第16章 IdM Kerberos キータブファイルの維持
Kerberos キータブファイルとは何か、および Identity Management (IdM) がそれを使用してサービスが Kerberos で安全に認証できるようにする方法について詳しく説明します。
この情報を使用して、これらの機密ファイルを保護する必要がある理由を理解し、IdM サービス間の通信の問題をトラブルシューティングできます。
詳細は、以下のトピックを参照してください。
16.1. Identity Management が Kerberos キータブファイルを使用する方法
Kerberos キータブは、Kerberos プリンシパルとそれに対応する暗号化キーを含むファイルです。ホスト、サービス、ユーザー、およびスクリプトは、キータブを使用して、人間の介入を必要とせずに、Kerberos Key Distribution Center (KDC) に対して安全に認証することができます。
IdM サーバー上のすべての IdM サービスには、Kerberos データベースに格納された一意の Kerberos プリンシパルがあります。たとえば、IdM サーバー east.idm.example.com
および west.idm.example.com
が DNS サービスを提供する場合、IdM はこれらのサービスを識別するために 2 つの一意の DNS Kerberos プリンシパルを作成します。これらは、命名規則 <service>/host.domain.com@REALM.COM
に従います:
-
DNS/east.idm.example.com@IDM.EXAMPLE.COM
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DNS/west.idm.example.com@IDM.EXAMPLE.COM
IdM は、Kerberos キーのローカルコピーをキーバージョン番号 (KVNO) とともに保存するために、これらのサービスごとにサーバー上にキータブを作成します。たとえば、デフォルトのキータブファイル /etc/krb5.keytab
には host
プリンシパルが格納されます。このプリンシパルは、Kerberos レルム内のそのマシンを表し、ログイン認証に使用されます。KDC は、aes256-cts-hmac-sha1-96
および aes128-cts-hmac-sha1-96
など、サポートするさまざまな暗号化アルゴリズムの暗号化キーを生成します。
klist
コマンドを使用して、キータブファイルの内容を表示できます。
[root@idmserver ~]# klist -ekt /etc/krb5.keytab Keytab name: FILE:/etc/krb5.keytab KVNO Timestamp Principal ---- ------------------- ------------------------------------------------------ 2 02/24/2022 20:28:09 host/idmserver.idm.example.com@IDM.EXAMPLE.COM (aes256-cts-hmac-sha1-96) 2 02/24/2022 20:28:09 host/idmserver.idm.example.com@IDM.EXAMPLE.COM (aes128-cts-hmac-sha1-96) 2 02/24/2022 20:28:09 host/idmserver.idm.example.com@IDM.EXAMPLE.COM (camellia128-cts-cmac) 2 02/24/2022 20:28:09 host/idmserver.idm.example.com@IDM.EXAMPLE.COM (camellia256-cts-cmac)