4.5. データセンターのタスク


4.5.1. 新しいデータセンターの作成

仮想化環境でデータセンターを作成するには、以下の手順で行います。データセンターが稼働するには、正常に機能するクラスター、ホスト、ストレージドメインが必要です。

注記

ストレージの タイプ は、最初のストレージドメインがデータセンターに追加されるまで編集可能です。ストレージドメインが追加されると、ストレージの タイプ は変更できなくなります。
互換バージョン は、一旦設定されると、後で低くすることはできません。下位バージョンへの変更はできないようになっています。
データセンターに MAC プール範囲を指定するオプションは無効になり、現在はクラスターレベルで指定するようになりました。

手順4.1 新しいデータセンターの作成

  1. データセンター リソースタブを選択すると、結果一覧にデータセンターがすべて表示されます。
  2. 次に 新規作成 ボタンをクリックして、新規データセンター ウィンドウを開きます。
  3. データセンターの 名前説明 を入力します。
  4. ドロップダウンメニューからデータセンターの ストレージタイプ互換バージョンクォータモード を選びます。
  5. OK をクリックしデータセンターを作成すると、新規データセンター - ガイド ウィンドウが開きます。
  6. 新規データセンター - ガイド ウィンドウでは、データセンターに設定する必要のあるエンティティーが表示されます。これらのエンティティーを設定するか、後で設定 ボタンを押して後ほど設定を行います。設定を再開するにはデータセンターを選択し、Guide Me ボタンを押してください。
新しいデータセンターが仮想化環境に追加されました。クラスター、ホスト、ストレージドメインが設定されるまで、ステータスは Uninitialized のままとなります。これらのエンティティーの設定には Guide Me を使用してください。

4.5.2. 新規データセンターウィンドウおよびデータセンターの編集ウィンドウの設定

以下の表には、新規データセンター および データセンターの編集 ウィンドウに表示されるデータセンターの設定についての説明をまとめています。OK をクリックすると、無効な値が入力されている箇所はオレンジ色の枠で囲まれ、そのままでは変更が確定されないようになっています。また、フィールドプロンプトには、期待値または期待値の範囲が表示されます。
表4.1 データセンタープロパティー
フィールド
説明/アクション
名前
データセンターの名前。このテキストフィールドは最長で 40 文字に制限されており、アルファベットの大文字/小文字、数字、ハイフン、アンダースコアを任意に組み合わせた一意名にする必要があります。
説明
データセンターの説明。このフィールドへの入力は推奨されますが、必須ではありません。
タイプ
ストレージのタイプ。以下のいずれかを選択します。
  • Shared
  • Local
データドメインのタイプによってデータセンターのタイプが決定し、作成後に変更すると大幅なサービスの中断を招きます。同じデータセンターに複数のタイプのストレージドメイン (iSCSI、NFS、FC、POSIX、Gluster) を追加することができますが、ローカルドメインと共有ドメインを混在させることはできません。
互換バージョン
Red Hat Virtualization のバージョン。以下のいずれかを選択します。
  • 3.6
  • 4.0
  • 4.1
Red Hat Virtualization Manager のアップグレード後に、ホスト、クラスター、データセンターが旧バージョンのままになっている可能性があります。最初に全ホストをアップグレードし、次にクラスターをアップグレードしてから、データセンターの互換性レベルをアップグレードしてください。
クォータモード
クォータは、Red Hat Virtualizaton に搭載されているリソース制限ツールです。以下のいずれかを選択します。
  • 無効: クォータを実装しない場合に選択します。
  • 監査: クォータの設定をテストする場合に選択します。
  • 有効: クォータを実装する場合に選択します。

4.5.3. データセンターの再初期化: リカバリーの手順

このリカバリー手順を実行すると、データセンターのマスターデータドメインが新規のマスターデータドメインに置き換えられます。リカバリー作業は、マスターデータドメインのデータが破損した際に必要です。データセンターを再初期化すると、データセンターに関連付けられたその他のリソースすべて (例: クラスター、ホスト、問題のないストレージドメインなど) を復元することができます。
バックアップまたはエクスポートした仮想マシン/テンプレートを新規のマスターデータドメインにインポートすることができます。

手順4.2 データセンターの再初期化

  1. データセンター リソースタブをクリックして再初期化するデータセンターを選択します。
  2. データセンターにアタッチされているストレージドメインがメンテナンスモードになっていることを確認してください。
  3. データセンターを右クリックし、ドロップダウンメニューから データセンターを再初期化 を選択して データセンターの再初期化 ウィンドウを開きます。
  4. データセンターの再初期化 ウィンドウでは使用可能な (デタッチされた状態で、メンテナンスモードに入っている) ストレージドメインをすべて表示します。データセンターに追加するストレージドメインのラジオボタンをクリックしてください。
  5. 操作を承認 のチェックボックスを選択します。
  6. ウィンドウを閉じてデータセンターを再初期化するには OK をクリックします。
ストレージドメインがマスターデータドメインとしてデータセンターにアタッチされて、アクティブ化されました。バックアップまたはエクスポートした仮想マシン/テンプレートを新規のマスターデータドメインにインポートできるようになりました。

4.5.4. データセンターの削除

データセンターを削除するには、アクティブなホストが 1 台必要です。データセンターを削除しても、そのデータセンターに関連付けられたリソースは削除されません。

手順4.3 データセンターの削除

  1. データセンターにアタッチされているストレージドメインがメンテナンスモードになっていることを確認してください。
  2. データセンター リソースタブをクリックし、削除するデータセンターを選択します。
  3. 削除 をクリックすると データセンターの削除 の確認ウィンドウが開きます。
  4. OK をクリックします。

4.5.5. データセンターの強制削除

アタッチされているストレージドメインが破損した場合や、ホストが Non Responsive になった場合には、データセンターは Non Responsive になります。いずれの状況でも、データセンターを 削除 することはできません。
強制削除 を実行するには、アクティブなホストは必要はありません。また、強制削除により、アタッチされているストレージドメインも完全に削除されます。
破損したストレージドメインを 破棄 してからデータセンターの 強制削除 を行う必要がある場合もあります。

手順4.4 データセンターの強制削除

  1. データセンター リソースタブをクリックし、削除するデータセンターを選択します。
  2. 強制削除 をクリックすると、データセンターの強制削除 の確認ウィンドウが開きます。
  3. 操作を承認 のチェックボックスを選択します。
  4. OK をクリックします。
データセンターとアタッチされていたストレージドメインが Red Hat Virtualization 環境から完全に削除されました。

4.5.6. データセンターの互換バージョンの変更

Red Hat Virtualization データセンターには、互換バージョンがあります。互換バージョンとは、データセンターと互換性のある Red Hat Virtualization のバージョンを指します。データセンター内のクラスターはすべて、指定の互換性レベルをサポートします。

注記

データセンターの互換バージョンを変更するには、最初に、変更後の互換性レベルをサポートするレベルまで、データセンター内の全クラスターを更新する必要があります。

手順4.5 データセンターの互換バージョンの変更

  1. 管理ポータルで データセンター タブをクリックします。
  2. 表示された一覧の中から、変更するデータセンターを選択します。
  3. 編集 をクリックします。
  4. 互換バージョン を必要な値に変更します。
  5. OK をクリックして、データセンターの互換バージョンを変更 の確認ウィンドウを開きます。
  6. OK をクリックして確定します。
データセンターの互換バージョンが更新されました。

重要

互換バージョンをアップグレードすると、そのデータセンターに属しているストレージドメインもすべてアップグレードされます。
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