第3章 IdM Web UI でユーザーアカウントの管理
Identity Management (IdM) は、さまざまなユーザーのライフサイクル状況の管理に役立つ 複数のステージ を提供します。
- ユーザーアカウントの作成
従業員が新しい会社で働き始める前に ステージユーザーアカウントを作成 し、従業員の初出勤日に合わせてアカウントをアクティベートできるように準備します。
この手順を省略し、アクティブなユーザーアカウントを直接作成できるようにします。この手順は、ステージユーザーアカウントの作成に類似しています。
- ユーザーアカウントをアクティベートする
- 従業員の最初の就業日に アカウントをアクティベート します。
- ユーザーアカウントを無効にする
- ユーザーが数か月間育児休暇を取得する場合は、一時的にアカウントを無効にする 必要があります。
- ユーザーアカウントを有効にする
- ユーザーが戻ってきたら、アカウントを再度有効にする 必要があります。
- ユーザーアカウントを保存する
- ユーザーが会社を辞める場合は、しばらくしてから会社に戻ってくる可能性を考慮して、アカウントを復元することができる状態で削除する 必要があります。
- ユーザーアカウントを復元する
- 2 年後にユーザーが復職する場合は、保存済みアカウントを復元 する必要があります。
- ユーザーアカウントを削除する
- 従業員が解雇された場合は、バックアップなしで アカウントを削除します。
3.1. ユーザーのライフサイクル
Identity Management (IdM) は、次の 3 つのユーザーアカウント状態に対応します
- ステージ ユーザーは認証できません。これは初期状態です。アクティブユーザーに必要なユーザーアカウントプロパティーをすべて設定できるわけではありません (例: グループメンバーシップ)。
- アクティブ ユーザーは認証が可能です。必要なユーザーアカウントプロパティーはすべて、この状態で設定する必要があります。
- 保存済み ユーザーは、以前にアクティブであったユーザーで、現在は非アクティブであるとみなされており、IdM への認証ができません。保存済みユーザーには、アクティブユーザーのときに有効になっていたアカウントプロパティーの大部分が保持されていますが、ユーザーグループからは除外されています。
IdM データベースからユーザーエントリーを完全に削除できます。
削除したユーザーアカウントを復元することはできません。ユーザーアカウントを削除すると、そのアカウントに関連する情報がすべて完全に失われます。
新規管理者は、デフォルトの管理ユーザーなど、管理者権限を持つユーザーのみが作成できます。すべての管理者アカウントを誤って削除した場合は、Directory Manager が、Directory Server に新しい管理者を手動で作成する必要があります。
admin
ユーザーを削除しないでください。admin
は IdM で必要な事前定義ユーザーであるため、この操作では特定のコマンドで問題が生じます。別の admin
ユーザーを定義して使用する場合は、管理者権限を少なくとも 1 つのユーザーに付与してから、ipa user-disable admin
を使用して、事前定義された admin ユーザーを無効にします。
ローカルユーザーを IdM に追加しないでください。Name Service Switch (NSS) は、ローカルユーザーとグループを解決する前に、IdM ユーザーとグループを常に解決します。つまり、たとえば IdM グループのメンバーシップは、ローカルユーザーでは機能しません。