10.5. インフラストラクチャーサービス
libotr は FIPS に準拠していない
libotr ライブラリーとオフザレコード (OTR) メッセージング用のツールキットは、インスタントメッセージングの会話にエンドツーエンドの暗号化を提供します。ただし、libotr ライブラリーは gcry_pk_sign() および gcry_pk_verify() 関数を使用しているため、連邦情報処理標準 (FIPS) に準拠していません。その結果、FIPS モードでは libotr ライブラリーを使用できません。
Jira:RHELPLAN-122108[1]
MariaDB および MySQL に不適切な Perl データベースドライバーを使用すると、予期しない結果が生じる可能性がある
MariaDB データベースは MySQL のフォークです。時間が経つにつれて、これらのサービスは独立して開発され、完全な互換性がなくなりました。これらの違いは Perl データベースドライバーにも影響します。したがって、Perl アプリケーションで DBD::mysql ドライバーを使用して MariaDB データベースに接続したり、DBD::MariaDB ドライバーを使用して MySQL データベースに接続したりすると、操作によって予期しない結果が生じる可能性があります。たとえば、ドライバーは読み取り操作から誤ったデータを返す可能性があります。このような問題を回避するには、データベースサービスに一致する Perl ドライバーをアプリケーションで使用します。
Red Hat は次のシナリオのみをサポートします。
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MariaDB データベースと Perl
DBD::MariaDBドライバー -
MySQL データベースと Perl
DBD::mysqlドライバー
RHEL 8 には DBD::mysql ドライバーのみが含まれていることに注意してください。RHEL 9 にアップグレードしてから RHEL 10 にアップグレードする予定があり、アプリケーションで MariaDB データベースを使用している場合は、アップグレード後に perl-DBD-MariaDB パッケージをインストールし、DBD::MariaDB ドライバーを使用するようにアプリケーションを変更します。
詳細は、Red Hat ナレッジベースのソリューション記事 Support of MariaDB/MySQL cross-database connection from Perl db drivers を参照してください。
Jira:RHELDOCS-19728[1]
IBM Z 上で実行されている仮想マシンで、ホットプラグされたメモリーをデフォルトで利用できない
RHEL には、virtio-mem を使用して仮想マシン (VM) にメモリーをホットプラグするときにメモリーのオンライン化を自動的に設定する、デフォルトの udev ルールが用意されています。しかし、現在の udev ルールは、IBM Z 上で実行される仮想マシンを対象としていません。そのため、virtio-mem を使用して、IBM Z 上で実行されている仮想マシンにメモリーをホットプラグしても、そのメモリーを仮想マシンですぐに使用できません。
この問題を回避するには、仮想マシンで memhp_default_state=online カーネルパラメーターを設定し、仮想マシンを再起動します。以下に例を示します。
grubby --update-kernel=ALL --args=memhp_default_state=online
# grubby --update-kernel=ALL --args=memhp_default_state=online
これにより、ホットプラグされたメモリーが仮想マシンで使用できるようになります。