第3章 Logging 5.6
3.1. Logging 5.6 リリースノート
Red Hat OpenShift のロギングサブシステムは、インストール可能なコンポーネントとして提供され、コアの OpenShift Container Platform とは異なるリリースサイクルを備えています。Red Hat OpenShift Container Platform ライフサイクルポリシー はリリースの互換性を概説しています。
stable
チャネルは、Logging の最新リリースを対象とする更新のみを提供します。以前のリリースの更新を引き続き受信するには、サブスクリプションチャネルを stable-X
(X
はインストールしたログのバージョン) に変更する必要があります。
3.1.1. Logging 5.6.11
このリリースには、OpenShift Logging バグ修正リリース 5.6.11 が含まれています。
3.1.1.1. バグ修正
- 今回の更新が行われる前は、LokiStack ゲートウェイは承認されたリクエストを非常に広範囲にキャッシュしていました。その結果、誤った認証結果が発生しました。今回の更新により、LokiStack ゲートウェイは詳細にキャッシュを行うようになり、この問題が解決されました。(LOG-4435)
3.1.1.2. CVE
3.1.2. Logging 5.6.8
このリリースには、OpenShift Logging バグ修正リリース 5.6.8 が含まれています。
3.1.2.1. バグ修正
-
この更新が行われる前は、入力一致ラベル値の
ClusterLogForwarder
内に/
文字が含まれる場合は、vector コレクターが予期せず終了していました。今回の更新では、一致ラベルを引用符で囲み、コレクターがログを開始および収集できるようにすることで問題が解決されました。(LOG-4091) - この更新が行われる前は、OpenShift Container Platform Web コンソール内でログを表示する際に more data available オプションをクリックすると、初回クリック時にのみ、より多くのログエントリーがロードされました。今回の更新では、クリックごとにさらに多くのエントリーが読み込まれるようになりました。(OU-187)
- この更新が行われる前は、OpenShift Container Platform Web コンソール内でログを表示する際に streaming オプションをクリックすると、実際のログは表示されず、streaming logs メッセージのみが表示されました。今回の更新により、メッセージとログストリームの両方が正しく表示されるようになりました。(OU-189)
- この更新が行われる前は、設定の問題が特定しにくい方法で Loki Operator がエラーをリセットしていました。今回の更新により、設定エラーが解決されるまでエラーが持続するようになりました。(LOG-4158)
-
この更新が行われる前は、8,000 を超える namespace を持つクラスターの場合、namespace のリストが
http.max_header_size
設定よりも大きくなるため Elasticsearch がクエリーを拒否していました。今回の更新では、ヘッダーサイズのデフォルト値が引き上げられ、問題が解決されました。(LOG-4278)
3.1.2.2. CVE
3.1.3. Logging 5.6.7
このリリースには、OpenShift Logging Bug Fix Release 5.6.7 が含まれています。
3.1.3.1. バグ修正
- この更新が行われる前は、LokiStack ゲートウェイはユーザーのアクセス権を適用せずに namespace のラベル値を返していました。今回の更新により、LokiStack ゲートウェイはパーミッションをラベル値のリクエストに適用するようになり、問題は解決しました。(LOG-3728)
-
この更新より前は、メッセージにタイムスタンプが含まれている場合、Fluentd ではログメッセージの
time
フィールドがデフォルトでstructured.time
として解析されませんでした。この更新により、出力先でサポートされている場合は、解析されたログメッセージにstructured.time
フィールドが含まれるようになります。(LOG-4090) -
この更新より前は、LokiStack ルート設定が原因で、クエリーの実行時間が 30 秒を超えるとタイムアウトが発生していました。今回の更新で、LokiStack global および per-tenant
queryTimeout
の設定によりルートタイムアウトの設定が影響を受け、問題は解決しました。(LOG-4130) - この更新より前は、グローバル制限ではなくテナント制限に対して値が定義されている LokiStack CR により、Loki Operator がクラッシュしていました。今回の更新により、Operator はテナント制限のみが定義された LokiStack CR を処理できるようになり、問題が解決されました。(LOG-4199)
- この更新より前は、Web ブラウザーに保持されている以前のバージョンのキャッシュされたファイルが原因で、OpenShift Container Platform Web コンソールはアップグレード後にエラーを生成しました。今回の更新により、これらのファイルはキャッシュされなくなり、問題は解決されました。(LOG-4099)
- この更新が行われる前は、Vector はデフォルトの Loki インスタンスに転送するときに証明書エラーを生成していました。この更新により、Vector を使用してログをエラーなしで Loki に転送できるようになりました。(LOG-4184)
この更新が行われる前は、
tls.insecureSkipVerify
オプションがtrue
に設定されている場合に、Cluster Logging Operator API にはシークレットにより提供される証明書が必要でした。今回の更新により、そのような場合でも Cluster Logging Operator API はシークレットに証明書の提供を求めなくなりました。次の設定が Operator の CR に追加されました。tls.verify_certificate = false tls.verify_hostname = false
(LOG-4146)
3.1.3.2. CVE
- CVE-2021-26341
- CVE-2021-33655
- CVE-2021-33656
- CVE-2022-1462
- CVE-2022-1679
- CVE-2022-1789
- CVE-2022-2196
- CVE-2022-2663
- CVE-2022-3028
- CVE-2022-3239
- CVE-2022-3522
- CVE-2022-3524
- CVE-2022-3564
- CVE-2022-3566
- CVE-2022-3567
- CVE-2022-3619
- CVE-2022-3623
- CVE-2022-3625
- CVE-2022-3627
- CVE-2022-3628
- CVE-2022-3707
- CVE-2022-3970
- CVE-2022-4129
- CVE-2022-20141
- CVE-2022-25147
- CVE-2022-25265
- CVE-2022-30594
- CVE-2022-36227
- CVE-2022-39188
- CVE-2022-39189
- CVE-2022-41218
- CVE-2022-41674
- CVE-2022-42703
- CVE-2022-42720
- CVE-2022-42721
- CVE-2022-42722
- CVE-2022-43750
- CVE-2022-47929
- CVE-2023-0394
- CVE-2023-0461
- CVE-2023-1195
- CVE-2023-1582
- CVE-2023-2491
- CVE-2023-22490
- CVE-2023-23454
- CVE-2023-23946
- CVE-2023-25652
- CVE-2023-25815
- CVE-2023-27535
- CVE-2023-29007
3.1.4. Logging 5.6.6
このリリースには、OpenShift Logging Bug Fix Release 5.6.6 が含まれています。
3.1.4.1. バグ修正
-
この更新が行われるまでは、ペイロード内のキーに一致する Kafka 出力トピックに書き込むように
ClusterLogForwarder
カスタムリソースを設定すると、エラーによりメッセージのドロップが発生していました。今回の更新では、Fluentd のバッファー名の前にアンダースコアを付けることで問題が解決しました。(LOG-3458) - この更新が行われるまでは、inode が再利用され、同じ inode を持つ複数のエントリーが存在する場合に、Fluentd でウォッチの早期終了が発生していました。この更新により、Fluentd 位置ファイル内のウォッチが早期に終了する問題が解決しました。(LOG-3629)
- この更新が行われるまでは、Fluentd による JavaScript クライアントの複数行例外の検出に失敗し、結果として例外が複数行として出力されていました。今回の更新により、例外が 1 行で出力されるようになり、問題が解決されました。(LOG-3761)
- この更新が行われるまでは、Red Hat Openshift Logging Operator バージョン 4.6 からバージョン 5.6 への直接アップグレードが許可されていたため、機能上の問題が発生していました。この更新により、アップグレードは 2 つのバージョン以内である必要があり、問題が解決されました。(LOG-3837)
- この更新が行われるまでは、Splunk または Google Logging 出力のメトリックは表示されませんでした。この更新では、HTTP エンドポイントのメトリックを送信することで問題が解決されました。(LOG-3932)
-
この更新が行われるまでは、
ClusterLogForwarder
カスタムリソースが削除されても、コレクター Pod は実行されたままでした。この更新により、ログ転送が有効になっていない場合、コレクター Pod は実行されなくなります。(LOG-4030) - この更新が行われるまでは、OpenShift Container Platform Web コンソールでログのヒストグラムをクリックしてドラッグしても時間範囲を選択できませんでした。今回の更新により、クリックとドラッグを使用して時間範囲を正常に選択できるようになりました。(LOG-4101)
- この更新が行われるまでは、監視ファイルの Fluentd ハッシュ値はログファイルへのパスを使用して生成されていたため、ログローテーション時に一意ではないハッシュが生成されました。今回の更新により、監視ファイルのハッシュ値が inode 番号で作成されるようになり、問題が解決されました。(LOG-3633)
- この更新が行われる前は、OpenShift Container Platform Web コンソールで Show Resources リンクをクリックしても何の効果もありませんでした。この更新では、ログエントリーごとにリソースの表示を切り替える リソースの表示 リンクの機能を修正することで、この問題が解決されました。(LOG-4118)
3.1.4.2. CVE
3.1.5. Logging 5.6.5
このリリースには、OpenShift Logging Bug Fix Release 5.6.5 が含まれています。
3.1.5.1. バグ修正
- この更新前は、テンプレート定義により Elasticsearch が一部のラベルと namespace_label のインデックスを作成できず、データの取り込みで問題が発生していました。この更新では、ラベル内のドットとスラッシュが修正により置き換えられ、適切な取り込みが保証され、問題が効果的に解決されます。(LOG-3419)
- この更新より前は、OpenShift Web コンソールのログページが LokiStack への接続に失敗した場合、一般的なエラーメッセージが表示され、追加のコンテキストやトラブルシューティングの提案は提供されませんでした。この更新により、エラーメッセージが強化され、より具体的な詳細とトラブルシューティングの推奨事項が含まれるようになりました。(LOG-3750)
- この更新より前は、時間範囲形式が検証されていなかったため、カスタム日付範囲を選択するとエラーが発生していました。この更新により、時間形式が検証されるようになり、ユーザーが有効な範囲を選択できるようになりました。無効な時間範囲形式が選択された場合は、ユーザーにエラーメッセージが表示されます。(LOG-3583)
- この更新前は、Loki でログを検索すると、式の長さが 5120 文字を超えていなくても、多くの場合クエリーは失敗していました。この更新により、クエリー承認ラベルマッチャーが最適化され、問題が解決されました。(LOG-3480)
- この更新が行われる前は、Loki Operator は、プライベート IP のメンバーリストを使用する場合に、すべてのコンポーネントを見つけるのに十分なメンバーリスト設定を生成できませんでした。今回の更新により、生成された設定にアドバタイズされたポートが確実に含まれるようになり、すべてのコンポーネントを正常に検索できるようになりました。(LOG-4008)
3.1.5.2. CVE
3.1.6. Logging 5.6.4
このリリースには、OpenShift Logging Bug Fix Release 5.6.4 が含まれています。
3.1.6.1. バグ修正
- この更新の前は、LokiStack がログストアとしてデプロイされたときに、Loki Pod によって生成されたログが収集され、LokiStack に送信されていました。今回の更新により、Loki によって生成されたログは収集から除外され、保存されなくなります。(LOG-3280)
- この更新の前は、OpenShift Web コンソールのログページのクエリーエディターが空の場合は、ドロップダウンメニューに値が入力されませんでした。今回の更新により、空のクエリーを実行しようとすると、エラーメッセージが表示され、ドロップダウンメニューが期待どおりに入力されるようになりました。(LOG-3454)
-
この更新の前は、
tls.insecureSkipVerify
オプションがtrue
に設定されている場合は、Cluster Logging Operator が誤った設定を生成していました。その結果、Operator は証明書の検証をスキップしようとすると、データを Elasticsearch に送信できませんでした。今回の更新により、tls.insecureSkipVerify が
有効になっている場合でも、Cluster Logging Operator は正しい TLS 設定を生成します。その結果、証明書の検証をスキップしようとしても、データを Elasticsearch に正常に送信できます。(LOG-3475) - この更新の前は、構造化された解析が有効になっていて、メッセージが複数の宛先に転送された場合に、それらはディープコピーされませんでした。これにより、構造化されたメッセージを含む一部の受信ログが生成されましたが、その他のログは生成されませんでした。今回の更新により、JSON 解析の前にメッセージをディープコピーするように設定生成が変更されました。その結果、複数の宛先に転送された場合でも、すべての受信メッセージに構造化メッセージが含まれるようになりました。(LOG-3640)
-
この更新の前は、
collection
フィールドに{}
が含まれていると、Operator がクラッシュする可能性がありました。今回の更新により、Operator はこの値を無視するようになり、オペレータは中断することなくスムーズに実行し続けることができます。(LOG-3733) -
この更新の前は、LokiStack のゲートウェイコンポーネントの
nodeSelector
属性は効果がありませんでした。今回の更新により、nodeSelector
属性が期待どおりに機能するようになりました。(LOG-3783) - この更新の前は、静的な LokiStack メンバーリストの設定は、プライベート IP ネットワークのみに依存していました。その結果、OpenShift Container Platform クラスター Pod ネットワークがパブリック IP 範囲で設定されている場合、LokiStack Pod がクラッシュループします。今回の更新により、LokiStack 管理者は、メンバーリストの設定に Pod ネットワークを使用するオプションを利用できるようになりました。これにより、問題が解決され、OpenShift Container Platform クラスター Pod ネットワークがパブリック IP 範囲で設定されている場合に、LokiStack Pod がクラッシュループ状態になるのを防ぐことができます。(LOG-3814)
-
この更新の前は、
tls.insecureSkipVerify
フィールドがtrue
に設定されている場合、Cluster Logging Operator は間違った設定を生成していました。その結果、証明書の検証をスキップしようとすると、Operator は Elasticsearch にデータを送信できませんでした。今回の更新により、tls.insecureSkipVerify
が有効になっている場合でも、Operator は正しい TLS 設定を生成します。その結果、証明書の検証をスキップしようとしても、データを Elasticsearch に正常に送信できます。(LOG-3838) - この更新の前に、Elasticsearch Operator を使用せずに Cluster Logging Operator (CLO) がインストールされた場合、CLO Pod は Elasticsearch の削除に関連するエラーメッセージを継続的に表示していました。今回の更新により、CLO はエラーメッセージを表示する前に追加のチェックを実行するようになりました。その結果、Elasticsearch Operator が存在しない場合は、Elasticsearch の削除に関連するエラーメッセージが表示されなくなりました。(LOG-3763)
3.1.6.2. CVE
3.1.7. Logging 5.6.3
このリリースには、OpenShift Logging Bug Fix Release 5.6.3 が含まれています。
3.1.7.1. バグ修正
3.1.7.2. CVE
3.1.8. Logging 5.6.2
このリリースには、OpenShift Logging バグ修正リリース 5.6.2 が含まれます。
3.1.8.1. バグ修正
-
この更新の前は、コレクターは systemd ログの優先度に基づいて
level
フィールドを正しく設定しませんでした。今回の更新により、level
フィールドが正しく設定されるようになりました。(LOG-3429) - 今回の更新以前は、Operator は OpenShift Container Platform 4.12 以降で非互換性の警告を誤って生成していました。今回の更新により、Operator の OpenShift Container Platform の最大バージョン値が修正され、問題が解決されました。(LOG-3584)
-
今回の更新以前は、
default
の出力値でClusterLogForwarder
カスタムリソース (CR) を作成し、エラーを生成しませんでした。今回の更新により、この値が適切に生成されるというエラーの警告が表示されるようになりました。(LOG-3437) -
この更新の前は、
ClusterLogForwarder
カスタムリソース (CR) に 1 つの出力がdefault
として設定された複数のパイプラインがある場合、コレクター Pod は再起動していました。今回の更新で、出力検証のロジックが修正され、問題が解決されました。(LOG-3559) - この更新の前は、コレクター Pod は作成後に再起動されていました。今回の更新により、デプロイされたコレクターが自動的に再起動しなくなりました。(LOG-3608)
- 今回の更新以前は、パッチリリースがカタログから以前のバージョンの Operator を削除していました。これにより、古いバージョンをインストールできませんでした。今回の更新により、バンドル設定が変更され、同じマイナーバージョンの以前のリリースがカタログに留まるようになりました。(LOG-3635)
3.1.8.2. CVE
3.1.9. Logging 5.6.1
このリリースには、OpenShift Logging バグ修正リリース 5.6.1 が含まれます。
3.1.9.1. バグ修正
- この更新の前は、保持が有効な場合、コンパクターは、クエリーアとの通信による TLS 証明書エラーを報告していました。今回の更新により、コンパクターとクエリーアが HTTP 経由で誤って通信することがなくなりました。(LOG-3494)
-
この更新の前は、Loki Operator は
LokiStack
CR のステータスの設定を再試行しないため、ステータス情報が古くなっていました。今回の更新により、Operator は競合時にステータス情報の更新を再試行するようになりました。(LOG-3496) -
この更新の前は、
kube-apiserver-operator
Operator が Webhook の有効性を確認したときに、Loki Operator Webhook サーバーが TLS エラーを引き起こしていました。今回の更新により、Loki Operator Webhook PKI は Operator Lifecycle Manager (OLM) によって管理されるようになり、問題が解決されました。(LOG-3510) - この更新の前は、ブール式と組み合わせてラベルフィルターを使用した場合、LokiStack ゲートウェイラベルエンフォーサーが有効な LogQL クエリーの解析エラーを生成していました。今回の更新により、LokiStack LogQL の実装がブール式を使用したラベルフィルターをサポートするようになり、問題が解決されました。(LOG-3441)、(LOG-3397)
- この更新の前は、複数のラベルキーに同じ接頭辞があり、一部のキーにドットが含まれていると、Elasticsearch に書き込まれたレコードで障害が発生していました。今回の更新により、ラベルキーのドットがアンダースコアに置き換えられ、問題が解決されました。(LOG-3463)
-
この更新の前は、OpenShift Container Platform コンソールと logging-view-plugin の間に互換性がないため、
Red Hat OpenShift Logging
Operator は OpenShift Container Platform 4.10 クラスターで使用できませんでした。今回の更新により、プラグインは OpenShift Container Platform 4.10 管理コンソールと適切に統合されるようになりました。(LOG-3447) -
この更新の前は、
ClusterLogForwarder
カスタムリソースの調整で、デフォルトログストアを参照するパイプラインの低下ステータスが誤って報告されていました。今回の更新により、パイプラインが適切に検証されるようになりました (LOG-3477)。
3.1.9.2. CVE
3.1.10. Logging 5.6.0
このリリースには、OpenShift Logging Release 5.6 が含まれています。
3.1.10.1. 非推奨の通知
Logging バージョン 5.6 では、Fluentd は非推奨であり、今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、この機能に対して現在のリリースライフサイクル中にバグ修正とサポートを提供しますが、拡張機能の提供はなく、この機能は今後削除される予定です。Fluentd の代わりに、Vector を使用できます。
3.1.10.2. 機能拡張
- 今回の更新により、Logging は OpenShift Container Platform のクラスター全体の暗号化ポリシーに準拠します。(LOG-895)
- 今回の更新により、LokiStack カスタムリソースを使用して、テナントごと、ストリームごと、およびグローバルポリシーの保持ポリシーを優先度順に宣言できるようになります。(LOG-2695)
- 今回の更新により、Splunk がログ転送の出力オプションとして利用できるようになります。(LOG-2913)
- 今回の更新により、デフォルトコレクターが Fluentd から Vector になります。(LOG-2222)
- 今回の更新により、Developer ロールは、OpenShift Container Platform 4.11 以降を実行しているクラスターの Log Console Plugin 内で割り当てられているプロジェクトごとのワークロードログにアクセスできます。(LOG-3388)
-
今回の更新により、任意のソースからのログに、Operator がデプロイされているクラスターの一意識別子であるフィールド
openshift.cluster_id
が含まれるようになります。clusterID
の値は、以下のコマンドで表示できます。(LOG-2715)
$ oc get clusterversion/version -o jsonpath='{.spec.clusterID}{"\n"}'
3.1.10.3. 既知の問題
-
この更新の前は、複数のラベルキーに同じ接頭辞があり、一部のキーに
.
が含まれていると、Elasticsearch がログを拒否することがありました。これは、ラベルキーに含まれる.
を_
に置き換えることで、Elasticsearch の制限を修正します。この問題の回避策として、エラーの原因となっているラベルを削除するか、namespace をラベルに追加します。(LOG-3463)
3.1.10.4. バグ修正
- 今回の更新の前は、Kibana カスタムリソースを削除した場合、OpenShift Container Platform Web コンソールは引き続き Kibana へのリンクを表示していました。今回の更新で、Kibana カスタムリソースを削除すると、そのリンクも削除されます。(LOG-2993)
- この更新の前は、ユーザーはアクセス権を持つ namespace のアプリケーションログを表示できませんでした。今回の更新により、Loki Operator はクラスターロールとクラスターロールバインディングを自動的に作成し、ユーザーがアプリケーションログを読み取れるようにします。(LOG-3072)
-
この更新の前に、LokiStack をデフォルトのログストレージとして使用する場合、Operator は
ClusterLogForwarder
カスタムリソースで定義されたカスタム出力を削除しました。今回の更新により、Operator はClusterLogForwarder
カスタムリソースの処理時にカスタム出力をデフォルト出力とマージします。(LOG-3090) - この更新の前に、CA キーは CA を Loki にマウントするためのボリューム名として使用されていたため、CA キーに非準拠の文字 (ドットなど) が含まれているとエラー状態が発生していました。今回の更新により、ボリューム名が内部文字列に標準化され、問題が解決されました。(LOG-3331)
-
この更新の前は、LokiStack カスタムリソース定義内で設定されたデフォルト値が原因で、
1
のReplicationFactor
なしで LokiStack インスタンスを作成できませんでした。今回の更新により、Operator は使用されるサイズの実際の値を設定するようになります。(LOG-3296) -
この更新の前は、Vector は、JSON 解析が有効になっている場合に、
structuredTypeKey
またはstructuredTypeName
の値も定義せずにメッセージフィールドを解析していました。今回の更新により、構造化ログを Elasticsearch に書き込むときに、structuredTypeKey
またはstructuredTypeName
のいずれかに値が必要になりました。(LOG-3195) - この更新の前は、Elasticsearch Operator のシークレット作成コンポーネントが内部シークレットを常に変更していました。今回の更新により、既存のシークレットが適切に処理されるようになりました。(LOG-3161)
- この更新の前は、Elasticsearch または Kibana デプロイメントのステータスが変更されている間に、Operator がコレクターデーモンセットの削除と再作成のループに入る可能性がありました。今回の更新では、Operator のステータス処理が修正され、問題が解決されました。(LOG-3157)
-
この更新の前は、Kibana の OAuth cookie の有効期限は
24h
に固定されていたため、accessTokenInactivityTimeout
フィールドが24h
未満の値に設定されていると、Kibana で 401 エラーが発生していました。今回の更新により、Kibana の OAuth cookie の有効期限がaccessTokenInactivityTimeout
に同期され、デフォルト値は24h
になります。(LOG-3129) - この更新の前は、リソースを調整するための Operator の一般的なパターンとして、取得または更新を試みる前に作成を試みていました。そのため、作成後に一定の HTTP 409 レスポンスが発生していました。今回の更新により、Operator は最初にオブジェクトの取得を試み、オブジェクトが欠落しているか指定されていない場合にのみ作成または更新するようになります。(LOG-2919)
-
この更新の前は、Fluentd の
.level
フィールドと .structure.level フィールドに異なる値が含まれることがありました。今回の更新により、各フィールドの値が同じになります。(LOG-2819) - この更新の前は、Operator は信頼された CA バンドルの作成を待たず、バンドルが更新された後に 2 回目のコレクターデプロイメントを実行していました。今回の更新により、Operator は、コレクターデプロイメントを続行する前に、バンドルが読み込まれたかどうかを確認するために少し待機するようになります。(LOG-2789)
- この更新の前は、メトリクスを確認するときに Telemetry ログ情報が 2 回表示されていました。今回の更新により、Telemetry ログ情報が想定どおりに表示されます。(LOG-2315)
- この更新の前は、JSON 解析の追加を有効にした後、Fluentd Pod ログに警告メッセージが含まれていました。今回の更新でにより、その警告メッセージは表示されなくなりました。(LOG-1806)
-
この更新の前は、キャッシュをビルドするために書き込み権限を持つフォルダーを
oc
が必要とするため、must-gather
スクリプトは完了しませんでした。今回の更新により、oc
はフォルダーへの書き込み権限を持ち、must-gather
スクリプトが正常に完了するようになります。(LOG-3446) - この更新の前は、ログコレクター SCC がクラスター上の他の SCC に取って代わられ、コレクターが使用できなくなる可能性がありました。今回の更新により、ログコレクター SCC の優先度が設定され、他の SCC よりも優先されるようになりました。(LOG-3235)
-
この更新の前は、Vector に
sequence
フィールドはなく、ナノ秒単位の精度の欠落に対処する方法として fluentd に追加されていました。今回の更新により、openshift.sequence
フィールドがイベントログに追加されました。(LOG-3106)