6.5. リソースグループ
クラスターの最も一般的な設定要素の 1 つがリソースセットです。リソースセットはまとめて配置し、順番に起動し、その逆順で停止する必要があります。この設定を簡単にするため、 Pacemaker はグループの概念をサポートします。
以下のコマンドを使用してリソースグループを作成し、グループに追加するリソースを指定します。グループが存在しない場合は、このコマンドによりグループが作成されます。グループが存在する場合は、このコマンドにより別のリソースがグループに追加されます。リソースは、このコマンドで指定された順序で起動し、その逆順で停止します。
pcs resource group add group_name resource_id [resource_id] ... [resource_id] [--before resource_id | --after resource_id]
このコマンドの
--before
オプションおよび --after
オプションを使用して、追加するリソースの位置を、そのグループにすでに含まれるリソースを基準にして指定できます。
以下のコマンドを使用して、リソースを作成するときに、既存のグループに新しいリソースを追加することもできます。作成するリソースは group_name というグループに追加されます。
pcs resource create resource_id standard:provider:type|type [resource_options] [op operation_action operation_options] --group group_name
以下のコマンドを使用して、グループからリソースを削除します。グループにリソースがない場合、このコマンドはグループ自体を削除します。
pcs resource group remove group_name resource_id...
以下のコマンドは、現在設定されているリソースグループをリスト表示します。
pcs resource group list
以下の例では、既存のリソースの
IPaddr
と Email
が含まれるリソースグループ shortcut
を作成します。
# pcs resource group add shortcut IPaddr Email
グループに含まれるリソースの数に制限はありません。グループの基本的なプロパティーは以下のとおりです。
- リソースは、指定した順序で起動します(この例では、最初に
IPaddr
、次にEmail
)。 - リソースは、指定した順序と逆の順序で停止します。(
電子メール
を最初に、次にIPaddr
)。
グループ内に実行できないリソースがあると、そのリソースの後に指定されたリソースは実行できません。
IPaddr
を実行できない場合は、電子メール
はできません。Email
を実行できなくても、IPaddr
には影響を及ぼしません。
グループが大きくなると、リソースグループ作成の設定作業を軽減することが重要になります。
6.5.1. グループオプション
リソースグループは、含まれるリソースから
priority
、target-role
、is-managed
オプションを継承します。リソースオプションの詳細は、表6.3「リソースのメタオプション」 を参照してください。
6.5.2. グループの Stickiness (粘着性)
粘着性は、リソースを現在の場所に留ませる優先度の度合いを示し、グループで加算されます。グループのアクティブなリソースが持つ stickness 値の合計が、グループの合計になります。したがって、デフォルトの
resource-stickiness
が 100 で、グループに 7 つのメンバーがあり、そのうちの 5 つがアクティブな場合、グループ全体でスコアが 500 の現在の場所が優先されます。