第5章 リリースイメージ
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes を使用してプロバイダーでクラスターを作成する場合は、新規クラスターに使用するリリースイメージを指定する必要があります。リリースイメージでは、クラスターのビルドに使用する Red Hat OpenShift Container Platform のバージョンを指定します。
acm-hive-openshift-releases
GitHub リポジトリーの yaml
ファイルを使用して、リリースイメージを参照します。Red Hat Advanced Cluster Management はこれらのファイルを使用して、コンソールで利用可能なリリースイメージの一覧を作成します。これには、OpenShift Container Platform における最新の fast チャネルイメージが含まれます。コンソールには、OpenShift Container Platform の 3 つの最新バージョンの最新リリースイメージのみが表示されます。たとえば、コンソールオプションに以下のリリースイメージが表示される可能性があります。
- quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.6.23-x86_64
- quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.7.4-x86_64
- quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.8.0-x86_64
追加のリリースイメージは保管されますが、コンソールには表示されません。利用可能なすべてのリリースイメージを表示するには、CLI で kubectl get clusterimageset
を実行します。最新のリリースイメージでクラスターを作成することが推奨されるため、コンソールには最新バージョンのみがあります。特定バージョンのクラスターを作成する必要がある場合があります。そのため、古いバージョンが利用可能となっています。Red Hat Advanced Cluster Management はこれらのファイルを使用して、コンソールで利用可能なリリースイメージの一覧を作成します。これには、OpenShift Container Platform における最新の fast チャネルイメージが含まれます。リポジトリーには、clusterImageSets
ディレクトリーと subscription
ディレクトリーが含まれます。これらのディレクトリーは、リリースイメージの操作時に使用します。
リポジトリーには、clusterImageSets
ディレクトリーと subscription
ディレクトリーが含まれます。これらのディレクトリーは、リリースイメージの操作時に使用します。
clusterImageSets
ディレクトリーには以下のディレクトリーが含まれます。
- Fast: サポート対象の各 OpenShift Container Platform バージョンのリリースイメージの内、最新バージョンを参照するファイルが含まれます。このフォルダー内のリリースイメージはテストされ、検証されており、サポートされます。
- Releases - 各 OpenShift Container Platform バージョン (stable、fast、および candidate チャネル) のリリースイメージをすべて参照するファイルが含まれます。注記: このリリースはすべてテストされ、安定していると判別されているわけではありません。
- Stable: サポート対象の各 OpenShift Container Platform バージョンのリリースイメージの内、最新の安定版 2 つを参照するファイルが含まれます。このフォルダー内のリリースイメージはテストされ、検証されており、サポートされます。
独自の ClusterImageSets
は以下の 3 つの方法でキュレートできます。
この 3 つの方法で最初のステップは、最新の fast チャネルイメージの自動更新を実行するのに含まれるサブスクリプションを無効にすることです。最新の fast の ClusterImageSets
の自動キュレーションを無効にするには、multiclusterhub リソースでインストーラーパラメーターを使用します。spec.disableUpdateClusterImageSets
パラメーターを true
と false
の間で切り替えることにより、Red Hat Advanced Cluster Management でインストールしたサブスクリプションが、それぞれ無効または有効になります。独自のイメージをキューレートする場合は、spec.disableUpdateClusterImageSets
を true
に設定してサブスクリプションを無効にします。
オプション 1: クラスターの作成時にコンソールで使用する特定の ClusterImageSet
のイメージ参照を指定します。指定する新規エントリーはそれぞれ保持され、将来のすべてのクラスタープロビジョニングで利用できます。たとえば、エントリーは quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.6.8-x86_64
のようになります。
オプション 2: GitHub リポジトリー acm-hive-openshift-releases
から YAML ファイル ClusterImageSets
を手動で作成し、適用します。
オプション 3: GitHub リポジトリー acm-hive-openshift-releases
の README.md
に従って、フォークした GitHub リポジトリーから ClusterImageSets
の自動更新を有効にします。
subscription
ディレクトリーには、リリースイメージの一覧がプルされる場所を指定するファイルが含まれます。Red Hat Advanced Cluster Management のデフォルトのリリースイメージは、Quay.io デフォルトで提供されます。イメージは、バージョン 2.3 の acm-hive-openshift-releases GitHub repository のファイルで参照されます。
5.1. 利用可能なリリースイメージの同期
リリースイメージは頻繁に更新されるため、リリースイメージの一覧を同期して、利用可能な最新バージョンを選択できるようにする必要があります。リリースイメージは、バージョン 2.3 の acm-hive-openshift-releases GitHub リポジトリーにあります。
リリースイメージの安定性には、以下の 3 つのレベルがあります。
カテゴリー | 説明 |
stable | 完全にテストされたイメージで、クラスターを正常にインストールしてビルドできることが確認されています。 |
fast | 部分的にテスト済みですが、stable バージョンよりも安定性が低い可能性があります。 |
candidate | テストはしていませんが、最新のイメージです。バグがある可能性もあります。 |
一覧を更新するには、以下の手順を実行します。
インストーラーが管理する
acm-hive-openshift-releases
サブスクリプションが有効になっている場合は、disableUpdateClusterImageSets
の値をtrue
に設定してサブスクリプションを無効にします。以下のコマンドのようなコマンドを入力して、サブスクリプションを削除できます。oc delete -f subscription/subscription-stable
- バージョン 2.3 用の acm-hive-openshift-releases GitHub リポジトリーのクローンを作成します。
以下のコマンドを入力して、stable リリースイメージに接続し、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes のハブクラスターに同期します。
make subscribe-stable
注記: この
make
コマンドは、Linux または MacOS のオペレーティングシステムを使用している場合のみ実行できます。約 1 分後に、
安定
版のリリースイメージの最新の一覧が利用可能になります。Fast リリースイメージを同期して表示するには、以下のコマンドを実行します。
make subscribe-fast
注記: この
make
コマンドは、Linux または MacOS のオペレーティングシステムを使用している場合のみ実行できます。このコマンド実行の約 1 分後に、利用可能な
stable
とfast
のリリースイメージの一覧が、現在利用可能なイメージに更新されます。candidate
リリースイメージを同期して表示するには、以下のコマンドを実行します。make subscribe-candidate
注記: この
make
コマンドは、Linux または MacOS のオペレーティングシステムを使用している場合のみ実行できます。このコマンド実行の約 1 分後に、利用可能な
stable
、fast
、およびcandidate
のリリースイメージの一覧が、現在利用可能なイメージに更新されます。
- クラスターの作成時に、Red Hat Advanced Cluster Management コンソールで現在利用可能なリリースイメージの一覧を表示します。
以下の形式でコマンドを入力して、これらのチャネルのサブスクライブを解除して更新の表示を停止することができます。
oc delete -f subscription/subscription-stable
5.1.1. 接続時におけるリリースイメージのカスタム一覧の管理
すべてのクラスターに同じリリースイメージが使用されるようにします。クラスターの作成時に利用可能なリリースイメージのカスタム一覧を作成し、作業を簡素化します。利用可能なリリースイメージを管理するには、以下の手順を実行します。
-
インストーラーが管理する
acm-hive-openshift-releases
サブスクリプションが有効になっている場合は、disableUpdateClusterImageSets
の値をtrue
に設定して無効にします。 - バージョン 2.3 用の acm-hive-openshift-releases GitHub リポジトリー をフォークします。
./subscribe/channel.yaml
ファイルを更新して、stolostron
ではなく、フォークしたリポジトリーの GitHub 名にアクセスするようにspec: pathname
を変更します。この手順では、ハブクラスターによるリリースイメージの取得先を指定します。更新後の内容は以下の例のようになります。spec: type: GitHub pathname: https://github.com/<forked_content>/acm-hive-openshift-releases.git
forked_content
はフォークしたリポジトリーのへのパスに置き換えます。- Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes を使用してクラスターを作成する時に利用できるようにイメージの YAML ファイルを ./clusterImageSets/stable/ または ./clusterImageSets/fast/* ディレクトリーに追加します。*ヒント: フォークしたリポジトリーに変更をマージすることで、利用可能な YAML ファイルはメインのリポジトリーから取得できます。
- フォークしたリポジトリーに変更をコミットし、マージします。
acm-hive-openshift-releases
リポジトリーをクローンした後に stable リリースイメージの一覧を同期するには、以下のコマンドを入力して stable イメージを更新します。make subscribe-stable
注記: この
make
コマンドは、Linux または MacOS のオペレーティングシステムを使用している場合のみ実行できます。このコマンドを実行後に、利用可能な安定版のリリースイメージの一覧が、現在利用可能なイメージに約 1 分ほどで更新されます。
デフォルトでは、安定版のイメージのみが一覧表示されます。Fast リリースイメージを同期して表示するには、以下のコマンドを実行します。
make subscribe-fast
注記: この
make
コマンドは、Linux または MacOS のオペレーティングシステムを使用している場合のみ実行できます。このコマンドを実行後に、利用可能な fast リリースイメージの一覧が、現在利用可能なイメージに約 1 分ほどで更新されます。
デフォルトではRed Hat Advanced Cluster Management は ClusterImageSets を複数事前に読み込みます。以下のコマンドを使用して、利用可能ものを表示し、デフォルトの設定を削除します。
oc get clusterImageSets oc delete clusterImageSet <clusterImageSet_NAME>
注記:
disableUpdateClusterImageSets
の値をtrue
に設定して、インストーラー管理のClusterImageSets
の自動更新をまだ無効にしていない場合は、削除するイメージが自動的に再作成されます。- クラスターの作成時に、Red Hat Advanced Cluster Management コンソールで現在利用可能なリリースイメージの一覧を表示します。
5.1.2. 非接続時におけるリリースイメージのカスタム一覧の管理
ハブクラスターにインターネット接続がない場合に、リリースイメージのカスタムリストを管理する必要がある場合があります。クラスターの作成時に利用可能なリリースイメージのカスタム一覧を作成します。非接続時に、利用可能なリリースイメージを管理するには、以下の手順を実行します。
- オンラインシステムを使用している場合には、バージョン 2.3 でクラスターイメージセットを含む acm-hive-openshift-releases GitHub リポジトリー に移動します。
-
clusterImageSets
ディレクトリーを、非接続の Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ハブクラスターにアクセス可能なシステムにコピーします。 -
クラスターイメージセットを使用して、マネージドクラスターと非接続リポジトリー間のマッピングを追加します。
ImageContentSourcePolicy
オブジェクトを使用してマッピングを完了する方法について の詳細は、「イメージレジストリーリポジトリーのミラーリング の設定」を参照してください。 -
clusterImageSet
YAML を手作業で追加し、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes コンソールを使用してクラスターを作成する時に利用できるようにイメージの YAML ファイルを追加します。 残りの OpenShift Container Platform リリースイメージの
clusterImageSet
YAML ファイルを、イメージの保存先の正しいオフラインリポジトリーを参照するように変更します。更新は次の例のようになります。apiVersion: hive.openshift.io/v1 kind: ClusterImageSet metadata: name: img4.4.0-rc.6-x86-64 spec: releaseImage: IMAGE_REGISTRY_IPADDRESS_or_DNSNAME/REPO_PATH/ocp-release:4.4.0-rc.6-x86_64
YAML ファイルで参照されているオフラインイメージレジストリーにイメージがロードされていることを確認します。
各 YAML ファイルに以下のコマンドを入力して、各
clusterImageSets
を作成します。oc create -f <clusterImageSet_FILE>
clusterImageSet_FILE
を、クラスターイメージセットファイルの名前に置き換えます。以下は例になります。oc create -f img4.9.9-x86_64.yaml
追加するリソース毎にこのコマンドを実行すると、利用可能なリリースイメージの一覧が使用できるようになります。
- または Red Hat Advanced Cluster Management のクラスター作成のコンソールに直接イメージの URL を貼り付けることもできます。イメージ URL が存在しない場合は、イメージ URL を追加すると新しい clusterImageSets が作成されます。
- クラスターの作成時に、Red Hat Advanced Cluster Management コンソールで現在利用可能なリリースイメージの一覧を表示します。