3.2. Custom Metrics Autoscaler Operator リリースノート
Red Hat OpenShift の Custom Metrics Autoscaler Operator のリリースノートでは、新機能および拡張機能、非推奨となった機能、および既知の問題について説明しています。
Custom Metrics Autoscaler Operator は、Kubernetes ベースの Event Driven Autoscaler (KEDA) を使用し、OpenShift Container Platform の Horizontal Pod Autoscaler (HPA) の上に構築されます。
Red Hat OpenShift の Custom Metrics Autoscaler Operator のロギングサブシステムは、インストール可能なコンポーネントとして提供され、コアの OpenShift Container Platform とは異なるリリースサイクルを備えています。Red Hat OpenShift Container Platform ライフサイクルポリシー はリリースの互換性を概説しています。
3.2.1. サポート対象バージョン
以下の表は、各 OpenShift Container Platform バージョンの Custom Metrics Autoscaler Operator バージョンを定義しています。
バージョン | OpenShift Container Platform バージョン | 一般公開 |
---|---|---|
2.10.1-267 | 4.13 | 一般公開 |
2.10.1-267 | 4.12 | 一般公開 |
2.10.1-267 | 4.11 | 一般公開 |
2.10.1-267 | 4.10 | 一般公開 |
3.2.2. Custom Metrics Autoscaler Operator 2.10.1-267 リリースノート
この Custom Metrics Autoscaler Operator 2.10.1-267 リリースでは、OpenShift Container Platform クラスターで Operator を実行するための新機能とバグ修正を使用できます。Custom Metrics Autoscaler Operator 2.10.1-267 のコンポーネントは RHBA-2023:4089 でリリースされました。
このバージョンの Custom Metrics Autoscaler Operator をインストールする前に、以前にインストールされたテクノロジープレビューバージョンまたはコミュニティーがサポートするバージョンの KEDA を削除します。
3.2.2.1. バグ修正
-
以前は、
custom-metrics-autoscaler イメージ
とcustom-metrics-autoscaler-adapter
イメージにはタイムゾーン情報が含まれていませんでした。このため、コントローラーがタイムゾーン情報を見つけることができず、cron トリガーを使用してスケーリングされたオブジェクトが機能しませんでした。今回の修正により、イメージビルドにタイムゾーン情報が含まれるようになりました。その結果、cron トリガーを含むスケールされたオブジェクトが適切に機能するようになりました。(OCPBUGS-15264) -
以前のバージョンでは、Custom Metrics Autoscaler Operator は、他の namespace 内のオブジェクトやクラスタースコープのオブジェクトを含む、すべてのマネージドオブジェクトの所有権を取得しようとしていました。このため、Custom Metrics Autoscaler Operator は API サーバーに必要な認証情報を読み取るためのロールバインディングを作成できませんでした。これにより、
kube-system
namespace でエラーが発生しました。今回の修正により、Custom Metrics Autoscaler Operator は、別の namespace 内のオブジェクトまたはクラスタースコープのオブジェクトへのownerReference
フィールドの追加をスキップします。その結果、ロールバインディングがエラーなしで作成されるようになりました。(OCPBUGS-15038) -
以前のバージョンでは、Custom Metrics Autoscaler Operator は、
ownshift-keda
namespace にownerReferences
フィールドを追加しました。これによって機能上の問題が発生することはありませんでしたが、このフィールドの存在によりクラスター管理者が混乱する可能性がありました。今回の修正により、Custom Metrics Autoscaler Operator はownerReference
フィールドをopenshift-keda
namespace に追加しなくなりました。その結果、openshift-keda
namespace には余分なownerReference
フィールドが含まれなくなりました。(OCPBUGS-15293) -
以前のバージョンでは、Pod ID 以外の認証方法で設定された Prometheus トリガーを使用し、
podIdentity
パラメーターがnone
に設定されている場合、トリガーはスケーリングに失敗しました。今回の修正により、OpenShift の Custom Metrics Autoscaler は、Pod ID プロバイダータイプnone
を適切に処理できるようになりました。その結果、Pod ID 以外の認証方法で設定され、podIdentity
パラメーターがnone
に設定された Prometheus トリガーが適切にスケーリングされるようになりました。(OCPBUGS-15274)
3.2.3. Custom Metrics Autoscaler Operator 2.10.1 リリースノート
この Custom Metrics Autoscaler Operator 2.10.1 リリースでは、OpenShift Container Platform クラスターで Operator を実行するための新機能とバグ修正を使用できます。Custom Metrics Autoscaler Operator 2.10.1 のコンポーネントは RHEA-2023:3199 でリリースされました。
このバージョンの Custom Metrics Autoscaler Operator をインストールする前に、以前にインストールされたテクノロジープレビューバージョンまたはコミュニティーがサポートするバージョンの KEDA を削除します。
3.2.3.1. 新機能および拡張機能
3.2.3.1.1. Custom Metrics Autoscaler Operator の一般提供
Custom Metrics Autoscaler Operator バージョン 2.10.1 以降で、Custom Metrics Autoscaler Operator の一般提供が開始されました。
スケーリングされたジョブを使用したスケーリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
3.2.3.1.2. パフォーマンスメトリクス
Prometheus Query Language (PromQL) を使用して、Custom Metrics Autoscaler Operator でメトリクスのクエリーを行えるようになりました。
3.2.3.1.3. スケーリングされたオブジェクトのカスタムメトリクス自動スケーリングの一時停止
必要に応じてスケーリングされたオブジェクトの自動スケーリングを一時停止し、準備ができたら再開できるようになりました。
3.2.3.1.4. スケーリングされたオブジェクトのレプリカフォールバック
スケーリングされたオブジェクトがソースからメトリクスを取得できなかった場合に、フォールバックするレプリカの数を指定できるようになりました。
3.2.3.1.5. スケーリングされたオブジェクトのカスタマイズ可能な HPA 命名
スケーリングされたオブジェクトで、水平 Pod オートスケーラーのカスタム名を指定できるようになりました。
3.2.3.1.6. アクティブ化およびスケーリングのしきい値
水平 Pod オートスケーラー (HPA) は 0 レプリカへの、または 0 レプリカからのスケーリングができないため、Custom Metrics Autoscaler Operator がそのスケーリングを実行し、その後 HPA がスケーリングを実行します。レプリカの数に基づき HPA が自動スケーリングを引き継ぐタイミングを指定できるようになりました。これにより、スケーリングポリシーの柔軟性が向上します。
3.2.4. Custom Metrics Autoscaler Operator 2.8.2-174 リリースノート
この Custom Metrics Autoscaler Operator 2.8.2-174 リリースでは、OpenShift Container Platform クラスターで Operator を実行するための新機能とバグ修正を使用できます。Custom Metrics Autoscaler Operator 2.8.2-174 のコンポーネントは RHEA-2023:1683 でリリースされました。
Custom Metrics Autoscaler Operator バージョン 2.8.2-174 は、テクノロジープレビュー 機能です。
3.2.4.1. 新機能および拡張機能
3.2.4.1.1. Operator のアップグレードサポート
以前の Custom Metrics Autoscaler Operator バージョンからアップグレードできるようになりました。Operator のアップグレードについて、詳しくは「関連情報'の「Operator の更新チャネルの変更」を参照してください。
3.2.4.1.2. must-gather サポート
OpenShift Container Platform must-gather
ツールを使用して、Custom Metrics Autoscaler Operator およびそのコンポーネントについてのデータを収集できるようになりました。現時点で、Custom Metrics Autoscaler で must-gather
ツールを使用するプロセスは、他の Operator とは異なります。詳細は、「関連情報」の「デバッグデータの収集」を参照してください。
3.2.5. Custom Metrics Autoscaler Operator 2.8.2 リリースノート
Custom Metrics Autoscaler Operator 2.8.2 のこのリリースは、OpenShift Container Platform クラスターで Operator を実行するための新機能とバグ修正を提供します。Custom Metrics Autoscaler Operator 2.8.2 のコンポーネントは RHSA-2023:1042 でリリースされました。
Custom Metrics Autoscaler Operator バージョン 2.8.2 は テクノロジープレビュー 機能です。
3.2.5.1. 新機能および拡張機能
3.2.5.1.1. 監査ロギング
Custom Metrics Autoscaler Operator とその関連コンポーネントの監査ログを収集して表示できるようになりました。監査ログは、システムに影響を与えた一連のアクティビティーを個別のユーザー、管理者その他システムのコンポーネント別に記述したセキュリティー関連の時系列のレコードです。
3.2.5.1.2. Apache Kafka メトリクスに基づくアプリケーションのスケーリング
KEDA Apache kafka トリガー/スケーラーを使用して、Apache Kafka トピックに基づいてデプロイメントをスケーリングできるようになりました。
3.2.5.1.3. CPU メトリクスに基づくアプリケーションのスケーリング
KEDA CPU トリガー/スケーラーを使用して、CPU メトリクスに基づいてデプロイメントをスケーリングできるようになりました。
3.2.5.1.4. メモリーメトリクスに基づくアプリケーションのスケーリング
KEDA メモリートリガー/スケーラーを使用して、メモリーメトリクスに基づいてデプロイメントをスケーリングできるようになりました。