7.7. ネットワーク
/etc/iproute2/ 内のカスタム iproute2 設定が期待どおりに動作します
以前は、RHEL 9.6 に更新すると、iproute2 パッケージによってデフォルトの設定が /usr/share/iproute2/ ディレクトリーに保存されていました。また、/etc/iproute2/ にカスタム設定がある場合、更新時に関連するファイルの名前が変更され、.rpmsave 接尾辞が追加されていました。その結果、カスタム設定が適用されていませんでした。RHEL 9.7 バージョンの iproute2 パッケージに更新すると、パッケージ内のインストールスクリプトがカスタム設定ファイルの名前を変更しなくなります。また、/etc/iproute2/ に .rpmsave 接尾辞を持つファイルが検出された場合、スクリプトがこの接尾辞を削除します。その結果、カスタム設定が期待どおりに再び機能するようになります。
iproute2 のデフォルト設定は /usr/share/iproute2/ に残ることに注意してください。
実行時に SR-IOV VF の数を減らしてもカーネルがパニックを起こさなくなりました
以前のリリースでは、次の条件がすべて当てはまる場合、Linux カーネルがパニックを起こすことがありました。
- ホストの Input-Output Memory Management Unit (IOMMU) が有効化されている。
- ネットワークドライバーがページプールを使用している。
- このドライバーを使用するネットワークインターフェイスの Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) Virtual Function (VF) の数を減らした。
この更新により、カーネルが、ページプールに属している DMA マッピングされたメモリーページを追跡するようになりました。VF の削除などによりページプールが破棄されると、メモリーページの DMA マッピングが解除されます。これにより、VF が削除された後にメモリーページをアンマップしようとする試みが防止されます。その結果、実行時に SR-IOV VF の数を減らしてもカーネルがパニックを起こさなくなりました。
Jira:RHEL-76845[1]
xtables モジュールが再び非推奨として指定されました
この更新前は、iptables、ip6tables、arptables、ebtables、および ip_set ドライバーが、誤ってメンテナンス対象外として指定されていました。その結果、RHEL が Unmaintained driver is detected: <driver> という警告をログに記録していました。このリリースで、上記のドライバーは再び非推奨として指定されました。その結果、システムが誤ったサポート状況の警告を報告しなくなりました。
xdp-loader features コマンドが期待どおりに動作するようになりました
xdp-loader ユーティリティーは、libbpf の以前のバージョンに対してコンパイルされていました。その結果、xdp-loader features はエラーで失敗していました。
Cannot display features, because xdp-loader was compiled against an old version of libbpf without support for querying features.
Cannot display features, because xdp-loader was compiled against an old version of libbpf without support for querying features.
このユーティリティーは、正しい libbpf バージョンに対してコンパイルされるようになりました。その結果、コマンドは期待どおりに動作するようになりました。
Mellanox ConnectX-5 アダプターが DMFS モードで動作する
以前は、イーサネットスイッチデバイスドライバーモデル (switchdev) モードを使用しているときに、ConnectX-5 アダプターのデバイス管理フローステアリング (DMFS) モードで設定されていると、mlx5 ドライバーが失敗していました。したがって、以下のエラーメッセージが表示されていました。
mlx5_core 0000:5e:00.0: mlx5_cmd_out_err:780:(pid 980895): DELETE_FLOW_TABLE_ENTRY(0x938) op_mod(0x0) failed, status bad resource(0x5), syndrome (0xabe70a), err(-22)
mlx5_core 0000:5e:00.0: mlx5_cmd_out_err:780:(pid 980895): DELETE_FLOW_TABLE_ENTRY(0x938) op_mod(0x0) failed, status bad resource(0x5), syndrome (0xabe70a), err(-22)
その結果、ConnectX-5 アダプターのファームウェアバージョンを 16.35.3006 以降に更新すると、エラーメッセージは表示されなくなります。
Jira:RHEL-9897[1]
VMware vCenter が、実行中の RHEL 仮想マシンから SATA ディスクを正しく削除できるようになりました
以前は、VMWare vCenter インターフェイスを使用して、VMware ESXi ハイパーバイザー上で実行中の RHEL 9 ゲストから SATA ディスクを削除しても、ディスクが完全に削除されませんでした。ディスクは機能しなくなり、vCenter インターフェイスではディスクがゲストから消えましたが、SCSI インターフェイスではディスクがゲストに接続されていることが引き続き検出されていました。 この更新により、SCSI インターフェイスで、接続が解除された状態のディスクが正しく表示されるようになりました。
Jira:RHEL-79914[1]