A.7. カスタムプロパティーの定義
Red Hat Virtualization Manager によって受け入れられ、カスタムフックに渡されるカスタムプロパティーは、
engine-config
コマンドを使用して定義します。Red Hat Virtualization Manager がインストールされているホストで、root
ユーザーとしてこのコマンドを実行してください。
UserDefinedVMProperties
および CustomDeviceProperties
の設定キーは、サポートされているカスタムプロパティーの名前を保管するのに使用します。これら設定キーには、名付けられた各カスタムプロパティーの有効な値を定義する正規表現も含まれます。
複数のカスタムプロパティーは、セミコロンで区切ります。設定キーの設定時には、そのキーに含まれている既存の値が上書きされる点に注意してください。新規および既存のカスタムプロパティーを組み合わせる場合には、キーの値を設定するのに使用するコマンドにすべてのカスタムプロパティーを入れる必要があります。
設定キーを更新した後には、
ovirt-engine
サービスを再起動して変更を有効にする必要があります。
例A.1 仮想マシンプロパティー: smartcard
カスタムプロパティーの定義
- 以下のコマンドを使用して、
UserDefinedVMProperties
設定キーによって定義されている既存のカスタムプロパティーを確認します。# engine-config -g UserDefinedVMProperties
以下の出力に示されているように、カスタムプロパティーmemory
は既に定義済みです。正規表現^[0-9]+$
により、カスタムプロパティーに数字のみが含まれるようになっています。# engine-config -g UserDefinedVMProperties UserDefinedVMProperties: version: 3.6 UserDefinedVMProperties: version: 4.0 UserDefinedVMProperties : memory=^[0-9]+$ version: 4.0
memory
カスタムプロパティーは、UserDefinedVMProperties
設定キーですでに定義済みなので、そこに新規カスタムプロパティーを追加する必要があります。追加のカスタムプロパティーsmartcard
は、設定キーの値に追加します。新規カスタムプロパティーには、true
またはfalse
の値を適用することができます。# engine-config -s UserDefinedVMProperties='memory=^[0-9]+$;smartcard=^(true|false)$' --cver=4.0
UserDefinedVMProperties
設定キーで定義されているカスタムプロパティーが正しく更新されたかどうかを確認します。# engine-config -g UserDefinedVMProperties UserDefinedVMProperties: version: 3.6 UserDefinedVMProperties: version: 4.0 UserDefinedVMProperties : memory=^[0-9]+$;smartcard=^(true|false)$ version: 4.0
- 最後に、
ovirt-engine
サービスを再起動して、変更を有効にします。# systemctl restart ovirt-engine.service
例A.2 デバイスプロパティー: interface
カスタムプロパティーの定義
- 以下のコマンドを使用して、
CustomDeviceProperties
設定キーによって定義されている既存のカスタムプロパティーを確認します。# engine-config -g CustomDeviceProperties
以下の出力に示されているように、カスタムプロパティーはまだ定義されていません。# engine-config -g CustomDeviceProperties CustomDeviceProperties: version: 3.6 CustomDeviceProperties: version: 4.0
interface
カスタムプロパティーは、まだ存在していないので、そのまま追加することができます。以下の例では、speed
サブプロパティーの値は 0 から 99999 までの範囲に設定し、duplex
サブプロパティーの値にはfull
またはhalf
のいずれかを選択して設定します。# engine-config -s CustomDeviceProperties="{type=interface;prop={speed=^([0-9]{1,5})$;duplex=^(full|half)$}}" --cver=4.0
CustomDeviceProperties
設定キーで定義されているカスタムプロパティーが正しく更新されたかどうかを確認します。# engine-config -g CustomDeviceProperties UserDefinedVMProperties: version: 3.6 UserDefinedVMProperties: version: 4.0 UserDefinedVMProperties : {type=interface;prop={speed=^([0-9]{1,5})$;duplex=^(full|half)$}} version: 4.0
- 最後に、
ovirt-engine
サービスを再起動して、変更を有効にします。# systemctl restart ovirt-engine.service