2.8. RHV でのマシンセットの作成


異なるマシンセットを作成して、Red Hat Virtualization (RHV) 上の OpenShift Container Platform クラスターで特定の目的で使用できます。たとえば、インフラストラクチャーマシンセットおよび関連マシンを作成して、サポートするワークロードを新しいマシンに移動できます。

重要

高度なマシン管理およびスケーリング機能は、マシン API が機能しているクラスターでのみ使用することができます。ユーザーがプロビジョニングしたインフラストラクチャーを持つクラスターでは、マシン API を使用するために追加の検証と設定が必要です。

インフラストラクチャープラットフォームタイプが none のクラスターは、マシン API を使用できません。この制限は、クラスターに接続されている計算マシンが、この機能をサポートするプラットフォームにインストールされている場合でも適用されます。このパラメーターは、インストール後に変更することはできません。

クラスターのプラットフォームタイプを表示するには、以下のコマンドを実行します。

$ oc get infrastructure cluster -o jsonpath='{.status.platform}'

2.8.1. RHV 上のマシンセットのカスタムリソースのサンプル YAML

このサンプル YAML は、RHV で実行され、node-role.kubernetes.io/<node_role>: "" というラベルが付けられたノードを作成するマシンセットを定義します。

このサンプルでは、<infrastructure_id> はクラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID に基づくインフラストラクチャー ID であり、<role> は追加するノードラベルです。

apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
kind: MachineSet
metadata:
  labels:
    machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 1
    machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> 2
    machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> 3
  name: <infrastructure_id>-<role> 4
  namespace: openshift-machine-api
spec:
  replicas: <number_of_replicas> 5
  selector: 6
    matchLabels:
      machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 7
      machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role> 8
  template:
    metadata:
      labels:
        machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 9
        machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role> 10
        machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role> 11
        machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role> 12
    spec:
      metadata:
        labels:
          node-role.kubernetes.io/<role>: "" 13
      providerSpec:
        value:
          apiVersion: ovirtproviderconfig.machine.openshift.io/v1beta1
          cluster_id: <ovirt_cluster_id> 14
          template_name: <ovirt_template_name> 15
          instance_type_id: <instance_type_id> 16
          cpu: 17
            sockets: <number_of_sockets> 18
            cores: <number_of_cores> 19
            threads: <number_of_threads> 20
          memory_mb: <memory_size> 21
          guaranteed_memory_mb:  <memory_size> 22
          os_disk: 23
            size_gb: <disk_size> 24
          network_interfaces: 25
            vnic_profile_id:  <vnic_profile_id> 26
          credentialsSecret:
            name: ovirt-credentials 27
          kind: OvirtMachineProviderSpec
          type: <workload_type> 28
          auto_pinning_policy: <auto_pinning_policy> 29
          hugepages: <hugepages> 30
          affinityGroupsNames:
            - compute 31
          userDataSecret:
            name: worker-user-data
1 7 9
クラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID を基にするインフラストラクチャー ID を指定します。OpenShift CLI (oc) がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。
$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster
2 3 10 11 13
追加するノードラベルを指定します。
4 8 12
インフラストラクチャー ID およびノードラベルを指定します。これら 2 つの文字列は 35 文字を超えることができません。
5
作成するマシンの数を指定します。
6
マシンのセレクター。
14
この仮想マシンインスタンスが属する RHV クラスターの UUID を指定します。
15
マシンの作成に使用する RHV 仮想マシンテンプレートを指定します。
16
オプション: 仮想マシンインスタンスタイプを指定します。
警告

instance_type_id フィールドは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。

このパラメーターを含めると、CPU およびメモリーを含む仮想マシンのハードウェアパラメーターを指定する必要はありません。このパラメーターは、すべてのハードウェアパラメーターを上書きするためです。

17
オプション: CPU フィールドには、ソケット、コア、スレッドを含む CPU の設定が含まれます。
18
オプション: 仮想マシンのソケット数を指定します。
19
オプション: ソケットあたりのコア数を指定します。
20
オプション: コアあたりのスレッド数を指定します。
21
オプション: 仮想マシンのメモリーサイズを MiB 単位で指定します。
22
オプション: 仮想マシンの保証されたメモリーのサイズを MiB で指定します。これは、バルーニングメカニズムによって排出されないことが保証されているメモリーの量です。詳細は、Memory BallooningOptimization Settings Explained を参照してください。
注記

RHV 4.4.8 より前のバージョンを使用している場合は、Red Hat Virtualization クラスターでの OpenShift の保証されたメモリー要件を 参照してください。

23
オプション: ノードのルートディスク。
24
オプション: ブート可能なディスクのサイズを GiB 単位で指定します。
25
オプション: 仮想マシンのネットワークインターフェイスの一覧。このパラメーターを含めると、OpenShift Container Platform はテンプレートからすべてのネットワークインターフェイスを破棄し、新規ネットワークインターフェイスを作成します。
26
オプション: vNIC プロファイル ID を指定します。
27
RHV 認証情報を保持するシークレットの名前を指定します。
28
オプション: インスタンスが最適化されるワークロードタイプを指定します。この値は RHV VM パラメーターに影響します。サポートされる値: desktopserver (デフォルト)、high_performance です。high_performance により、仮想マシンのパフォーマンスが向上しますが、制限があります。たとえば、グラフィカルコンソールを使用して仮想マシンにはアクセスできません。詳細は、Virtual Machine Management Guideハイパフォーマンス仮想マシン、テンプレート、およびプールの設定 を参照してください。
29
オプション:AutoPinningPolicy は、このインスタンスのホストへのピニングを含む、CPU と NUMA 設定を自動的に設定するポリシーを定義します。サポートされる値は、noneresize_and_pin です。詳細は、Virtual Machine Management GuideSetting NUMA Nodes を参照してください。
30
オプション:hugepages は、仮想マシンで hugepage を定義するためのサイズ (KiB) です。対応している値は 2048 および 1048576 です。詳細は、Virtual Machine Management GuideConfiguring Huge Pages を参照してください。
31
オプション: 仮想マシンに適用する必要があるアフィニティーグループ名の一覧。アフィニティーグループは oVirt に存在している必要があります。
注記

RHV は仮想マシンの作成時にテンプレートを使用するため、任意のパラメーターの値を指定しない場合、RHV はテンプレートに指定されるパラメーターの値を使用します。

2.8.2. マシンセットの作成

インストールプログラムによって作成されるコンピュートセットセットに加えて、独自のマシンセットを作成して、選択した特定のワークロードのマシンコンピューティングリソースを動的に管理できます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイすること。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • cluster-admin パーミッションを持つユーザーとして、oc にログインする。

手順

  1. 説明されているようにマシンセット カスタムリソース (CR) サンプルを含む新規 YAML ファイルを作成し、そのファイルに <file_name>.yaml という名前を付けます。

    <clusterID> および <role> パラメーターの値を設定していることを確認します。

  2. オプション: 特定のフィールドに設定する値がわからない場合は、クラスターから既存のコンピュートマシンセットを確認できます。

    1. クラスター内のコンピュートマシンセットをリスト表示するには、次のコマンドを実行します。

      $ oc get machinesets -n openshift-machine-api

      出力例

      NAME                                DESIRED   CURRENT   READY   AVAILABLE   AGE
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1a   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1b   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1c   1         1         1       1           55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1d   0         0                             55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1e   0         0                             55m
      agl030519-vplxk-worker-us-east-1f   0         0                             55m

    2. 特定のコンピュートマシンセットカスタムリソース(CR)の値を表示するには、以下のコマンドを実行します。

      $ oc get machineset <machineset_name> \
        -n openshift-machine-api -o yaml

      出力例

      apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
      kind: MachineSet
      metadata:
        labels:
          machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id> 1
        name: <infrastructure_id>-<role> 2
        namespace: openshift-machine-api
      spec:
        replicas: 1
        selector:
          matchLabels:
            machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id>
            machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role>
        template:
          metadata:
            labels:
              machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <infrastructure_id>
              machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: <role>
              machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: <role>
              machine.openshift.io/cluster-api-machineset: <infrastructure_id>-<role>
          spec:
            providerSpec: 3
              ...

      1
      クラスターインフラストラクチャー ID。
      2
      デフォルトのノードラベル。
      注記

      ユーザーがプロビジョニングしたインフラストラクチャーを持つクラスターの場合、コンピュートマシンセットは worker および infra タイプのマシンのみを作成できます。

      3
      コンピュートマシンセット CR の <providerSpec> セクションの値は、プラットフォーム固有です。CR の <providerSpec> パラメーターの詳細については、プロバイダーのサンプルコンピュートマシンセット CR 設定を参照してください。
  3. 次のコマンドを実行して MachineSet CR を作成します。

    $ oc create -f <file_name>.yaml

検証

  • 次のコマンドを実行して、コンピュートマシンセットのリストを表示します。

    $ oc get machineset -n openshift-machine-api

    出力例

    NAME                                DESIRED   CURRENT   READY   AVAILABLE   AGE
    agl030519-vplxk-infra-us-east-1a    1         1         1       1           11m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1a   1         1         1       1           55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1b   1         1         1       1           55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1c   1         1         1       1           55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1d   0         0                             55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1e   0         0                             55m
    agl030519-vplxk-worker-us-east-1f   0         0                             55m

    新規のマシンセットが利用可能な場合、 DESIRED および CURRENT の値は一致します。マシンセットが利用可能でない場合、数分待機してからコマンドを再度実行します。

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.