9.2. 多状態のリソース: 複数モードのリソース


多状態リソースはクローンリソースの特殊化です。これにより、インスタンスは 2 つの操作モード( Master および Slave )のいずれかにすることができます。モードの名前には特別な意味はありませんが、インスタンスの起動時に Slave 状態で起動する必要があるという制限があります。
以下のコマンドを実行すると、リソースをマスター/スレーブクローンとして作成できます。
pcs resource create resource_id standard:provider:type|type [resource options] master [master_options]
マスター/スレーブクローンの名前は resource_id-master になります。
注記
Red Hat Enterprise Linux のリリース 7.3 以前では、マスター/スレーブのクローンの作成は以下の形式で行ってください。
pcs resource create resource_id standard:provider:type|type [resource options] --master [meta master_options]
また、作成済みのリソースまたはリソースグループからマスター/スレーブリソースを作成することもできます。名前を指定しない場合、マスター/スレーブクローンの名前は resource_id-master または group_name-master になります。
pcs resource master master/slave_name resource_id|group_name [master_options]
リソースオプションの詳細は、「リソースの作成」 を参照してください。
表9.2「多状態リソースのプロパティー」 には、多状態リソースに指定できるオプションが記載されています。
表9.2 多状態リソースのプロパティー
フィールド説明
id
多状態リソースに付ける名前
prioritytarget-roleis-managed
表6.3「リソースのメタオプション」を参照してください。
clone-maxclone-node-maxnotifyglobally-uniqueorderedinterleave
master-max
master ステータスにプロモートできるリソースのコピー数。デフォルト値は 1 です。
master-node-max
master ステータスにプロモートできるリソースのコピー数。デフォルト値は 1 です。

9.2.1. 多状態リソースの監視

マスターリソースのみに監視操作を追加するには、リソースに別の監視操作を追加します。同じリソース上では各監視操作の間隔が異なるようにする必要があります。
以下の例では、ms_resource のマスターリソースに 11 秒の間隔の監視操作を設定します。この監視操作は、10 秒間隔で行われるデフォルトの監視操作とは別に追加されます。
# pcs resource op add ms_resource interval=11s role=Master

9.2.2. 多状態制約

ほとんどの場合、多状態リソースにはアクティブなクラスターノードごとに 1 つのコピーがあります。そうではない場合は、リソースの場所制約を使用して、クラスターが優先的にコピーを割り当てるノードを指定できます。これらの制約は、通常のリソースと同様に記述されます。
リソースの場所制約については 「場所の制約」 を参照してください。
リソースをマスターにするかスレーブにするかを指定するコロケーション制約を作成することができます。次のコマンドは、リソースのコロケーション制約を作成します。
pcs constraint colocation add [master|slave] source_resource with [master|slave] target_resource [score] [options]
コロケーション制約の詳細は 「リソースのコロケーション」 を参照してください。
多状態リソースが含まれる順序制約を設定する場合、リソースに指定できるアクションの 1 つが promote で、リソースがスレーブからマスターへプロモートされることを意味します。さらに、リソースを 降格 アクションで指定できます。これは、リソースがマスターからスレーブに降格されることを示します。
順序制約を設定するコマンドは次のようになります。
pcs constraint order [action] resource_id then [action] resource_id [options]
リソースの順序制約については 「順序の制約」 を参照してください。

9.2.3. 多状態の粘着性 (Stickiness)

安定性のある割り当てパターンを実現するため、多状態リソースはデフォルトで若干の粘着性を備えています。resource-stickiness の値を指定しないと、1 が値として使用されます。値を小さくすることで他のリソースのスコア計算への阻害を最小限に抑えながら、Pacemaker によるクラスター内の不要なコピーの移動を阻止することができます。
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