1.5. 非推奨および削除された機能
以前のリリースで利用可能であった一部の機能が非推奨になるか、削除されました。
非推奨の機能は依然として OpenShift Container Platform に含まれており、引き続きサポートされますが、本製品の今後のリリースで削除されるため、新規デプロイメントでの使用は推奨されません。OpenShift Container Platform 4.10 で非推奨となり、削除された主な機能の最新のリストについては、以下の表を参照してください。非推奨になったか、削除された機能の詳細情報は、表の後に記載されています。
以下の表では、機能は以下のステータスでマークされています。
- GA: 一般公開機能
- DEP: 非推奨機能
- REM: 削除された機能
機能 | OCP 4.8 | OCP 4.9 | OCP 4.10 |
---|---|---|---|
Package Manifest Format (Operator Framework) | REM | REM | REM |
Operator カタログの SQLite データベース形式 | GA | DEP | DEP |
| REM | REM | REM |
| REM | REM | REM |
v1beta1 CRD | DEP | REM | REM |
Docker Registry v1 API | DEP | REM | REM |
メータリング Operator | DEP | REM | REM |
スケジューラーポリシー | DEP | DEP | REM |
Cluster Samples Operator の | DEP | DEP | DEP |
Cluster Samples Operator の | DEP | DEP | DEP |
OpenShift Container Platform リソースの | DEP | REM | REM |
RHCOS での | DEP | REM | REM |
クラスターローダー | DEP | DEP | REM |
独自の RHEL 7 コンピュートマシンの持ち込み | DEP | DEP | REM |
ビルドの | DEP | REM | REM |
Jenkins Operator | DEP | DEP | REM |
Prometheus に基づく HPA カスタムメトリックアダプター | REM | REM | REM |
vSphere 6.7 Update 2 以前 | GA | DEP | DEP |
仮想ハードウェアバージョン 13 | GA | DEP | DEP |
VMware ESXi 6.7 Update 3 以前 | GA | DEP | DEP |
Microsoft Azure クラスターのクレデンシャルの作成 | GA | GA | REM |
FlexVolume を使用した永続ストレージ | DEP | ||
Jenkins の非 sidecar pod テンプレート | DEP | ||
マルチクラスターコンソール (テクノロジープレビュー) | REM |
1.5.1. 非推奨の機能
1.5.1.1. IBM POWER8、IBM z13 のすべてのモデル、LinuxONE Emperor、LinuxONE Rockhopper、および x86_64 v1 アーキテクチャーは非推奨になりました。
IBM POWER8 の RHCOS 機能、IBM z13 のすべてのモデル、LinuxONE Emperor、LinuxONE Rockhopper、および AMD64 (x86_64) v1 CP アーキテクチャーは今後のリリースで非推奨となりました。これらのアーキテクチャーのサポートを停止する場合の追加情報は、今後のリリースで発表されます。
AMD および Intel 64 ビットアーキテクチャー (x86-64-v2) は引き続きサポートされます。
1.5.1.2. デフォルトの Docker 設定の場所が非推奨になる
以前のバージョンでは、レジストリー設定を使用する oc
コマンドは、Docker 設定の場所 (デフォルトは ~/.docker/config.json
) から認証情報を取得していました。これは非推奨となっており、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは Podman 設定の場所に置き換えられます。
1.5.1.3. oc registry login で空のファイルおよび stdout のサポートが非推奨になる
oc registry login
で --registry-config
および --to
フラグを使用する空のファイルのサポートが非推奨になりました。oc registry login
の使用時に、-
(標準出力) のサポートも引数として非推奨となりました。これらは OpenShift Container Platform の今後のバージョンで削除されます。
1.5.1.4. Jenkins の非 sidecar Pod テンプレート (非推奨)
OpenShift Container Platform 4.10 では、Jenkins の非 sidecar maven
および nodejs
Pod テンプレートが非推奨になりました。これらの Pod テンプレートは、今後のリリースで削除される予定です。バグ修正やサポートは、ライフサイクルの終了までに提供されますが、新しい機能拡張は加えられません。その代わりに、今回の更新で、Jenkins エージェントをサイドカーコンテナーとして実行できるようになりました。(JKNS-257)
1.5.1.5. サードパーティーのモニタリングコンポーネントのユーザーインターフェイスが非推奨に
以下のモニタリングスタックコンポーネントの場合、サードパーティーの Web ユーザーインターフェイス (UI) へのアクセスは非推奨となり、今後の OpenShift Container Platform リリースで削除される予定です。
- Grafana
- Prometheus
または、OpenShift Container Platform Web コンソールの Observe セクションに移動し、ダッシュボードおよびプラットフォームコンポーネントの他の UI にアクセスすることもできます。
1.5.1.6. FlexVolume を使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform 4.10 では、FlexVolume を使用した永続ストレージが非推奨になりました。この機能は完全にサポートされていますが、重要なバグのみが修正される予定です。ただし、今後の OpenShift Container Platform リリースで削除される可能性があります。OpenShift Container Platform でボリュームドライバーを作成するには、out-of-tree Container Storage Interface (CSI) ドライバーが推奨されます。FlexVolume ドライバーのメンテナーは、CSI ドライバーを実装し、FlexVolume のユーザーを CSI に移行する必要があります。FlexVolume のユーザーは、ワークロードを CSI ドライバーに移行する必要があります。
1.5.1.7. OpenShift CLI (oc) の RHEL 7 サポートは非推奨
OpenShift CLI (oc
) での Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 の使用に対するサポートは非推奨となり、今後の OpenShift Container Platform リリースでは削除される予定です。
1.5.2. 削除された機能
OpenShift Container Platform 4.10 は、OpenShift Container Platform Web コンソールインターフェイスの OperatorHub ページから、テクノロジープレビュー機能である Jenkins Operator を削除します。バグ修正やサポートは利用できなくなりました。
その代わりに、Samples Operator によって提供されるテンプレートを使用して、引き続き OpenShift Container Platform に Jenkins をデプロイすることができます。または、Web コンソールの Developer パースペクティブの Helm ページを使用して、Developer Catalog から Jenkins Helm Chart をインストールできます。
1.5.2.1. OpenShift CLI (oc) コマンドが削除される
以下の OpenShift CLI (oc
) コマンドは本リリースで削除されました。
-
oc adm completion
-
oc adm config
-
oc adm options
1.5.2.2. スケジューラーポリシーの削除
スケジューラーポリシーの設定のサポートは本リリースで削除されました。代わりに スケジューラープロファイル を使用して、Pod をノードにスケジュールする方法を制御します。
1.5.2.3. コンピュートマシンの RHEL 7 サポートが削除される
OpenShift Container Platform で Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 コンピュートマシンを実行するサポートが削除されました。RHEL コンピュートマシンを使用する場合は、RHEL 8 で実行する必要があります。
RHEL 7 コンピュートマシンを RHEL 8 にアップグレードすることはできません。新しい RHEL 8 ホストをデプロイする必要があり、古い RHEL 7 ホストを削除する必要があります。
1.5.2.4. サードパーティーのモニタリングコンポーネントのユーザーインターフェイスアクセスが削除される
今回のリリースにより、以下のモニタリングスタックコンポーネントのサードパーティーの Web ユーザーインターフェイス (UI) にアクセスできなくなりました。
- Alertmanager
- Thanos Querier
- Thanos Ruler (ユーザーワークロードの監視が有効になっている場合)
その代わりに、OpenShift Container Platform Web コンソールの Observe セクションに移動し、プラットフォームコンポーネントのメトリック、アラート、およびメトリックターゲット UI にアクセスできます。
1.5.2.5. Microsoft Azure のクレデンシャルの作成のサポートが削除されました
Microsoft Azure クラスターでミントモードで Cloud Credential Operator (CCO) を使用するためのサポートが削除されました。この変更は、2022 年 6 月 30 日に Microsoft が Azure AD Graph API を廃止する予定であるためであり、z-stream 更新でサポートされているすべてのバージョンの OpenShift Container Platform にバックポートされます。
ミントモードを使用する以前にインストールされた Azure クラスターの場合、CCO は既存のシークレットを更新しようとします。シークレットに以前に作成されたアプリ登録サービスプリンシパルのクレデンシャルが含まれている場合、そのシークレットは kube-system/azure-credentials
のシークレットの内容で更新されます。この動作は、パススルーモードに似ています。
クレデンシャルモードがデフォルト値の ""
に設定されているクラスターの場合、更新された CCO は、ミントモードでの動作からパススルーモードでの動作に自動的に変更されます。クラスターでクレデンシャルモードが明示的にミントモード ("Mint"
) に設定されている場合は、値を ""
または "Passthrough"
に変更する必要があります。
ミントモードで必要な Contributor
のロールに加えて、変更されたアプリ登録サービスプリンシパルには、パススルーモードで使用される User Access Administrator
のロールが必要になりました。
Azure AD Graph API は引き続き利用可能ですが、OpenShift Container Platform のアップグレードバージョンの CCO は、以前に作成されたアプリ登録サービスプリンシパルをクリーンアップしようとします。Azure AD Graph API を廃止する前にクラスターをアップグレードすると、リソースを手動でクリーンアップする必要がなくなる場合があります。
Azure AD Graph API が廃止された後、クラスターがミントモードをサポートしなくなったバージョンの OpenShift Container Platform にアップグレードされた場合、CCO は関連する credentialsrequest
に OrphanedCloudResource
条件を設定しますが、エラーを致命的なものとして扱いません。この条件には、unable to clean up App Registration / Service Principal: <app_registration_name>
と類似したメッセージが含まれます。Azure AD Graph API が廃止された後のクリーンアップでは、Azure CLI ツールまたは Azure Web コンソールを使用して手動で介入し、残りのアプリ登録サービスプリンシパルを削除する必要があります。
リソースを手動でクリーンアップするには、影響を受けるリソースを見つけて削除する必要があります。
Azure CLI ツールを使用して、次のコマンドを実行し、
OrphanedCloudResource
条件メッセージから<app_registration_name>
を使用するアプリ登録サービスプリンシパルをフィルター処理します。$ az ad app list --filter "displayname eq '<app_registration_name>'" --query '[].objectId'
出力例
[ "038c2538-7c40-49f5-abe5-f59c59c29244" ]
次のコマンドを実行して、アプリ登録サービスプリンシパルを削除します。
$ az ad app delete --id 038c2538-7c40-49f5-abe5-f59c59c29244
リソースを手動でクリーンアップした後、CCO はリソースがクリーンアップされたことを確認できないため、OrphanedCloudResource
状態が持続します。