第4章 新機能


ここでは、Red Hat Enterprise Linux 9.7 で導入された新機能と主要な機能拡張を説明します。

4.1. インストーラーおよびイメージの作成

fips=1 用の新しいブートメニューエントリーが ISO インストールに追加されました

この更新により、DVD およびブート ISO イメージによるインストールにおいて、カーネルブートオプション fips=1 を設定するための新しいブートメニューエントリーが使用可能になりました。これにより、プロセスが簡素化されます。RHEL のインストール時に FIPS モードを有効にすると、システムが FIPS で承認されたアルゴリズムと継続的な監視テストを使用してすべての鍵を生成するようになるためです。このブートオプションを使用すると、fips=1 カーネルパラメーターを使用してインストールを開始し、Federal Information Processing Standards (FIPS) 140 の要件にシステムを準拠させることができます。

Jira:RHEL-91930

ブループリントファイルのカスタマイズで、外部ソースからのファイルを参照するための URI フィールドがサポートされるようになりました

この更新により、ブループリントファイルのカスタマイズ構造に URI フィールドのサポートが追加されます。その結果、ブループリントに直接含まれているファイルだけでなく、外部の場所にあるファイルを参照して取得できるようになりました。これにより、ビルドシステムのカスタマイズの柔軟性が向上し、より適応性の高いビルドエクスペリエンスが実現します。

Jira:RHELDOCS-21016[1]

RHEL Image Builder は、Vagrant 用の新しいイメージタイプ vagrant-libvirt をサポートするようになりました

この更新により、RHEL Image Builder が libvirt ハイパーバイザーをサポートするようになり、ユーザーが Vagrant を使用して RHEL 仮想マシンを簡単に実行できるようになりました。この機能拡張により、事前設定されたイメージが提供され、一貫性のある効率的なセットアップが実現します。また、Vagrant 環境内の vagrant ユーザーに sudo 特権が付与されるため、管理タスクの管理と実行が容易になります。これらの機能拡張により、Vagrant 環境で RHEL 仮想マシンを操作する際のエクスペリエンスが、より効率的かつシームレスなものになります。

Jira:RHELDOCS-21025[1]

RHEL Image Builder GUI がモジュール化されたコンテンツの検出をサポートするようになりました

RHEL 9.7 以降の RHEL Image Builder のグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) では、モジュール化されたコンテンツの検出がサポートされています。この機能により、次の機能拡張が導入されます。

  • RHEL OS イメージを作成するときに、RHEL Image Builder GUI を使用して、RHEL AppStream やサードパーティーのリポジトリー (たとえば、Extra Packages for Enterprise Linux (EPEL)) など、さまざまなリポジトリーからモジュール化されたコンテンツを検出して組み込むことができます。
  • RHEL のモジュール機能のサポートが強化されました。Application Streams は、DNF のモジュール機能と modulemd メタデータを活用して、柔軟なパッケージ管理を実現します。モジュールでは、バージョンストリームとユースケースプロファイルを指定でき、デフォルトのストリームとプロファイルもサポートされています。
  • DNF モジュール実装の更新。RPM グループを指定する際に使用する @ 文字構文で、モジュールストリームを有効化およびインストールできます。これにより、キックスタートファイルとの互換性が確保されます。

Jira:RHELDOCS-21026[1]

RHEL Image Builder が WSL2 イメージをサポートするようになりました

RHEL Image Builder を使用して Windows Subsystem for Linux (WSL2) を作成できるようになりました。このイメージタイプは wsl 形式で使用できます。イメージを使用するには、生成されたファイルをダブルクリックしてデプロイします。

Jira:RHELDOCS-20633[1]

新しい rhel9/bootc-image-builder コンテナーイメージが RHEL で一般提供される

Image Mode for RHEL 用の rhel9/bootc-image-builder コンテナーイメージには、起動可能なコンテナーイメージ (rhel-bootc など) を QCOW2、AMI、VMDK、ISO などのさまざまなディスクイメージ形式に変換するイメージビルダーの最小バージョンが含まれています。

Jira:RHELDOCS-17733[1]

RHEL で bootc-image-builder ツールが一般提供になりました

RHEL で bootc-image-builder ツールが一般提供になりました。このツールは、bootc コンテナー入力から互換性のあるディスクイメージを簡単に作成およびデプロイするためのコンテナーとして機能します。bootc-image-builder を使用してコンテナーイメージを実行した後、必要なアーキテクチャーのイメージを生成できます。その後、生成されたイメージを仮想マシン、クラウド、またはサーバーにデプロイできます。新しい更新が必要になるたびに bootc-image-builder を使用してコンテンツを再生成するのではなく、bootc を使用してイメージを簡単に更新できます。

Jira:RHELDOCS-17468[1]

読み取り専用ファイルシステム composefs が、bootc/ostree および podman プロジェクトをサポートするようになりました

読み取り専用ファイルシステム composefs は、現時点では bootc/ostree および podman プロジェクトで使用されることのみを想定しています。composefs を使用すると、これらのプロジェクトを使用して、読み取り専用のイメージを作成して使用したり、イメージ間でファイルデータを共有したり、実行時にイメージを検証したりできます。その結果、完全に検証されたファイルシステムツリーがマウントされ、同一ファイルが適宜きめ細かく共有されるようになります。

Jira:RHEL-18157[1]

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