第1章 概要


1.1. RHEL 9.7 における主な変更点

インストーラーおよびイメージの作成

RHEL Image Builder の主なハイライト:

  • RHEL Image Builder を使用して、高度なパーティションでディスクイメージを作成できます。
  • ISO イメージのビルド時にキックスタートファイルを注入できるように、ブループリントをカスタマイズできます。
  • RHEL Image Builder で作成されたシステムイメージ (AWS や KVM 形式など) には、個別の /boot パーティションがありません。
  • RHEL Image Builder が WSL2 イメージをサポートするようになりました

詳細は、新機能 - インストーラーとイメージの作成 を参照してください。

セキュリティー

システム全体の 暗号化ポリシー に、耐量子計算機暗号化 (PQC) アルゴリズムを有効にする PQ サブポリシーが導入されています。このポリシーには、アプリケーションで PQC をサポートするための改良点が多数含まれています。

OpenSSL 3.5 で、ML-KEM、ML-DSA、および SLH-DSA 耐量子計算機アルゴリズム のサポートが導入され、ハイブリッド ML-KEM アルゴリズムがデフォルトの TLS グループリストに追加されました。

詳細は、新機能 - セキュリティー を参照してください。

カーネル

RHEL 9.7 で、パフォーマンス分析とエネルギーテレメトリーを強化するカーネル領域の改良点が追加されました。更新には、rng-tools のジッターエントロピーソースの改良、アップストリームの v6.14 および v6.15 に合わせた perf および BPF の更新、uncore および core イベントカウンターの拡張、Intel RAPL のエネルギーイベント、Intel Trace Hub (NPK) デバイス ID、およびクラッシュ分析と python-drgn ツールの更新が含まれます。一部の環境では、NVMe 名前空間への NVMe-TCP kdump が失敗することがあります。この制限事項が適用される場合には、注意して運用してください。

動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー

次の Application Streams の新しいバージョンが利用可能になりました。

  • Node.js 24

詳細は、新機能 - 動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー、および テクノロジープレビュー - 動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー を参照してください。

コンパイラーおよび開発ツール

更新されたシステムツールチェーン

以下のシステムツールチェインコンポーネントが更新されました。

  • Glibc 2.34
  • Annobin 12.98
パフォーマンスツールとデバッガーの更新

RHEL 9.7 では、次のパフォーマンスツールとデバッガーが更新されました。

  • GDB 16.3
  • Valgrind 3.25.1
  • SystemTap 5.3
  • Dyninst 13.0.0
  • elfutils 0.193
  • libabigail 2.8
更新されたパフォーマンスモニタリングツール

RHEL 9.7 では、次のパフォーマンスモニタリングツールが更新されました。

  • PCP 6.3.7
  • Grafana 10.2.6
.NET 10.0 が RHEL で利用可能になりました

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) は、自動メモリー管理と最新のプログラミング言語を備えた汎用開発プラットフォームである .NET をサポートしており、高品質のアプリケーションを効率的に構築できます。この更新により、最新バージョンである .NET 10.0 (Long-Term Support) のサポートが追加され、RHEL で利用可能なバージョンが拡充されました。サポートされているその他のバージョンには、.NET 9.0 (Standard-Term Support) と、以前の長期サポートバージョンである .NET 8.0 があります。

詳細は、.NET 10.0 RPM パッケージのリリースノート および .NET 10.0 コンテナーのリリースノート を参照してください。

更新されたコンパイラーツールセット

RHEL 9.7 では、次のコンパイラーツールセットが更新されました。

  • GCC Toolset 15

    • GCC 15.1
    • Binutils 2.44

      Annobindwz は、バージョン 15 以降の GCC Toolset では提供されないことに注意してください。

  • LLVM Toolset 20.1.8
  • Rust Toolset 1.88.0
  • Go Toolset 1.24

詳しい変更点は、新機能 - コンパイラーと開発ツール を参照してください。

Web コンソール

cockpit パッケージがバージョン 344 にアップグレードされ、Patternfly 6 システムデザインへのアップグレードをはじめとする多くの改良が加えられました。

詳細は、新機能 - Web コンソール を参照してください。

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