4.8. クラスターメンテナンス
クラスターのノードでメンテナンスを実行するには、そのクラスターで実行しているリソースおよびサービスを停止するか、または移行する必要がある場合があります。または、サービスを変更しない状態で、クラスターソフトウェアの停止が必要になる場合があります。Pacemaker は、システムメンテナンスを実行するための様々な方法を提供します。
- クラスターの別のノードでサービスが継続的に実行している状態で、クラスター内のノードを停止する必要がある場合は、そのクラスターノードをスタンバイモードにすることができます。スタンバイノードのノードは、リソースをホストすることができなくなります。ノードで現在アクティブなリソースは、別のノードに移行するか、(他のノードがそのリソースを実行できない場合は) 停止します。スタンバイモードの詳細は、「スタンバイモード」 を参照してください。
- リソースを停止せずに、現在実行しているノードから個別のリソースを移行する必要がある場合は、pcs resource move コマンドを使用してリソースを別のノードに移行できます。pcs resource move コマンドの詳細は、「リソースを手作業で移動する」 を参照してください。pcs resource move コマンドを実行すると、現在実行しているノードでリソースが実行されないように、制約がリソースに追加されます。リソースを戻す準備ができたら、pcs resource clear または pcs constraint delete コマンドを実行して制約を削除できます。ただし、このコマンドを実行しても、リソースが必ずしも元のノードに戻る訳ではありません。その時点でリソースが実行できる場所は、リソースを最初に設定した方法によって異なるためです。「現在のノードからリソースを移動」 で説明しているように、pcs resource relocate run コマンドを使用すると、リソースを指定のノードに移動できます。
- 実行中のリソースを完全に停止し、クラスターが再び起動しないようにする必要がある場合は、pcs resource disable コマンドを使用できます。pcs resource disable コマンドの詳細は、「クラスターリソースの有効化、無効化、および禁止」 を参照してください。
- Pacemaker がリソースに対するアクションを実行するのを防ぐ必要がある場合(たとえば、リソースに対するメンテナンスの実行中に復元アクションを無効にする必要がある場合や、
/etc/sysconfig/pacemaker
設定をリロードする必要がある場合)、「管理リソース」 の説明にあるように pcs resource unmanage コマンドを使用します。Pacemaker Remote 接続リソースは、非管理モードにしないでください。 - クラスターを、サービスが開始または停止されない状態にする必要がある場合は、
maintenance-mode
クラスタープロパティーを設定できます。クラスターをメンテナンスモードにすると、すべてのリソースが自動的に非管理モードになります。クラスターのプロパティーの詳細は 表12.1「クラスターのプロパティー」 を参照してください。 - Pacemaker リモートノードでメンテナンスを実行する必要がある場合、「システムアップグレードおよび pacemaker_remote」 で説明しているように、リモートノードリソースを無効にすることで、ノードをクラスターから削除できます。