第7章 Red Hat High Availability の手動での設定
本章では、クラスター設定ファイル (
/etc/cluster/cluster.conf
) を直接編集してコマンドラインツールを使用することにより Red Hat High Availability アドオンを設定する方法を説明しています。本章は、まず提供されるサンプルのファイルから一度に 1 セクションずつ設定ファイルを構築する手順を紹介します。提供されているサンプルファイルから始める方法以外に、cluster.conf
の man ページからスケルトンの設定ファイルをコピーすることもできます。しかし、それを行った場合、本章で後ほど示される手順の情報と必ずしも合うとは限りません。クラスター設定ファイルを作成して設定する方法は他にもありますが、本章では、一度に 1 セクションずつ設定ファイルを構築する手順を提供します。また、この手順はあくまで使用しているクラスタリングニーズに適合するための設定ファイルを開発する出発点であることも注意してください。
本章は以下のセクションで構成されます。
重要
High Availability アドオンの導入がご使用のニーズに適合していて、サポート可能であることを確認してください。導入する前に、Red Hat 認定担当者に連絡して、設定を検証してください。さらに、設定のバーンイン期間を設けて障害モードのテストを実施してください。
重要
本章では、一般に使用されている
cluster.conf
の要素と属性を参照します。cluster.conf
の要素と属性の総括的な一覧と説明は、/usr/share/cluster/cluster.rng
にあるクラスタースキーマと /usr/share/doc/cman-X.Y.ZZ/cluster_conf.html
(例えば、/usr/share/doc/cman-3.0.12/cluster_conf.html
) にある注釈付きスキーマを参照してください。
重要
本章にある一部の手順では、クラスター設定をクラスター全域に伝播するために
cman_tool version -r
コマンドを使用する必要があります。このコマンドを使用するには、ricci
が稼働していなければなりません。ricci を使用する場合は、いずれかのマシンから ricci とやりとりをする初回時にパスワードが必要となります。ricci
サービスについての詳細情報は、「ricci
の注意事項」 を参照してください。
注記
本章にある手順には 付録E コマンドラインツールの要約 に一覧表示されているコマンドラインツールの特定のコマンドが含まれている場合があります。全てのコマンドと変数についての詳細は、各コマンドラインツール用の man ページを参照してください。
7.1. 設定のタスク
コマンドラインツールを使用した Red Hat High Availability アドオンソフトウェアを設定する方法は、以下の手順で行います:
- クラスターを作成。「基本的なクラスター設定ファイルの作成」 を参照してください。
- フェンシングを設定。「フェンシングの設定」 を参照してください。
- フェイルオーバードメインを設定。「フェイルオーバードメインの設定」 を参照してください。
- HA サービスを設定。「HA サービスの設定」 を参照してください。
- 設定を確認。「設定の確認」 を参照してください。