible コレクションには、次のモジュールが含まれるようになりました。
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redfish_info -
redfish_command -
redfish_config
これによりユーザーは、Redfish モジュールを使用してサーバーのヘルスステータスの取得、ハードウェアとファームウェアのインベントリーに関する情報の取得、電源管理、BIOS 設定の変更、帯域外 (OOB) コントローラーの設定、ハードウェア RAID の設定、ファームウェアの更新を実行し、自動化管理の恩恵を受けることができます。
libvpd がバージョン 2.2.9 にリベースされました
Vital Product Data (VPD) にアクセスするためのクラスを含む libvpd パッケージがバージョン 2.2.9 に更新されました。以下は、主な改善点です。
- データベースのロックを修正
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libtoolユーティリティーのバージョン情報を更新
(BZ#2051288)
lsvpd がバージョン 1.7.14 にリベースされました
ハードウェアインベントリーシステムを設定するためのコマンドを提供する lsvpd パッケージがバージョン 1.7.14 に更新されました。今回の更新により、lsvpd ユーティリティーは、vpdupdate コマンドの実行時にデータベースファイルが破損するのを防ぎます。
(BZ#2051289)
ppc64-diag がバージョン 2.7.8 にリベースされました
プラットフォーム診断用の ppc64-diag パッケージがバージョン 2.7.8 に更新されました。以下は、主な改善点です。
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libvpdユーティリティーバージョン 2.2.9 以降を使用するようにビルド依存関係を更新 -
サポート対象外のプラットフォームでの
extract_opal_dumpエラーメッセージを修正 -
GCC-8.5およびGCC-11コンパイラーでのビルド警告を修正
(BZ#2051286)
sysctl に、systemd-sysctl と同じ引数構文が導入されました
ランタイムでカーネルパラメーターを変更するために使用できる procps-ng パッケージの sysctl ユーティリティーは、systemd-sysctl ユーティリティーと同じ引数構文を使用するようになりました。今回の更新により、sysctl は設定行にハイフン (-) またはグロブ (*) を含む設定ファイルを解析するようになりました。systemd-sysctl 構文の詳細は、sysctl.d(5) man ページを参照してください。
更新された systemd-udevd が、InfiniBand インターフェイスに一貫性のあるネットワークデバイス名を割り当てる
RHEL 9 で導入された systemd パッケージの新しいバージョンには、更新された systemd-udevd デバイスマネージャーが含まれています。デバイスマネージャーは、InfiniBand インターフェイスのデフォルト名を、systemd-udevd が選択した一貫性のある名前に変更します。
Renaming IPoIB devices の手順に従って、InfiniBand インターフェイスの名前にカスタム命名ルールを定義できます。
命名スキームの詳細は、systemd.net-naming-scheme(7) の man ページを参照してください。