1.11. Logging 5.6
このリリースには、OpenShift Logging Release 5.6 が含まれています。
1.11.1. 非推奨の通知
Logging 5.6 では、Fluentd が非推奨となり、今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、この機能に対して現在のリリースライフサイクル中にバグ修正とサポートを提供しますが、拡張機能の提供はなく、この機能は今後削除される予定です。Fluentd の代わりに、Vector を使用できます。
1.11.2. 機能拡張
- 今回の更新により、Logging は OpenShift Container Platform の クラスター全体の暗号化ポリシーに 準拠します。(LOG-895)
- 今回の更新により、LokiStack カスタムリソースを使用して、テナントごと、ストリームごと、およびグローバルポリシーの保持ポリシーを優先度順に宣言できるようになります。(LOG-2695)
- 今回の更新により、Splunk がログ転送の出力オプションとして利用できるようになります。(LOG-2913)
- 今回の更新により、デフォルトコレクターが Fluentd から Vector になります。(LOG-2222)
- 今回の更新により、Developer ロールは、OpenShift Container Platform 4.11 以降を実行しているクラスターの Log Console Plugin 内で割り当てられているプロジェクトごとのワークロードログにアクセスできます。(LOG-3388)
-
今回の更新により、任意のソースからのログに、Operator がデプロイされているクラスターの一意識別子であるフィールド
openshift.cluster_id
が含まれるようになります。clusterID
の値は、以下のコマンドで表示できます。(LOG-2715)
$ oc get clusterversion/version -o jsonpath='{.spec.clusterID}{"\n"}'
1.11.3. 既知の問題
-
この更新の前は、複数のラベルキーに同じ接頭辞があり、一部のキーに
.
が含まれていると、Elasticsearch がログを拒否することがありました。これは、ラベルキーに含まれる.
を_
に置き換えることで、Elasticsearch の制限を修正します。この問題の回避策として、エラーの原因となっているラベルを削除するか、namespace をラベルに追加します。(LOG-3463)
1.11.4. バグ修正
- 今回の更新の前は、Kibana カスタムリソースを削除した場合、OpenShift Container Platform Web コンソールは引き続き Kibana へのリンクを表示していました。今回の更新で、Kibana カスタムリソースを削除すると、そのリンクも削除されます。(LOG-2993)
- この更新の前は、ユーザーはアクセス権を持つ namespace のアプリケーションログを表示できませんでした。今回の更新により、Loki Operator はクラスターロールとクラスターロールバインディングを自動的に作成し、ユーザーがアプリケーションログを読み取れるようにします。(LOG-3072)
-
この更新の前に、LokiStack をデフォルトのログストレージとして使用する場合、Operator は
ClusterLogForwarder
カスタムリソースで定義されたカスタム出力を削除しました。今回の更新により、Operator はClusterLogForwarder
カスタムリソースの処理時にカスタム出力をデフォルト出力とマージします。(LOG-3090) - この更新の前に、CA キーは CA を Loki にマウントするためのボリューム名として使用されていたため、CA キーに非準拠の文字 (ドットなど) が含まれているとエラー状態が発生していました。今回の更新により、ボリューム名が内部文字列に標準化され、問題が解決されました。(LOG-3331)
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この更新の前は、LokiStack カスタムリソース定義内で設定されたデフォルト値が原因で、
1
のReplicationFactor
なしで LokiStack インスタンスを作成できませんでした。今回の更新により、Operator は使用されるサイズの実際の値を設定するようになります。(LOG-3296) -
この更新の前は、Vector は、JSON 解析が有効になっている場合に、
structuredTypeKey
またはstructuredTypeName
の値も定義せずにメッセージフィールドを解析していました。今回の更新により、構造化ログを Elasticsearch に書き込むときに、structuredTypeKey
またはstructuredTypeName
のいずれかに値が必要になりました。(LOG-3195) - この更新の前は、Elasticsearch Operator のシークレット作成コンポーネントが内部シークレットを常に変更していました。今回の更新により、既存のシークレットが適切に処理されるようになりました。(LOG-3161)
- この更新の前は、Elasticsearch または Kibana デプロイメントのステータスが変更されている間に、Operator がコレクターデーモンセットの削除と再作成のループに入る可能性がありました。今回の更新では、Operator のステータス処理が修正され、問題が解決されました。(LOG-3157)
-
この更新の前は、Kibana の OAuth cookie の有効期限は
24h
に固定されていたため、accessTokenInactivityTimeout
フィールドが24h
未満の値に設定されていると、Kibana で 401 エラーが発生していました。今回の更新により、Kibana の OAuth cookie の有効期限がaccessTokenInactivityTimeout
に同期され、デフォルト値は24h
になります。(LOG-3129) - この更新の前は、リソースを調整するための Operator の一般的なパターンとして、取得または更新を試みる前に作成を試みていました。そのため、作成後に一定の HTTP 409 レスポンスが発生していました。今回の更新により、Operator は最初にオブジェクトの取得を試み、オブジェクトが欠落しているか指定されていない場合にのみ作成または更新するようになります。(LOG-2919)
-
この更新の前は、Fluentd の
.level
フィールドと .structure.level フィールドに異なる値が含まれることがありました。今回の更新により、各フィールドの値が同じになります。(LOG-2819) - この更新の前は、Operator は信頼された CA バンドルの作成を待たず、バンドルが更新された後に 2 回目のコレクターデプロイメントを実行していました。今回の更新により、Operator は、コレクターデプロイメントを続行する前に、バンドルが読み込まれたかどうかを確認するために少し待機するようになります。(LOG-2789)
- この更新の前は、メトリクスを確認するときに Telemetry ログ情報が 2 回表示されていました。今回の更新により、Telemetry ログ情報が想定どおりに表示されます。(LOG-2315)
- この更新の前は、JSON 解析の追加を有効にした後、Fluentd Pod ログに警告メッセージが含まれていました。今回の更新でにより、その警告メッセージは表示されなくなりました。(LOG-1806)
-
この更新の前は、キャッシュをビルドするために書き込み権限を持つフォルダーを
oc
が必要とするため、must-gather
スクリプトは完了しませんでした。今回の更新により、oc
はフォルダーへの書き込み権限を持ち、must-gather
スクリプトが正常に完了するようになります。(LOG-3446) - この更新の前は、ログコレクター SCC がクラスター上の他の SCC に取って代わられ、コレクターが使用できなくなる可能性がありました。今回の更新により、ログコレクター SCC の優先度が設定され、他の SCC よりも優先されるようになりました。(LOG-3235)
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この更新の前は、Vector に
sequence
フィールドはなく、ナノ秒単位の精度の欠落に対処する方法として fluentd に追加されていました。今回の更新により、openshift.sequence
フィールドがイベントログに追加されました。(LOG-3106)