7.17. サポート性
coredump プラグインが、収集する coredump ファイルの数を正しく制限するようになりました
以前は、coredump プラグインが coredumpctl dump の出力を収集していました。これにより、不要かつ巨大なアーカイブが作成されることがありました。この更新により、プラグインはデフォルトで最新の 3 つの coredump ファイルを収集するようになりました。また、プラグインは引き続き coredumpctl info からのサマリー情報を提供し、収集されたダンプをそれぞれのメタデータエントリーにマッピングするのに役立つシンボリックリンクを含んでいます。
ユーザーは、executable オプションを使用して、収集されたダンプをさらにフィルタリングできます。このオプションは、coredumpctl list の EXE フィールドに適用された大文字と小文字を区別しない Python 正規表現を受け入れます。さらに、dumps オプションを使用して、直近のコアダンプの数を制限することもできます。
Jira:RHEL-62972[1]
sos report 内のプラグインオプションのオーバーライドによって、/etc/sos/sos.conf またはプリセットで設定された無関係のオプションが無効にならなくなりました
以前は、特定のプラグイン設定を指定する -k オプションを使用して sos report コマンドを実行すると、sos ユーティリティーが、/etc/sos/sos.conf またはプリセットで定義された他の有効なプラグインオプションを誤って無視していました。これにより、グローバル設定やユーザー定義のプリセットが、設定ファイルの [plugin_options] セクションまたはプリセットで正しく設定されているにもかかわらず、暗黙的に無効化されるという状況が発生していました。
この動作は、Red Hat ナレッジベースソリューション 1418303 に記載されているように、完全な System Activity Reporter (SAR) データを収集しようとしているお客様に影響していました。実行時に -k オプションが使用されると、sar.all_sar 設定が off に戻り、結果としてデータ収集が不完全になっていました。
この更新により、sos ツールが -k フラグで指定されたオプションと、設定ファイルで定義されたオプションを正しくマージするようになりました。これにより、無関係のプラグインオプションが保持され、期待どおりに適用されるようになりました。この修正により、一貫性が回復され、包括的な SAR データ収集を設定した場合に確実にデータが収集されます。
Jira:RHEL-67097[1]
sos-audit パッケージに必要な GPLv2 LICENSE ファイルが含まれるようになりました
以前は、sos-audit パッケージは、常に sos プロジェクトの一部であり、ライセンスを含む同じ SRPM からビルドされていました。一方、そこからビルドされた sos-audit RPM パッケージは、メインの sos RPM とは別にインストールできました。そのため、sos-audit サブパッケージのみをインストールするユーザーは、ライセンスを容易に利用できませんでした。このライセンスの欠如は、RHEL 8 および RHEL 9 の現行リリースに至るまでの全バージョンの sos-audit に影響していました。
この更新により、sos-audit パッケージに GPLv2 LICENSE ファイルが正しく含まれるようになりました。
iscsi プラグインが sosreport でプレーンテキストの CHAP 認証情報を収集しなくなりました
以前は、sos の iscsi プラグインは、レポート生成時に iscsi 設定ファイル内の機密性の高い CHAP 認証情報をプレーンテキストのまま収集しており、セキュリティーリスクを引き起こしていました。この更新により、iscsi プラグインが変更され、機密フィールドが隠されるようになりました。これにより、収集された出力から CHAP ユーザー名とパスワードが確実に削除または除外されるようになりました。
Jira:RHEL-81187[1]
THP プラグインが、Transparent Huge Page の状態を正確に反映するために完全な設定を収集するようになりました
以前は、sos のメモリープラグインが、Transparent Huge Page (THP) の状態を判断するために、/sys/kernel/mm/transparent_hugepage/ から enabled ファイルのみを収集していました。しかし、最近のカーネルの動作の変更により、この方法では不十分になりました。たとえば、shmem_enabled が [always] に設定されているのに enabled が [never] に設定されている場合、共有メモリーセグメントに対して THP が無効になっているように見えても、実際にはアクティブになる可能性があります。
この更新により、THP プラグインは /sys/kernel/mm/transparent_hugepage/ 配下にあるすべての関連ファイルを収集するようになり、THP がどのように、どこで有効化されているかを完全に正確に把握できるようになりました。
Jira:RHEL-81634[1]
ユーザーごとの SSH 設定がデフォルトで無効になりました
以前は、sos の ssh プラグインが、デフォルトですべてのローカルユーザーの .ssh ディレクトリーから詳細情報を収集していました。その結果、特にローカルユーザー数が多い環境では、実行時間が大幅に長くなっていました。この更新により、ssh プラグインはデフォルトでユーザーごとの .ssh 設定データを収集しなくなりました。ユーザー設定を収集するには、ssh.userconfs=on を設定して明示的に有効にしてください。
sos 4.10 バージョンの sos collect コマンドが xz/bz2 tar アーカイブを生成しなくなりました
この更新前は、sos collect コマンドは tar.xz や tar.bz2 などの圧縮された tar アーカイブを返していました。このリリースでは、sos collect は圧縮された tar アーカイブではなく、非圧縮の tar アーカイブを生成します。これにより、時間とリソースを節約できます。
Jira:RHELDOCS-21013[1]