5.4. Machine Config Operator について


OpenShift Container Platform 4.10 は、オペレーティングシステムとクラスター管理を統合します。クラスターは、クラスターノードでの Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) への更新を含め、独自の更新を管理するので、OpenShift Container Platform では事前に設定されたライフサイクル管理が実行され、ノードのアップグレードのオーケストレーションが単純化されます。

OpenShift Container Platform は、ノードの管理を単純化するために 3 つのデーモンセットとコントローラーを採用しています。これらのデーモンセットは、Kubernetes 形式のコンストラクトを使用してオペレーティングシステムの更新とホストの設定変更をオーケストレーションします。これには、以下が含まれます。

  • machine-config-controller : コントロールプレーンからマシンのアップグレードを調整します。すべてのクラスターノードを監視し、その設定の更新をオーケストレーションします。
  • machine-config-daemon デーモンセット: クラスターの各ノードで実行され、machine config で定義された設定で、MachineConfigController の指示通りにマシンを更新します。 ノードは、変更を検知すると Pod からドレイン (解放) され、更新を適用して再起動します。これらの変更は、指定されたマシン設定を適用し、 kubelet 設定を制御する Ignition 設定ファイルの形式で実行されます。更新自体はコンテナーで行われます。このプロセスは、OpenShift Container Platform と RHCOS の更新を同時に管理する際に不可欠です。
  • machine-config-server デーモンセット: コントロールプレーンノードがクラスターに参加する際に Ignition 設定ファイルをコントロールプレーンノードに提供します。

このマシン設定は Ignition 設定のサブセットです。machine-config-daemon はマシン設定を読み取り、OSTree の更新を行う必要があるか、一連の systemd kubelet ファイルの変更、設定の変更、オペレーティングシステムまたは OpenShift Container Platform 設定などへのその他の変更を適用する必要があるかを確認します。

ノード管理操作の実行時に、KubeletConfig カスタムリソース (CR) を作成または変更します。

重要

マシン設定への変更が行われると、Machine Config Operator (MCO) は変更を有効にするために、対応するすべてのノードを自動的に再起動します。

マシン設定の変更後、変更が適用される前にノードが自動的に起動されないようにするには、対応する machine config pool で spec.paused フィールドを true に設定して自動再起動プロセスを一時停止する必要があります。一時停止すると、spec.paused フィールドを false に設定し、ノードが新しい設定で再起動されるまで、マシン設定の変更は適用されません。

CA 証明書のローテーションが発生したときに、プールが一時停止されていないことを確認してください。MCP が一時停止されている場合、MCO は新しくローテーションされた証明書をそれらのノードにプッシュできません。これにより、クラスターが劣化し、oc debugoc logsoc execoc attach などの複数の oc コマンドで障害が発生します。証明書がローテーションされたときに MCP が一時停止された場合、OpenShift Container Platform コンソールのアラート UI でアラートを受け取ります。

以下の変更は、ノードの再起動をトリガーしません。

  • MCO が以下の変更のいずれかを検出すると、ノードのドレインまたは再起動を行わずに更新を適用します。

    • マシン設定の spec.config.passwd.users.sshAuthorizedKeys パラメーターの SSH キーの変更。
    • openshift-config namespace でのグローバルプルシークレットまたはプルシークレットへの変更
    • Kubernetes API Server Operator による /etc/kubernetes/kubelet-ca.crt 認証局 (CA) の自動ローテーション。
  • MCO は、ImageContentSourcePolicy (ICSP) オブジェクトの追加または編集など、/etc/containers/registries.conf ファイルへの変更を検出すると、対応するノードをドレインし、変更を適用し、ノードを解放します。ノードのドレインは、次の変更では発生しません。

    • pull-from-mirror = "digest-only" パラメーターがミラーごとに設定されたレジストリーの追加。
    • pull-from-mirror = "digest-only" パラメーターがレジストリーに設定されたミラーの追加。
    • unqualified-search-registries へのアイテムの追加。

ノードの設定が、現在適用されている machine config で指定されているものと完全に一致しない場合があります。この状態は 設定ドリフト と呼ばれます。Machine Config Daemon (MCD) は、ノードの設定ドラフトを定期的にチェックします。MCD が設定のドリフトを検出した場合は、管理者がノード設定を修正するまで、MCO はノードを 劣化 とマークします。劣化したノードはオンラインで動作していますが、更新できません。

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