第12章 Pacemaker クラスターのプロパティー
クラスターのプロパティーは、クラスター動作中に発生する可能性がある状況に直面した場合に、クラスターの動作を制御します。
- 表12.1「クラスターのプロパティー」 では、クラスターのプロパティーオプションを説明します。
- 「クラスターのプロパティーの設定と削除」 では、クラスタープロパティーの設定方法を説明します。
- 「クラスタープロパティー設定のクエリー」 では、現在設定されているクラスタープロパティーを一覧表示する方法を説明しています。
12.1. クラスタープロパティーとオプションの要約
表12.1「クラスターのプロパティー」 には、Pacemaker クラスターのプロパティーのデフォルト値や、設定可能な値などをまとめています。
注記
この表に記載しているプロパティー以外にも、クラスターソフトウェアで公開されるクラスタープロパティーがあります。このようなプロパティーでは、デフォルト値を別の値には変更しないことが推奨されます。
オプション | デフォルト | 説明 |
---|---|---|
batch-limit | 0 | |
migration-limit | -1 (無制限) | |
no-quorum-policy | stop |
* ignore - 全リソースの管理を続行する
* freeze - リソース管理は継続するが、影響を受けるパーティションに含まれないノードのリソースは復帰させない
* stop - 影響を受けるクラスターパーティション内の全リソースを停止する
* suicide - 影響を受けるクラスターパーティション内の全ノードをフェンスする
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symmetric-cluster | true | |
stonith-enabled | true |
true 、または未設定の場合は、1 つ以上の STONITH リソースが設定されていない限り、リソースの開始を拒否します。
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stonith-action | reboot | |
cluster-delay | 60s | |
stop-orphan-resources | true | |
stop-orphan-actions | true | |
start-failure-is-fatal | true |
特定のノードでリソースの起動に失敗した場合に、そのノードで開始試行を行わないようにするかを示します。
false に設定すると、クラスターは、リソースの現在の失敗数と移行しきい値に基づいて、同じノードで開始を再試行するかどうかを決定します。リソースの migration-threshold オプションの設定に関する詳細は、「障害発生によるリソースの移動」 を参照してください。
start-failure-is-fatal を false に設定すると、リソースを起動できない障害のあるノードが、すべての依存アクションを保持できるというリスクが発生します。これが、start-failure-is-fatal のデフォルトは true であるためです。start-failure-is-fatal=false を設定するリスクは、移行しきい値を低く設定すると軽減できます。これにより、多くの障害の後に他のアクションを続行できます。
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pe-error-series-max | -1 (すべて) | |
pe-warn-series-max | -1 (すべて) | |
pe-input-series-max | -1 (すべて) | |
cluster-infrastructure | ||
dc-version | ||
last-lrm-refresh | ||
cluster-recheck-interval | 15 分 | |
maintenance-mode | false | |
shutdown-escalation | 20min | |
stonith-timeout | 60s | |
stop-all-resources | false | |
enable-acl | false | |
placement-strategy | default |
クラスターノードでリソースの配置を決定する際に、クラスターが使用率属性を考慮にいれるかどうかと、どのように考慮するかを示します。使用率属性および配置ストラテジーの詳細は、「使用と配置ストラテジー」 を参照してください。
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fence-reaction | stop |