第10章 アクティベーションキーの管理
アクティベーションキーは、システム登録とサブスクリプションのアタッチを自動化する方法を提供します。複数のキーを作成して、異なる環境とコンテンツビューに関連付けることができます。たとえば、Red Hat Enterprise Linux ワークステーション用のサブスクリプションで基本のアクティベーションキーを作成し、これを特定の環境のコンテンツビューに関連付けることができます。
コンテンツホストの登録時にアクティベーションキーを使用して、プロセスにかかる時間を短縮するだけでなく、プロセスの簡潔性や一貫性を向上します。アクティベーションキーは、ホストが登録されている場合にのみ使用できます。アクティベーションキーに変更が加えられた場合には、それ以降、改訂されたアクティベーションキーで登録されるホストにだけ変更が適用されます。これらの変更は、既存のホストには加えられません。
アクティベーションキーを使用して、コンテンツホストの次のプロパティーを定義できます。
- 関連付けられるサブスクリプションおよびサブスクリプションのアタッチ動作
- 利用可能な製品およびリポジトリー
- ライフサイクル環境およびコンテンツビュー
- ホストコレクションのメンバーシップ
- システムの目的
ホストの作成と登録の間のコンテンツビューの競合
Satellite は、ホストのプロビジョニング時に、プロビジョニングテンプレートと、ホストグループまたはホスト設定で設定したコンテンツホストビューからの他のコンテンツを使用します。ホストの登録時に、アクティベーションキーからのコンテンツビューが、ホストグループまたはホスト設定からの元のコンテンツビューを上書きします。次に、Satellite は、ホストの再ビルドなど、今後の全タスクにアクティベーションキーからのコンテンツビューを使用します。
ホストの再構築時に、使用するコンテンツビューを、ホストグループやホスト設定ではなく、アクティベーションキーで設定するようにします。
複数のコンテンツホストでの同じアクティベーションキーの使用
サブスクリプションが十分にある場合には、同じアクティベーションキーを複数のコンテンツホストに適用できます。ただし、アクティベーションキーはコンテンツホストの初期設定のみを行います。コンテンツホストを組織に登録した後は、組織のコンテンツをコンテンツホストに手動でアタッチできます。
コンテンツホストでの複数のアクティベーションキーの使用
コンテンツホストは、複数のアクティベーションキーを関連付けることで、組み合わせてホストを設定できます。設定の競合が発生した場合には、最後に指定したアクティベーションキーが優先されます。以下のようにホストグループのパラメーターを設定して優先順位を指定できます。
$ hammer hostgroup set-parameter \ --hostgroup "My_Host_Group" \ --name "My_Activation_Key" \ --value "name_of_first_key", "name_of_second_key", ...
10.1. アクティベーションキーの作成
アクティベーションキーを使用して、登録時にホストにアタッチするサブスクリプションの特定のセットを定義できます。アクティベーションキーに追加するサブスクリプションは、関連するコンテンツビュー内で利用可能である必要があります。
サブスクリプションマネージャーは、以下の要因に応じたさまざまな方法で、サブスクリプションをアタッチします。
- サブスクリプションがアクティべーションキーに関連付けられているか ?
- 自動アタッチオプションは有効になっているか ?
- Red Hat Enterprise Linux 8 ホストの場合: アクティベーションキーにシステムの目的が設定されていますか ?
Satellite は、ホストにインストールされている製品に対してのみサブスクリプションを自動的にアタッチします。拡張更新サポート (EUS) など、デフォルトで Red Hat Enterprise Linux にインストールされていない製品が記載されていないサブスクリプションについては、必要なサブスクリプションを指定したアクティベーションを使用し、自動アタッチを無効にします。
上記の要因をもとに、アクティベーションキーを使用してサブスクライブするシナリオを 3 つ想定できます。
サブスクリプションを自動的にアタッチするアクティベーションキー。
サブスクリプションの指定なしで、自動アタッチが有効な場合に、アクティベーションキーを使用するホストは、アクティベーションキーと関連するコンテンツビューが提供する最適なサブスクリプションを検索します。これは、
subscription-manager --auto-attach
コマンドを実行する場合と類似しています。Red Hat Enterprise Linux 8 ホストの場合、アクティベーションキーを設定し、登録時にシステムの目的をホストに設定して、サブスクリプションの自動アタッチメントを強化できます。自動アタッチ用にカスタムのサブスクリプションを指定するアクティベーションキー。
サブスクリプションが指定されていて、自動アタッチが有効な場合に、アクティベーションキーを使用するホストは、アクティベーションキーで指定されたリストから最適なサブスクリプションを選択します。アクティベーションキーにシステムの目的を設定しても、このシナリオには影響しません。
サブスクリプションセットが指定されたアクティベーションキー。
サブスクリプションが指定されていて、自動アタッチが無効な場合、アクティべーションキーを使用するホストは、アクティベーションキーに指定されたすべてのサブスクリプションに関連付けられます。アクティベーションキーにシステムの目的を設定しても、このシナリオには影響しません。
カスタム製品
カスタム製品 (通常は Red Hat が提供しないコンテンツを含む製品) がアクティベーションキーに割り当てられている場合には、この製品は、自動アタッチの設定の有無にかかわらず、登録されたコンテンツホストに対して常に有効になります。
Satellite Web UI の代わりに CLI を使用する場合は、CLI 手順 を参照してください。
手順
- Satellite Web UI で Content > Activation keys に移動して、Create Activation Key をクリックします。
- Name フィールドに、アクティベーションキーの名前を入力します。
- 制限を設定する場合は、Unlimited hosts のチェックボックスをオフにし、Limit フィールドに、アクティベーションキーで登録できるシステムの最大数を入力します。アクティベーションキーを使用して登録するホストに制限を設けない場合は、Unlimited Hosts チェックボックスが選択されていることを確認します。
- オプション: Description フィールドに、アクティベーションキーの説明を入力します。
- 環境 一覧から、使用する環境を選択します。
-
Content View リストから、使用するコンテンツビューを選択します。
リモート実行
の代わりに非推奨のKatello Agent
を使用する場合は、コンテンツビューに Satellite Client 6 リポジトリーを追加する必要があります (katello-agent
パッケージが含まれるため)。 Simple Content Access (SCA) が有効な場合:
- リポジトリーセット タブで、指定したリポジトリーのみが有効になっていることを確認します。
SCA が有効になっていない場合は、以下のようになります。
- サブスクリプション タブをクリックしてから、追加 サブメニューをクリックします。
- 事前に作成したサブスクリプションのチェックボックスをクリックします。
- Add Selected をクリックします。
- Save をクリックします。
- オプション: Red Hat Enterprise Linux 8 ホストの場合、システム目的 セクションで、システム目的でアクティベーションキーを設定し、登録時にホストに設定して、サブスクリプションの自動アタッチメントを強化できます。
CLI 手順
アクティベーションキーを作成します。
# hammer activation-key create \ --name "My_Activation_Key" \ --unlimited-hosts \ --description "Example Stack in the Development Environment" \ --lifecycle-environment "Development" \ --content-view "Stack" \ --organization "My_Organization"
オプション: Red Hat Enterprise Linux 8 ホストの場合、以下のコマンドを入力して、システムの目的でアクティベーションキーを設定し、登録時にホストに設定してサブスクリプションの自動アタッチメントを強化します。
# hammer activation-key update \ --organization "My_Organization" \ --name "My_Activation_Key" \ --service-level "Standard" \ --purpose-usage "Development/Test" \ --purpose-role "Red Hat Enterprise Linux Server" \ --purpose-addons "addons"
サブスクリプション ID リストを取得します。
# hammer subscription list --organization "My_Organization"
Red Hat Enterprise Linux サブスクリプション UUID をアクティベーションキーにアタッチします。
# hammer activation-key add-subscription \ --name "My_Activation_Key" \ --subscription-id My_Subscription_ID \ --organization "My_Organization"
アクティベーションキーに関連付けられている製品コンテンツをリスト表示します。
Simple Content Access (SCA) が有効な場合:
# hammer activation-key product-content \ --content-access-mode-all true \ --name "My_Activation_Key" \ --organization "My_Organization"
SCA が有効になっていない場合は、以下のようになります。
# hammer activation-key product-content \ --name "My_Activation_Key" \ --organization "My_Organization"
Satellite Client 6 リポジトリーのデフォルトの自動有効化ステータスをオーバーライドします。デフォルトのステータスは無効に設定されています。有効にするには、以下のコマンドを実行します。
# hammer activation-key content-override \ --name "My_Activation_Key" \ --content-label rhel-7-server-satellite-client-6-rpms \ --value 1 \ --organization "My_Organization"