第1章 ノードの概要
1.1. ノードについて
ノードは、Kubernetes クラスター内の仮想マシンまたはベアメタルマシンです。ワーカーノードは、Pod としてグループ化されたアプリケーションコンテナーをホストします。コントロールプレーンノードは、Kubernetes クラスターを制御するために必要なサービスを実行します。OpenShift Container Platform では、コントロールプレーンノードには、OpenShift ContainerPlatform クラスターを管理するための Kubernetes サービス以上のものが含まれています。
クラスター内に安定した正常なノードを持つことは、ホストされたアプリケーションがスムーズに機能するための基本です。OpenShift Container Platform では、ノードを表す Node オブジェクトを介して Node
にアクセス、管理、およびモニターできます。OpenShift CLI (oc
) または Web コンソールを使用して、ノードで以下の操作を実行できます。
ノードの次のコンポーネントは、Pod の実行を維持し、Kubernetes ランタイム環境を提供するロールを果たします。
- コンテナーランタイム:: コンテナーランタイムは、コンテナーの実行を担当します。Kubernetes は、containerd、cri-o、rktlet、Docker などのいくつかのランタイムを提供します。
- Kubelet:: Kubelet はノード上で実行され、コンテナーマニフェストを読み取ります。定義されたコンテナーが開始され、実行されていることを確認します。kubelet プロセスは、作業の状態とノードサーバーを維持します。Kubelet は、ネットワークルールとポートフォワーディングを管理します。kubelet は、Kubernetes によってのみ作成されたコンテナーを管理します。
- Kube-proxy:: Kube-proxy はクラスター内のすべてのノードで実行され、Kubernetes リソース間のネットワークトラフィックを維持します。Kube プロキシーは、ネットワーク環境が分離され、アクセス可能であることを保証します。
- DNS:: クラスター DNS は、Kubernetes サービスの DNS レコードを提供する DNS サーバーです。Kubernetes により開始したコンテナーは、DNS 検索にこの DNS サーバーを自動的に含めます。
読み取り操作
読み取り操作により、管理者または開発者は OpenShift ContainerPlatform クラスター内のノードに関する情報を取得できます。
- クラスター内のすべてのノードを一覧表示します。
- メモリーと CPU の使用率、ヘルス、ステータス、経過時間など、ノードに関する情報を取得します。
- ノードで実行されている Pod を一覧表示します。
管理操作
管理者は、次のいくつかのタスクを通じて、OpenShift ContainerPlatform クラスター内のノードを簡単に管理できます。
-
ノードラベルを追加または更新します。ラベルは、
Node
オブジェクトに適用されるキーと値のペアです。ラベルを使用して Pod のスケジュールを制御できます。 -
カスタムリソース定義 (CRD) または
kubeletConfig
オブジェクトを使用してノード設定を変更します。 -
Pod のスケジューリングを許可または禁止するようにノードを設定します。
Ready
ステータスの正常なワーカーノードでは、デフォルトで Pod の配置が許可されますが、コントロールプレーンノードでは許可されません。このデフォルトの動作は、ワーカーノードをスケジュール不可に設定し、コントロールプレーンノードをスケジュール可能に 設定することで変更できます。 -
システム予約
設定を使用して、ノードにリソースを割り当てます。OpenShift Container Platform がノードに最適なsystem-reserved
CPU およびメモリーリソースを自動的に決定できるようにするか、ノードに最適なリソースを手動で決定および設定することができます。 - ノード上のプロセッサーコアの数、ハードリミット、またはその両方に基づいて ノード上で実行できる Pod の数を設定 します。
- Pod の非アフィニティー を使用して、ノードを正常に再起動します。
- マシンセットを使用してクラスターをスケールダウンすることにより、クラスターからノードを削除 します。ベアメタルクラスターからノードを削除するには、最初にノード上のすべての Pod をドレインしてから、手動でノードを削除する必要があります。
エンハンスメント操作
OpenShift Container Platform を使用すると、ノードへのアクセスと管理以上のことができます。管理者は、ノードで次のタスクを実行して、クラスターをより効率的でアプリケーションに適したものにし、開発者により良い環境を提供できます。
- Node Tuning Operator を使用して、ある程度のカーネルチューニングを必要とする高性能アプリケーションのノードレベルのチューニングを管理します。
- ノードで TLS セキュリティープロファイルを有効にして、kubelet と KubernetesAPI サーバー間の通信を保護します。
- デーモンセットを使用して、ノードでバックグラウンドタスクを自動的に実行します。デーモンセットを作成して使用し、共有ストレージを作成したり、すべてのノードでロギング Pod を実行したり、すべてのノードに監視エージェントをデプロイしたりできます。
- ガベージコレクションを使用してノードリソースを解放します。終了したコンテナーと、実行中の Pod によって参照されていないイメージを削除することで、ノードが効率的に実行されていることを確認できます。
- ノードのセットにカーネル引数を追加します。
- ネットワークエッジにワーカーノード (リモートワーカーノード) を持つように OpenShift ContainerPlatform クラスターを設定します。OpenShift Container Platform クラスターにリモートワーカーノードを配置する際の課題と、リモートワーカーノードで Pod を管理するための推奨されるアプローチについては、ネットワークエッジでのリモートワーカーノードの使用 を参照してください。